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2023.02.17

不整脈の薬物治療とは? ~効果や副作用、注意点についてご紹介~

不整脈とは心臓のリズムの異常によって、脈拍が速くなったり、遅くなったり、飛んだりする状態のことです。治療法は薬物療法や手術、カテーテル治療などがあり、医師により適切に検討されます。中でもここでは不整脈の薬物療法について解説します。

不整脈の薬物療法

不整脈を止める、発生を予防する、頻度を減らす、症状を軽減するといったことを目的として、抗不整脈薬が使用されます。薬は主に症状がみられる患者さんに使用されます。

抗不整脈薬には大きくナトリウムチャネル遮断薬、交感神経β受容体遮断薬、活動電位持続時間を延長する薬、カルシウムチャネル遮断薬の4つの種類があります。医師が患者さんの不整脈の種類や検査の結果を踏まえて、適切な種類の薬を処方します。そのため定期的に検査などを行い、効果がみられなかった場合や副作用がみられた場合などには薬の種類の変更が検討されることが一般的です。薬の服用後は自分自身でも体調の変化をチェックしておくようにしましょう。

薬の種類別の特徴は以下のとおりです。

ナトリウムチャネル遮断薬

心臓はナトリウムやカリウムなどの金属イオンが心臓に出入りする際に生じる電気信号(活動電位)によって動きます。ナトリウムチャネル遮断薬は、ナトリウムイオンの通路であるナトリウムチャネルをさえぎることによって、電気信号の速度を抑えて乱れた脈を整えます。ナトリウムチャネル遮断薬の対象となるのは、上室性不整脈、心室性不整脈、心室性期外収縮、心室頻拍などです。

主な副作用としては、種類によって新たな不整脈を発生させたり、心臓のはたらきを低下させたりすることが挙げられます。

交感神経β受容体遮断薬

β遮断薬は、心拍数を増やして血圧を上げるはたらきがある交感神経の“β受容体”を阻害して心臓の過剰な動きを抑えます。高血圧や狭心症にも使用されている薬で、不整脈としては主に上室頻拍に使用されます。

主な副作用としては、血圧の低下(めまい、ふらつき、疲労感など)や徐脈、心不全の悪化などが挙げられます。なお、β遮断薬は気管を狭くするはたらきがあるため、喘息患者さんには使用できません。

活動電位持続時間を延長する薬

カリウムチャネル遮断薬は、心臓に出入りするカリウムイオンの通路であるカリウムチャネルをさえぎることによって、拍動の乱れを整えます。命に関わる再発不整脈や、ほかの薬で効果が出なかった不整脈を対象に使用される薬で、効果が強いことで知られています。

主な副作用としては、間質性肺炎、肺線維症、甲状腺機能異常、肝障害などが挙げられます。副作用の中には危険なものもあるため、X線検査などの検査を定期的に行いながら服用することが必要となります。

カルシウムチャネル遮断薬

カルシウムには筋肉を縮めるはたらきがあり、カルシウム拮抗薬は血管の筋肉にあるカルシウムのはたらきを抑えて血管を広げ、血圧を低下させる効果が期待できます。主に上室性不整脈の場合に使用されます。

主な副作用には、頭痛やめまい、熱っぽさ、血圧の低下などが挙げられます。また、薬の種類によってはグレープフルーツによって薬の効果が強くなることがあるため注意が必要です。

薬を使用しているときに注意したいポイント

薬は医師や薬剤師の指示に従って、決められた時間に決められた量で服用するようにしましょう。症状が治ったと思っても自身の判断で中断することはやめましょう。

また、前述のとおり薬の効果がみられなかった場合や副作用が出ている場合などでは、薬の種類を変更することなどが検討されます。その判断のためには、薬を飲んだ後の体調の変化を定期的に問診したり、検査を行ったりして確認することが必要です。従って、自身でも体調の変化をチェックするようにし、もし気になる症状があるときは、すぐに医師に伝えるようにしましょう。

不整脈の薬についてはイーヘルスクリニック新宿院にご相談を

不整脈の薬は患者さんとの相性があるため、効果が十分でない場合や副作用がある場合にはほかの薬に変更することがあります。薬を飲んだ後の体調の変化(効果や副作用)をしっかり観察しましょう。気になることや心配なことがあれば、ためらわずに医師に相談するようにすることが大切です。

イーヘルスクリニック新宿院では、不整脈の診療を行っています。本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法をご提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって不整脈の改善を全力でサポートします。お気軽にご相談ください。