HIV感染の不安から、日常生活に影響が出ている方もいます。統計によると、HIV検査を受けた人の多くが、結果が出るまでの間に不安やストレスを感じると報告されています。HIVは早期発見と適切な治療が推奨されています。
この記事では、HIV感染の正しい知識と適切な対処法、検査のタイミングについて解説します。検査を受けるべきか迷っている方、感染経路や症状について知りたい方は、この記事を参考にしてください。
当院は、新宿三丁目駅からわずか1分の距離にあり、来院またはオンライン診療であなたの健康に対応します。性感染症の治療・予防やED治療だけでなく、保険診療にも対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
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目次
HIV感染症とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が体内に侵入することで罹患する感染症です。HIVは、外敵から体を守るCD4陽性リンパ球の中で増殖しながら細胞を破壊し、免疫システムを弱体化させます。HIV感染症の症状について、以下の2つを解説します。
HIV感染の初期段階(急性期)では、2〜4週間後に風邪に似た症状が現れることがあります。代表的な初期症状は以下のとおりです。
症状は、数日〜数週間で自然に治まることが多いです。初期段階であっても一切症状が出ないケースもあります。急性期を経過すると、多くの場合、無症候期と呼ばれる時期に入ります。この期間中、見た目や体感上の異常がない一方で、HIVウイルスは体内で静かに増殖を続け、免疫を司る重要な細胞を徐々に破壊していきます。
治療を受けずに放置した場合、数年から十数年かけて、エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)を発症する段階へと進行するリスクがあります。初期症状が一時的で消失してしまうと、その後にHIV感染を自覚するきっかけがなくなることも少なくありません。そのため、感染の可能性に心当たりがある方は、たとえ体調に異常が見られない場合でも、定期的な検査の受診が強く推奨されます。
現在の医療では、HIV感染が早期に判明すれば、適切な治療によってエイズの発症を高い確率で防ぐことが可能とされています。早期発見・早期対応が、自分自身の健康を守る鍵となります。
HIV感染症は、初期症状の後、長い無症状の期間(無症候期)に入ります。無症候期の後、免疫力が低下すると以下の症状が現れ始めます。
病状が進行すると、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
HIVは、体液を介して感染します。HIV感染症の主な3つの感染経路は、以下のとおりです。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の主要な感染ルートの一つが、性的な接触によるものです。特にコンドームを使わずに性行為を行った場合、感染のリスクは大きく高まります。
このウイルスは、精液や膣分泌液、そして血液などの体液に含まれており、性交渉の際に粘膜やごく小さな傷口を通じて体内へと入り込むことがあります。
中でも肛門を介した性行為は、膣性交に比べて粘膜が損傷しやすく、HIVが侵入しやすい環境となるため、感染の可能性が高くなるとされています。オーラルセックス(口を使った性行為)であっても、口腔内に炎症や傷がある場合には、感染リスクが増すため注意が必要です。
HIVは血液を通じても感染することがあり、注射針や注射器の使い回しは、その中でも特に高い感染リスクを伴う行為とされています。違法薬物の使用者が器具を共有することで、感染が広がる事例が過去に多数報告されています。
かつては医療現場における輸血によって感染が起きることもありましたが、現在では血液製剤に対する厳格な検査が行われており、輸血によるHIV感染はまれなケースとなっています。
刺青やピアスの施術を受ける際に使用される器具の消毒が不十分であった場合にも、血液を介してHIVが伝播する可能性があります。信頼できる施設での施術が大切です。
HIVは、感染している母親からその子どもへと感染することがあります。母子感染は、妊娠中に胎盤を介して、または出産時の産道を通過する際、さらに授乳時に母乳を通してウイルスが赤ちゃんにうつる場合があります。
