【医師解説】NMNで筋肉は若返る？東大病院の研究で「握力・歩行速度」の改善を確認

【医師解説】NMNで筋肉・身体機能が向上？東大病院の研究で「握力・歩行速度」の改善を確認

イーヘルスクリニック新宿院の天野です。抗加齢（アンチエイジング）物質として世界中で注目を集める「NMN」。私自身も、健康維持とパフォーマンス向上のために愛用しているサプリメントの一つです。

これまでNMNは、マウス実験において糖尿病や筋力、認知機能の低下を改善する効果が報告されてきましたが、ついにヒト（人間）を対象とした臨床試験でも、その効果が明らかになりつつあります。

今回は、東京大学医学部附属病院の研究チームが発表した、NMNが「筋肉」や「運動機能」に与える影響についての画期的な研究結果を解説します。これは、超高齢社会の大きな課題である「サルコペニア（筋肉減少症）」の予防に新たな光を当てるものです。

東大病院の研究：NMNが高齢男性の運動機能を改善

東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科の研究チーム（五十嵐正樹助教ら）は、65歳以上の健康な男性42名（平均年齢71.5歳）を対象に、NMNの経口摂取による影響を調べる臨床試験を行いました。

なぜ「握力」と「歩行速度」の改善が重要なのか？

「握力」と「歩行速度」の低下は、単なる体力の衰えではありません。これらは、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する病気「サルコペニア（筋肉減少症）」の診断基準に使われる極めて重要な指標です。

サルコペニアが進行すると、転倒や骨折のリスクが高まり、最終的には寝たきりや要介護の状態に繋がります。今回の研究でNMNの摂取によりこれらの指標が改善したことは、NMNがサルコペニアを予防し、将来の介護リスクを減らす可能性を示唆しています。

筋力だけじゃない！NMNの幅広い健康効果

今回の研究では筋肉への効果が確認されましたが、NMNの摂取により体内のNAD+レベルが向上すると、それ以外にも多岐にわたるエイジングケア効果が期待されています。権威ある学術誌に掲載された総説論文でも、NMNが糖尿病、アルツハイマー病、血管の機能障害、炎症などに対して保護効果を持つ可能性がまとめられています。

これらの働きにより、筋肉機能の維持だけでなく、肌のハリや弾力性の改善（皮膚の若返り）、記憶力の向上など、具体的なエイジングサインの改善に繋がることが期待されています。

まとめ：NMNで「動ける体」を維持しよう

今回の東大病院の研究は、NMNが単なる美容や長寿のためだけでなく、「高齢になっても自分の足で歩き、元気に活動するための筋肉」を守るために有効であることを科学的に示しました。

人生100年時代、健康寿命を延ばすためには、筋肉の維持が欠かせません。日々の運動や食事に加え、NMNを取り入れることは、将来のサルコペニア予防に向けた賢い投資と言えるでしょう。