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2022.08.31
#検査機器・設備 #対象疾患

HPV検査

HPV検査とは

HPV検査とは、子宮頸(しきゅうけい)がんの発症に関わるウイルスであるHPVに感染しているかどうかを確認する検査のことです。

子宮頸がん検診で行われる細胞診で異常がみられなかった場合でも、HPV検査と併用することで診断の精度が上がるという報告があります。このことからも、日本婦人科がん検診学会や日本産婦人科医会などは、子宮頸がん検診においてHPV検査を併用することを強く推奨しています。

検査方法は子宮頸がん検診で行われる細胞診と同じで、医師が子宮頸部から専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、その細胞を調べることで判断します。

イーヘルスクリニック新宿院でもHPV検査を実施しています。健康診断のオプションとしてHPV検査を5,500円(税込)、子宮頸がん細胞診+HPV検査のセットを7,700円(税込)でご用意しています。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

HPVって?

HPVとは、性行為の経験がある人であれば感染する可能性があるといわれる、ありふれたウイルスです。また、HPVには100以上の種類があるといわれ、そのうちの15種類(ハイリスク型)が子宮頸がんをはじめとするがんや尖圭(せんけい)コンジローマなど多くの病気の発生に関係しています。

特に16型、18型はもっとも子宮頸がんに移行しやすく、日本人の子宮頸がんの約5~7割はこのタイプだとされています。ただし、HPVは、感染しても多くは自身の免疫力で排除されます。感染から数年以内に、がん化する前の細胞(軽度異形成)が生じることがありますが、その場合も治癒することが多いとされています。一方、感染した状態が続くと高度異形成を生じることがあり、15~20年ほどかけて子宮頸がんに進行していくことがあります。

HPVの感染を知ることが早期発見につながる

HPVは、子宮頸がんの前がん病変ではほぼ100%みられるため、子宮頸がんの危険因子の1つとされています。そのため、検査によりHPVへの感染を知ることは、早い段階での前がん病変の発見や、子宮頸がんの発症リスクを知ることにつながると考えられています。

もしHPV感染が確認されなかった場合は、従来の子宮頸がん検診(細胞診)より検診間隔を延長できるとされています。

HPV検査と子宮頸がん検診の違い

HPV検査も子宮頸がん検診も、子宮頸部から細胞をこすり取って行う点は同じです。しかし、子宮頸がん検診は細胞の状態を顕微鏡で観察し、前がん病変や浸潤がん(増殖して周囲に広がるがん)があるかを調べるものであるのに対し、HPV検査はがんの原因となるウイルスの有無を調べるものです。そのため、がんがなくてもHPVに感染していれば陽性の結果が出ます。

検査がすすめられる人(対象者)の特徴

HPV検査がすすめられる人の特徴は以下のとおりです。

  • 子宮頸部細胞診での異常が軽度で、前がん病変があるかどうかはっきりしない方
  • 20歳以上の女性
  • 前回の子宮がん検診受診から2年が経過している方
  • 初交年齢が若い
  • セックスパートナーが多い
  • 多産
  • 喫煙者
  • ビタミンA、Cの少ない食事
  • 経口避妊薬(ピル)の長期服用者
  • 免疫系の低下 など

気になる症状がある人はそのままにせず、医療機関を受診して検査の要否について医師に相談してみるとよいでしょう。

検査で分かる病気

HPV検査を受けることで分かる病気は以下のとおりです。

  • 子宮頸がん
  • 子宮頸部異形成

など

子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の筒状の部分)にできるがんのことです。性交経験がある女性は誰でもなる可能性があり、20歳代~30歳代の女性が発症するがんの中ではもっとも多くなっています。

「子宮頸がん」について詳しく見る

費用

HPV検査は基本的に保険適用外となるため、全額自己負担となることが一般的です。また、費用の一部を助成している自治体もあります。

イーヘルスクリニック新宿院では、健康診断のオプションとしてHPV検査を5,500円(税込)、子宮頸がん細胞診+HPV検査のセットを7,700円(税込)でご用意しています。詳細はこちらをご確認ください。
※当院では区の健診などの対応は行っておりません。予めご了承ください。

検査結果の見方

基準値

  • 陰性

HPV検査の結果は、採取した細胞にHPVが感染していなければ“陰性”と報告されます。

ただし、HPV検査が陰性であっても、その後HPVに感染することもあります。結果が陰性であっても定期的な子宮頸がん検診を受けるとよいでしょう。

異常値

  • 陽性

HPV検査で陽性だった場合、医療機関の受診を検討しましょう。

陽性の場合、HPVに感染している、浸潤がん発生のリスクがあるということを意味します。日本では、子宮頸がん検診の対象者のうち、HPV検査で陽性となる確率は6.8%や11.7%といったデータが報告されています。ただし、陽性でもHPV感染のほとんどは一過性で免疫力により自然に消失するため、必ずしもがんになるわけではありません。ごく一部のHPVが持続感染して子宮頸がんの発症につながることがあると考えられており、経過観察が必要です。

なお、パートナーが感染していれば、本人が治癒してもパートナーから再感染するリスクもあるため、パートナーも一緒に受診するとよいでしょう。

また、結果が陽性であり、HPVの種類が子宮頸がんと関係のある場合は、より詳細な検査を受けることをすすめられる場合もあります。

「HPV検査が陽性だったとき」について詳しく見る

HPV検査を受けるときに気を付けたいポイント

検査前の準備

HPV検査を受ける際は、生理中を避けましょう。生理中でも検査はできますが、正しい結果が得られない場合があります。

また、トイレのビデの使用や、腟内洗浄は避けましょう。腟内の細胞が洗い流されてしまい、正確な検査結果が出ない可能性があります。

そのほか、日常生活で注意することは特にありません。

検査の間隔

子宮頸がん検診ガイドラインによると、HPV検査は5年に1度受けることが推奨されています。