新型コロナ後遺症を克服するための3つのポイント

貨幣状湿疹とは、直径1~5cm程の円形の湿疹(皮膚の炎症)がたくさんできる皮膚の病気です。湿疹の形がコインのようであることから、“貨幣状”という名前がついています。冬場に発症しやすく中年以降に多いといわれ、主に腕や脚、お腹の周辺やお尻などにできやすいことが特徴です。
直接の原因ははっきり分かっていませんが、乾燥肌、虫刺され、かぶれや、それらをかきこわすことなどがきっかけで発症すると考えられています。さらに、アトピー性皮膚炎の1つの症状として現れたり、内科的な病気に関連して湿疹が現れたりすることもあります。
貨幣状湿疹では、コインのような円形の湿疹がたくさんできます。湿疹には、以下のような特徴があります。
貨幣状湿疹は、治療をしないと湿疹が全身に広がる“自家感作性皮膚炎”につながることがあるため、注意が必要です。
また、虫刺されやかぶれをかきこわすと悪化して貨幣状湿疹に移行したり、貨幣状湿疹をかきこわすことで湿疹同士がくっついて大きくなったりすることがあります。特に高齢者の場合は乾燥によって生じる“皮脂欠乏性湿疹”から貨幣状湿疹へと移行することもあります。
そのため、上記『湿疹の特徴』で紹介したような症状のほか、虫刺されやかぶれによるかゆみが治まらない、乾燥による湿疹ができているなど、気になる症状がある場合は早めにアレルギー科などの受診を検討するとよいでしょう。
貨幣状湿疹は、適切な治療を受ければ数週間ほどで改善されるといわれています。治療ではステロイドの塗り薬を使うことが一般的です。
ステロイドは、免疫反応を抑えて炎症を改善する薬です。効果の強さによって5段階に分類されており、効果が高いものほど副作用のリスクが高まるため、症状に見合った強さの薬を使うことが大切です。また、漠然と自己判断によって使うとかえって症状の悪化や長期化につながることもあるため、医師に指示された量、期間を守って使うようにしましょう。
また、かゆみがある場合はかゆみの原因となるヒスタミンのはたらきを抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬を使うこともあります。
貨幣状湿疹になったときは、症状の悪化や再発を防ぐために以下のような点に注意するとよいでしょう。
乾燥を防いで皮膚を外部の刺激から守ってくれるバリア機能を保つためにも、保湿をすることが大切です。特に入浴後や洗顔後は保湿剤を塗るとよいでしょう。塗り薬などを処方されている場合は、保湿剤と同時に塗らずに間隔をあける必要があります。同時に塗る場合は塗る面積が広い薬から塗ることが基本ですが、詳細は医師に相談するとよいでしょう。
また、症状がよくなった後も乾燥によって再発することがあるため、保湿を続けることが大切です。
繊維がこすれるなどの物理的な刺激でかぶれが起こり、繰り返しかきこわすと悪化して貨幣状湿疹へ移行することがあります。これを避けるためにも、入浴時にナイロンタオルでこすらないなど、物理的な刺激を避けることを心がけるとよいでしょう。
体が温まり、血行がよくなるとかゆみが強くなることがあるため、アルコールや香辛料などは控えたほうがよいでしょう。貨幣状湿疹をかきこわすと湿疹が広がり、いくつかの湿疹がくっついて、大きくなることもあるため注意が必要です。