高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
新型コロナウイルス感染症のまん延からすでに長い時間が経過し、コロナウイルスへの罹患を経験した方、またいわゆる新型コロナ後遺症を経験している方も、時間を追うごとに増加しています。新型コロナ後遺症に関しては特効薬といったものがなく、正しい対処法に関する情報も乏しいまま、多くの方が不安を持っていらっしゃることと思います。このような現状のなか注目度が高まっているのが、食事療法が新型コロナ後遺症に良い影響を与えるとの研究です。
今回は、USニューズ&ワールド・レポート誌の「全米の優れた病院」2018-2019年版に1位にランクされたメイヨー・クリニックにおける、COVID-19後遺症ケア部門ディレクターのDr. Greg Vanichkachornが推奨する食事療法の内容を、まとめてご紹介します。
早速、コロナ後遺症の緩和につながると考えられる食事の内容について見ていきましょう。
地中海食は、現在のところ「最も信頼できる健康効果が高い食事法」と考えられている方法です。
地中海食の特徴には、
・不飽和脂肪酸を多く含んでいるオリーブオイルをよく使う
・飽和脂肪酸を多く含む肉の摂取量が少ない
・タンパク質源のメインは魚である
・野菜や果物などの植物性の食品が多い
などがあげられます。
タンパク質は体にとって重要な役割を果たす栄養素の一つで、タンパク質の摂取が少ないと疲労の症状が悪化する可能性があります。その中でもマグロやサーモンなど脂肪分の多い魚は、心血管の健康を改善することができる「オメガ3酸」が含まれており、積極的に摂りたい食材です。
Dr. Greg Vanichkachornは「スーパーフード」に焦点を当てるのではなく、総合的な「スーパーフード」を構築することに焦点を当てるべきだ、と述べています。スーパーフードとは、抗酸化物質、食物繊維、脂肪酸を豊富に含む、健康に有益な食品のことです。スーパーフードと呼ばれる1つの食べ物でさまざまな栄養を補うこともできますが、食事で摂取するさまざまな食べ物で総合的に栄養を補うことができればより理想的でしょう。
スーパーフードのように、健康に役立つ数多くの栄養素をバランス良く摂取することは、慢性疾患の改善に役立ちます。さまざまな食材に含まれるすべてのビタミンとミネラルが一緒に働くと、それが最高の防御になるのです。
2022年に発表された研究では、鉄代謝異常と貧血はCOVID-19後によく見られる所見で、長期的な症状の原因の一つとなる可能性があります。また亜鉛が不足すると、味覚障害、疲労、脱毛などの症状も出現します。ビタミンやミネラルの欠乏が後遺症のすべての症状と関係しているとは言えないですが、不足している場合は栄養相談などを通じ、食生活を改善するほうが良いでしょう。
研究では「コロナ後遺症を発症したすべての患者さんが適切な量の水分を補給する必要がある」と強調されています。新型コロナウイルス感染症の患者さんは、長時間、休息や睡眠をとることが多いため、栄養補給や、特に水分補給が滞りやすくなります。誰しも脱水症状になれば気分が悪くなりますが、新型コロナ後遺症にも悪影響が出るのです。
Dr. Greg Vanichkachornは、患者さんが水分補給を忘れないように注意する必要があるとして、新型コロナ後遺症の患者さんに携帯用ボトルでの水分の持ち歩きを推奨しています。「普通の水ではつまらないという方は、レモンやライムなどの果物を加えると、味が変わります。このような簡単な工夫で、水分補給がとても簡単になります」というアイデアを付け加えています。
コロナ後遺症の際、摂取しないほうがいいと考えられている食べ物もあります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期以降に長期間続くさまざまな症状(いわゆる「long COVID」)に慢性炎症が関与しており、炎症を抑制する治療が予後を改善する可能性が報告されました。これは米フロリダ大学のArch Mainous氏らの研究によるもので、詳細は5月12日の「Frontiers in Medicine」に掲載されています。
この論文では、摂取を控えることが望ましい、慢性炎症を悪化させる食材として、赤身肉・加工肉・果糖入り飲料などが挙げられています。
新型コロナ後遺症は、誰でもが見舞われる可能性のあるものです。症状の緩和につながる可能性のある対策は、水分や食事という非常に身近なところにポイントがあります。自覚症状を感じたら一つずつ対策し、ゆっくりと改善を目指しましょう。当院でもそれぞれの生活に適した栄養指導をおこなっていますので、お気軽にご相談ください。
著:医師 天野方一(eHealthclinic院長)
参考資料
https://www.cnbc.com/2022/08/29/struggling-with-long-covid-heres-what-you-should-and-should-not-eat.html
Metabolites. 2022 Jun 14;12(6):546.
Front Med (Lausanne). 2022 May 12;9:891375.