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健康診断
2022.08.24

肺がん検診

肺がん検診とは

肺がん検診とは、体に肺がんがあるかどうか調べる診察・検査のことです。定期的な検診によって肺がんによる死亡率を減少させることが科学的に認められており、対策型検診(公的に行われる検診)の1つとなっています。

肺がんってどんな病気?

肺がんは気管支や肺胞の細胞ががん化したもので、がんによる死亡の多くを占めています。

初期は自覚症状がないことが多く、がんが見つかったときにはすでに進行しており、半数以上が手術ができない状態になっているといわれています。そのため、早期発見のために症状がない段階で検診を受けることが重要です。

一方で、血が混じった痰や長引く咳、胸の痛み、声のかれ、息切れなどの症状がある場合には、肺がんの可能性をふまえ、検診ではなくすぐに医療機関を受診するとよいでしょう。

肺がん検診ではどんな検査をするの?

肺がんの死亡率減少につながることが科学的に認められ推奨されている検診方法は、“胸部X線検査”と“喀痰細胞診”(喫煙者のみ)を組み合わせた方法です。

ほかにも、低線量の胸部CT検査という選択肢もありますが、こちらは死亡率減少効果についてはっきりしていないため、対策型検診の検査方法としては推奨されていません。

胸部X線検査

いわゆるレントゲン検査です。肺にがんを疑う影がないか調べる目的で行います。大きく息を吸ってしばらく止めている間に、胸部全体にX線を照射して撮影が行われます。なお、放射線の被ばくによる健康被害はほぼないといわれていますが、妊娠中は胸部X線検査は受けられないことが一般的です。

喀痰細胞診

喫煙者や喫煙経験がある場合は、胸部X線検査に加えて喀痰細胞診を行う場合があります。喀痰細胞診とは、痰に含まれる細胞を調べ、がん細胞があるか確認する検査です。3日間にわたって起床時に痰をとり、専用の入れ物に入れて提出します。

また、胸部X線検査では見つけづらい肺門部(肺の入り口にある太い気管支部分)のがんを発見できる可能性があります。

いつ・誰が受ければよいの?

対象者

肺がん検診は、症状のない40歳以上の健常者に推奨されています。

また、喀痰細胞診の対象者は、過去も含めて喫煙経験のある50歳以上の人です。1日の喫煙本数に喫煙年数をかけた数字が喫煙指数と呼ばれ、この数値が600以上の人に推奨されています。

時期・受診間隔

肺がん検診は、毎年定期的に受けることが推奨されています。

場所・費用

対策型検診は住んでいる市区町村で受診が可能です。特定の検診施設または検診車で行う集団方式と、地域のかかりつけ医などで実施する個別方式があります。検査日程や申込み方法などについては、市区町村へ問い合わせるとよいでしょう。

また、多くの自治体では公費負担となっており、自己負担がある場合も一部のみであることが一般的です。

一方、対策型検診の対象ではない50歳未満の場合は、任意型がん検診を受ける方法があります。これは、職場や人間ドックなどが提供する医療サービスを任意で受けるものです。

任意型がん検診は基本的に全額自己負担ですが、健康保険組合などによる一定の補助が受けられる場合もあります。

検診結果

がん検診の検診結果は、“精密検査不要”か“要精密検査”のどちらかとなります。

精密検査不要

がんの疑いがないという意味です。引き続き、年に1回定期的ながん検診を受けるとよいでしょう。

要精密検査

がんの疑いがあるため、必ず精密検査を受ける必要があります。ただし、必ずしもがんだと決まったわけではなく、精密検査の結果、“異常なし”や“良性の病変”と判断されることもあります。

精密検査は、胸部CT検査、または気管支鏡検査によって行われます。

肺がん検診を受けるときに気を付けたいポイント

検診前の準備

妊娠中は胸部X線検査は受けられないことが一般的です。

また、ストッキングやタイツ、ロングブーツ、ワンピース、上下がつながっている服(サロペットなど)、コルセットなどの着用は避け、脱ぎ着しやすい服装で検診に行くとよいでしょう。

痛み

精密検査の気管支鏡下検査では、内視鏡で気管支の中を観察するだけでなく、がんが疑われる場所の組織を採取する場合があります。この場合は痛みを伴うことがありますが、事前に処置を行い、のどや気管の痛みが軽減されるように配慮されることが一般的です。