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男性更年期障害(LOH症候群)とは、男性ホルモンの低下に伴い心身に不調が起こる病気のことをいいます。更年期障害と聞くと“女性の病気”というイメージを持つ方も多いかと思いますが、男性にも起こりうるのです。
現れる症状には個人差がありますが、性欲の低下やだるさ、筋肉や関節の痛み、筋力低下、不眠、無気力などの症状がみられることがあります。このような症状を改善するには、原因を知って対処することが大切です。
本記事では男性更年期障害の原因について解説します。
男性更年期障害の原因は、男性ホルモンの減少です。
男性ホルモンは性機能だけでなく、筋肉や骨の形成を促したり、日々のバイタリティーやモチベーション、心身の健康維持をしたりするはたらきがあります。これが何らかの原因によって減少することで、さまざまな不調がみられるようになるのです。
通常、男性ホルモンは一般的に20歳ごろにピークとなり、40歳代を過ぎる頃から緩やかに低下するといわれています。
しかし、男性ホルモンが減少する原因は加齢だけではなく、ストレスや疲れ、寝不足などの生活習慣が関係していることもあります。特に若い人ほどストレスによる影響が大きく、年齢が増すにつれて男性ホルモン低下による症状が出てきやすいといわれています。
以上のことから、男性更年期障害を予防・改善するためには、原因を踏まえて生活習慣を見直すことがポイントです。
環境の変化や仕事などによるストレスは、男性ホルモンを低下させると考えられています。ストレスを感じる原因は人によって異なるため、まずは自分のストレスの原因を突き止めることが大切です。
趣味などプライベートでの楽しみを見つける、気兼ねない友人と話をするなど、気分転換をするようにしてみるのも1つの方法です。
また、家族や仲間から認められたり褒められたり、競争に勝ったりすることで男性ホルモンの分泌が促されるといわれます。
男性更年期障害は毎日の食事が関わっていることもあります。そのため、栄養バランスの整った食事を取ることを意識しましょう。良質なたんぱく質や食物繊維、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類は男性ホルモンの分泌を促すといわれているため、意識して積極的に取り入れるとよいでしょう。
また、適度に糖質を取るようにしましょう。ダイエットで糖質制限をする人も多いですが、男性ホルモンであるテストステロンをつくるには、糖質とコレステロールの摂取が欠かせません。
ただ、ケーキなどの甘いものや炭水化物などから糖質を取り過ぎると、内臓脂肪が増えてテストステロンが減少してしまいます。適度な運動も平行してカロリーを消費しましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動をして筋肉を使うことで、男性ホルモンの分泌が促されるといわれています。1日30分程度行うとよいでしょう。
筋トレなどの負荷をかける運動は、筋肉を増やすことにつながるので男性ホルモンの分泌促進に有効です。
自分を認めてもらう機会があることが男性ホルモンの減少を防ぐといわれています。そのため、孤独な環境を避け、集団行動をするなどがすすめられます。
たとえば、楽しみながら競い合うスポーツ(テニスやゴルフなど)も男性ホルモンを増やすことにつながるといわれています。
このほか、喫煙は男性ホルモンの分泌に悪影響を与えることがあるため、喫煙習慣がある方は禁煙することも大切です。
男性更年期障害は男性ホルモンの減少から起こるもので、これは加齢のほか生活習慣などが関係しています。
症状の改善には生活習慣を見直すことが大切ですが、気になる症状がある場合は男性更年期障害や別の病気の可能性を考えて受診を検討しましょう。男性更年期障害は放置しても治る病気ではなく、悪化するケースもあります。
男性更年期障害が疑われる場合は泌尿器科を受診しましょう。疑問や不安は医師に相談しましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では男性更年期障害の診療を行っています。治療に際してご不安やお困り事などあればぜひご相談ください。
記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。