性感染症の感染経路は性行為が一般的ですが、それ以外の経路で感染する場合があります。クラミジア感染に心当たりがなく、自覚症状がないまま数年経過することも少なくありません。過去の性交渉による感染や、まれですがタオルの共有による感染など感染経路はさまざまです。
本記事では、心当たりのない感染の原因や潜伏期間、検査の精度、無症状感染の可能性など、クラミジアに関するさまざまな疑問を解消します。早期発見・早期治療のため、正しい知識を身につけて早めに行動することが大切です。
当院では、性感染症のオンライン診療を行っています。検査や治療に関するご相談など、お気軽にお問い合わせ下さい。
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目次
心当たりがない場合のクラミジア感染経路として、代表的な5つを解説します。
クラミジア感染症は、感染しても自覚症状がない場合もあり、感染したことに気づかないまま数年が経過することも少なくありません。過去に性交渉の経験があれば、その時点で感染していた可能性も考えられます。
感染から症状が出るまでの潜伏期間は、約2~3週間です。自覚症状がないことも多いため、心当たりがない場合も、潜伏期間を考慮して過去の行動を振り返ることが大切です。
クラミジアは、主に性行為によって感染する病気ですが、まれに性行為以外でも感染する可能性があります。感染者の体液が付着したタオルなどを介して粘膜に触れることで感染する場合があります。粘膜の抵抗力が弱い場合は感染しやすい可能性があるため、注意が必要です。感染者の体液が付着した手指で目をこすってしまうことでも感染します。
クラミジアは人の体外では長く生存できないため、トイレの便座やお風呂、プールなど日常生活で感染することは低いと考えられています。
クラミジアの検査には、尿検査やスワブ検査、血液検査などいくつかの種類があります。検査方法によって精度が異なるため、感染しているにもかかわらず陰性と判定される「偽陰性」になる場合もあります。特に感染の初期段階では、正確な検査結果が得られないことがあるため注意が必要です。
心当たりがなく症状もないのに陽性反応が出た場合は、医療機関を受診し、より精度の高いPCR法で再検査を受けることをおすすめします。正確な診断と適切な対応が可能になります。
クラミジアに感染しても、自覚症状が現れないことも多く、特に女性は約80%が無症状であるという報告があります。自分が感染していることに気づかないまま、他の人に感染させる可能性もあるため注意が必要です。心当たりがない場合でも、過去のパートナーが無症状の感染者だった可能性も考えられます。
現在または過去のパートナーから感染しているケースは多いです。パートナーも知らないうちに感染している場合があります。将来的な妊娠を希望する場合、クラミジア感染症が治療されずに進行すると、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まる可能性があるとされています。
クラミジア感染症は不妊や子宮外妊娠のリスクを高める可能性があるため適切な治療が欠かせません。パートナーと一緒に検査を受けることが重要です。
クラミジア感染症の主な症状を解説します。
クラミジア感染症の症状は男女で異なり、症状の現れ方には個人差があります。女性に現れる症状は以下のとおりです。
男性に起こる代表的な症状は以下のとおりです。
上記の症状は他の病気でも見られるため、自分で判断することは危険です。医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。放置することで、以下の合併症を引き起こす可能性があります。
正確な診断と適切な治療を受けるために、医療機関を受診する際は、性交渉の時期や症状を詳しく伝えることが大切です。
クラミジア感染症は、症状が出ない場合も少なくありません。女性の約8割が無症状と言われており、男性でも無症状の場合があります。症状がなくても感染している可能性があるため、心当たりのある方は必ず検査を受けることをおすすめします。
クラミジア感染症の検査方法は主に2種類あります。
PCR法は、尿や膣分泌液、咽頭ぬぐい液、肛門ぬぐい液などを用いて、クラミジアの遺伝子を増幅させて検出する方法です。他の検査方法と比較して高い感度と特異度があり、少量の菌でも検出できるため、現在広く用いられている検査方法の一つです。結果が出るまでに数日かかる場合があることや、検査費用が比較的高額であることがデメリットとして挙げられます。
抗原検査は、クラミジアの抗原を検出する方法です。迅速に結果がわかるというメリットがありますが、PCR法に比べると感度が低いため、偽陰性の可能性があることに注意が必要です。血液検査による抗体検査は、過去の感染歴を調べるのに用いられます。現在の感染を診断する目的では用いられませんので、注意が必要です。
それぞれの検査方法にはメリットとデメリットがあります。検査方法によって感度や特異度が異なるため、医師の判断のもと適切な検査を受けることが重要です。
性感染症予防の新しい選択肢として、Doxy PEP(ドキシペップ)をご紹介します。Doxy PEPは梅毒やクラミジア、淋菌などの細菌性感染症のリスクを大幅に低減できる新しい予防法です。性的接触後72時間以内に服用することで、感染の可能性を減らせます。コンドームが破損した場合や予期せぬ性的接触があった際の不安解消に役立ちます。
クラミジア感染症の検査場所と費用の目安について、以下の項目に沿って解説します。
クラミジア感染症の検査は、さまざまな医療機関で受けることができます。性感染症専門クリニックや、産婦人科、泌尿器科などが主な検査機関です。
どの医療機関を受診すればよいかわからない場合は、かかりつけの医療機関で相談することや、地域の保健所や相談窓口に問い合わせることも可能です。医療機関を選ぶ際には、通いやすさや費用なども考慮に入れる必要があります。
クラミジア感染症の検査費用は、医療機関や検査方法によって異なります。一般的には、数千円から1万円程度が相場ですが、検査項目や医療機関の規模などによって変わります。
一部の医療機関では、保険適用となる場合もあります。保険適用となるかどうかは、医療機関や症状によって異なるので、事前に確認しましょう。自治体によっては、性感染症の検査費用を助成する制度を設けている場合があります。制度を利用することで、検査費用を抑えることができます。費用が心配な方は、医療機関や自治体の窓口に相談してください。
当院では、オンライン診療で気軽に相談できるため、プライバシーを守りながら医師の適切なアドバイスを受けられます。不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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クラミジア感染に心当たりがない方も、過去の性交渉や無症状感染の可能性を考えると、検査を受ける意義は十分にあります。検査方法はいくつかあり、PCR法が最も精度が高い方法です。費用は医療機関によって異なりますが、保険適用となる場合もあります。
症状が無いことや軽いことで、感染していることに気づかずパートナーにまで感染を広げてしまう可能性があります。自分だけでなくパートナーを守るためにも、早めの検査を心がけましょう。
性感染症は早期発見・早期治療が重要です。本記事を参考に、不安がある場合は、ご自身の状況を考慮し必要に応じて医療機関に相談してください。
当院では、性感染症の検査を行っています。検査方法や費用について、詳しくは以下のページををご覧ください。
>>性感染症の検査・治療について
参考文献