
日本脳炎ワクチンは、日本脳炎を予防するワクチンであり、接種によって日本脳炎にかかるリスクが75~95%減少するとされています。
日本脳炎とは、蚊を介して感染する日本脳炎ウイルスが原因で発症する病気です。突然の高熱、頭痛、嘔吐などの症状からはじまり、意識障害や麻痺などの神経系の障害も引き起こされることがあります。時に後遺症が残ったり、死に至ったりすることもあります。日本脳炎ウイルスに感染した場合、約1,000人に1人が日本脳炎を発症し、発症者の20~40%が死亡するとされています。さらに、命を落とさなかったとしても、45~70%に精神障害などの後遺症が残るといわれています。日本脳炎はワクチンによって発症を予防することができるので、ワクチン接種をすることが大切です。
予防接種には、法律に基づき市区町村主体で実施する定期接種と、任意で希望者だけが受ける任意接種があります。日本脳炎ワクチンは定期接種と任意接種があります。
いずれも生後6か月から接種することができます。
定期接種の対象者は回数によって異なり、第1期接種(3回目まで)の対象者は生後6か月から7歳6か月(90か月)未満の方です。第2期(4回目)の対象者は9~13歳未満の方です。
また、2007年4月1日以前に誕生した20歳未満かつ未接種の場合は、接種していない回数分を定期接種として受けることができます。詳しくはお住まいの地域などに確認しましょう。
子どもの頃に日本脳炎ワクチンを接種してできた免疫が、大人になってから弱くなってくることが分かってきています。しかし、これには個人差があるほか、病気によってどの程度の免疫があればよいかが異なります。そのため一概にはいえませんが、日本脳炎は子どもだけでなく免疫がない場合は大人でも感染する可能性があるため、任意接種となりますが、ワクチンを接種して免疫を強くしておくのも1つの選択肢でしょう。
日本脳炎のワクチンは合計4回接種し、1期と2期で分けて接種します。
3~4歳の間に6~28日の間隔を空けて2回接種を行います。2回目の接種から約1年を経過した時期に3回目の接種を行います。
9~1 0歳の間に1回接種を行います。
過去にワクチン接種を3回したことがない人の場合は、合計3回接種します。1回目を接種した後は1~4週間の間隔を空けて2回接種を行います。2回目の接種から約1年を経過した時期に3回目の接種を行います。
過去にワクチン接種を3回のしたことがある人の場合は、10年ごとに1回の接種を行うとよいとされています。
日本脳炎の予防接種は、4回きちんと受けることが大事です。最初の2回の接種で免疫(抗体)ができ、追加接種(3回目)でさらに免疫が高まり、その後免疫が徐々に下がるものの、2期接種でまた免疫が上がることで長く免疫が続くとされているためです。
また、接種が遅れて間隔が空いてしまっても、次の接種を行えば免疫ができるとされています。そのため、一般的なスケジュールからずれてしまった場合も、可能な時期になったら速やかに接種を始めるとよいでしょう。
定期接種に該当する場合は無料(公費負担)となることが一般的です。一方で、任意接種の場合は自己負担となります。
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3%未満の頻度で発熱、接種部位の腫れが生じるとされています。発熱は1回目の接種の3日以内に多く、2回目以降は少なくなり、腫れは4回目にやや多いとされています。さらに、極めてまれ(0.001%未満の頻度)ではありますが、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)やけいれんなどの重い症状が現れることがあります。気になる症状があれば医師に相談するとよいでしょう。
また、古いタイプの日本脳炎ワクチンは、脳や脊髄、視神経の病気との関連性が疑われ、接種が一時見合わせとなったことがありました。しかし、現在は全て新しいタイプのワクチンに替わっています。
アナフィラキシーなどの重大な症状は、接種後30分以内に生じることが多いとされています。そのため、接種してか30分は接種を受けたクリニックなどの中で待機の指示をされることが一般的です。万一アナフィラキシーなどが起こっても医療機関ではすぐ対応できるよう万全の準備が整えられています。
以下のような場合は、接種できないとされています。
また、以下のような場合は接種に注意が必要とされています。
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