現代の医療では、母子感染のリスクを大幅に抑える方法が確立されています。妊娠中に抗レトロウイルス療法(ART)を実施したり、分娩方法として帝王切開を選択したりすることで、感染の可能性を下げることができます。授乳を避けることも感染予防の一環とされています。
HIVの検査について以下の3つを解説します。
HIVの検査は、主に血液検査で行います。HIVに感染すると「抗体」という物質を作り出します。検査では、抗体が血液中に存在するかどうかを調べます。検査の種類は、主に以下の3つです。
どの検査が適切かは、感染の可能性のある行為からの期間や個々の状況によって異なります。医師と相談して、最適な検査方法を選びましょう。
HIV検査は、一般的に感染の可能性のある行為から3か月後に行うことが推奨されています。「ウィンドウピリオド」と呼ばれる期間があるためです。ウィンドウピリオドとは、感染していても体内で十分な量の抗体が作られておらず、検査で陽性反応が出ない期間のことです。
迅速検査や通常検査では3か月程度ですが、NAT検査では2週間程度です。3か月経たずに検査を受けて陰性だった場合でも、必ず3か月後に再検査を受けるようにしてください。ウィンドウピリオド中に検査を受けた場合、偽陰性となる可能性があるためです。
感染を早期に発見するため、再検査を受けましょう。
HIV検査の費用は、以下の検査機関や検査の種類によって異なります。
どの検査機関を選ぶかは、個々の状況や希望によって異なります。費用、匿名性、医師への相談の有無などを考慮して、自分に合った検査機関を選びましょう。
正しい知識と適切な予防策を実践することで、感染リスクを減らせます。HIV感染症の予防について、以下の3つを解説します。
不特定多数との性的接触を持つことは、自分でも気づかないうちに体液との接触機会が増え、それに伴って感染症にかかるリスクも高まります。パートナーが複数いる場合や、相手について十分な情報がない状況では、相手がHIVに感染しているかどうかを事前に知ることは難しいと言えます。
性感染症のリスクをできるだけ低く抑えるためには、性的な関係を持つ相手を限定することや、必要に応じて性行為を控えるといった行動も、有効な選択肢の一つです。
正しく使用すればHIVを含む多くの性感染症の予防に効果的です。コンドームを使用する際は、以下の点に注意しましょう。
性行為の最初から最後まで、必ず新しいコンドームを使いましょう。途中で外したり、使い回したりすると感染リスクが高まります。直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。開封時は、爪や鋭利なもので傷つけないように注意しましょう。装着前にコンドームの先端の空気を抜くことで、破損リスクを減らせます。
PrEP(プレップ)は「暴露前予防内服」とも呼ばれ、HIVに感染するリスクが高いとされる人々が、事前に薬を服用することで感染を防ぐことを目的とした予防手段です。たとえば、HIV陽性のパートナーがいる方や、コンドームを使わない性行為の機会が多い方などが該当します。
複数の臨床研究により、PrEPを正しく継続して服用することで、HIVへの感染リスクを大幅に下げられる可能性が示されています。
ただし、PrEPはすべての人に適しているわけではありません。薬剤による副作用(例:吐き気、頭痛、胃腸の不快感など)が現れる場合もあるため、使用を検討する際には必ず医師と相談し、適切な判断を行うことが重要です。
以下の記事では、毎日服用することで高い予防効果が期待できる「デイリーPrEP」と、必要な時だけ服用する「オンデマンドPrEP」について、その効果や注意点をわかりやすく解説しています。継続的な予防を検討している方はぜひご覧ください。
>>デイリーPrEPとは?毎日飲むHIV予防薬の効果と注意点を解説
>>オンデマンドPrEPとは?効果的なHIV予防方法とその使い方を徹底解説
HIVは血液や精液、膣分泌液、母乳などを介して感染し、性行為や血液感染、母子感染が主な経路です。初期症状は風邪に似ていますが、自覚症状がないことも多いです。感染の可能性がある行為から3か月後の検査が推奨されます。検査は保健所や医療機関、民間検査機関で受けられ、費用や匿名性に応じて選びましょう。
予防には、コンドームの正しい使用やPrEP療法が有効です。HIVは早期発見・治療が大切で、正しい知識を持つことで適切な判断ができます。不安を感じたら、検査や相談を検討しましょう。
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