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2023.01.31

花粉症でみられる症状から治療薬を比較〜自分に合っている薬の種類とは?〜

花粉症の治療薬には複数の種類があり、自分の症状に合ったものを服用しなければ効果が得られない可能性があります。そのため、自分の症状から薬を比較するのはもちろん、薬の特徴も考慮して医師や薬剤師に相談しながら比較し、決めていくことが大切です。

本記事では、花粉症の症状などを踏まえて治療薬の特徴について解説します。

くしゃみや鼻水の症状には抗ヒスタミン薬

花粉症の治療薬としてよく知られているのが、抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬はアレルギー症状を引き起こす原因物質のヒスタミンのはたらきを抑えることから、花粉症の症状を軽減する効果が期待できる薬です。特にくしゃみや鼻水などの症状がメインのときに処方されます。

抗ヒスタミン薬は大きく“第1世代”と“第2世代”と呼ばれる2種類があり、開発された年代によって異なる特徴を踏まえて使用することも大切です。

第1世代抗ヒスタミン薬の特徴

最初に開発された第1世代抗ヒスタミン薬は、効果が出るのが早く、特に鼻づまりに効果が期待できるといった特徴がある反面、眠くなりやすく、口の乾きや便秘といった副作用が起こりやすいという特徴もあります。眠くなりやすいため、寝る前に服用することが一般的です。

【第1世代抗ヒスタミン薬の代表的な薬】

  • プロメタジン(商品名:ヒベルナなど)
  • ヒドロキシジン(商品名:アタラックスなど)

第2世代抗ヒスタミン薬の特徴

現在は第2世代抗ヒスタミン薬が主流となっています。これは、第1世代抗ヒスタミン薬の副作用を軽減すべく開発されたものです。そのため、第1世代抗ヒスタミン薬と比較して眠気が起こりにくいほか、口の乾き、便秘といった副作用も出にくいのが特徴です。そのため、第一世代には記載されている運転についての注意喚起がされていない薬もあります。しかし、眠気が少ないというだけで、眠気がまったく出ないというわけではないため注意しましょう。

効果が出るまでの期間はほかの花粉症の薬と比較しても数日と短く、花粉の飛散が予測される日や症状が少し出てから服用することが一般的です。また、症状が出る前から薬を使用することで花粉症の悪化を防ぐ初期療法では、第2世代抗ヒスタミン薬を使用することが推奨されています。

第2世代の服用がすすめられるのは、花粉症と診断されていて初期療法で症状の悪化を防ぎたい方、仕事などの関係から眠くなりにくい薬を選びたい方などです。

【第2世代の代表的な薬】

「抗ヒスタミン薬」について詳しく見る

鼻づまりには“抗ロイコトリエン(LTs)薬”

鼻粘膜の血流を促す効果が期待できることから、主な症状が鼻づまりの場合に使用されることが一般的です。抗ヒスタミン薬と比較して効果が見られるのが遅く、使用から大体1週ほどかかるといわれています。

なお、抗ヒスタミン薬と併用することによって、抗ロイコトリエン薬、抗ヒスタミン薬を単独で使用するよりも改善効果が期待できることから、この2つは組み合わせて使用されることもあります。

目がかゆい時には“点眼薬”

点眼薬には主に化学伝達物質遊離抑制薬と抗ヒスタミン薬があり、目がかゆいなど目の症状があるときに使用されます。なかでも抗ヒスタミン薬は早く効果がみられるといわれています。なお、薬の種類によっては眼圧上昇などの副作用があるため、定期的に検査をしながら慎重に使用する必要があります。

軽めの症状の時は“化学伝達物質遊離抑制薬”

肥満細胞からの化学伝達物質の分泌を抑制する効果が期待できます。効果がみられるようになるまでには約2週間かかるといわれ、効果がマイルドであることで知られていますが、続けて使用することで、改善率が上がるといわれています。副作用は少ないことが特徴で、初期療法(症状が見られる前から治療を受けることで重症化予防につながる治療)や軽症〜中等度の花粉症患者さんに使用されることが一般的です。

部分的に高い効果を発揮する“鼻噴霧用ステロイド薬”

鼻づまりがメインの花粉症によく使用されますが、くしゃみや鼻水に対しても効果が期待できます。特定の部分に直接薬を噴射するため、部分的に高い効果を期待することができ、飲み薬と比較して全身性の副作用が少ないことが特徴です。なお、飲み薬の場合は副作用が強く現れることがあるので、注意が必要です。

いずれの薬も使用することで眠気や頭痛、かゆみなどの副作用がみられることがあるため、副作用については事前に確認しておくようにしましょう。また、薬の種類によって効果や副作用などを確認しながら使用するものもあります。そのため、医師や薬剤師の指示に従って正しく使用するようにし、気になる症状がみられる場合などでは早めに医師や薬剤師に相談しましょう。

「点鼻薬」について詳しく見る

花粉症を根本的に治す“舌下薬”

舌の上で溶かしながら服用する“舌下薬(シダキュア)”は、花粉症の根本的な改善が期待できるといわれています。これは“舌下免疫療法”といって、スギ花粉(アレルゲン)を含む薬を服用し、徐々にアレルゲンに体を慣らしていくという治療法です。スギ花粉が原因の花粉症のみ適応となるため、治療前に検査を行いスギ花粉症であることを診断する必要があります。また、直接アレルゲンを取り入れるため、アナフィラキシーなどの重篤な症状が出るリスクがあるため、最初の投与は医師のもとで服用する必要があります。

「舌下免疫療法」について詳しく見る

花粉症の薬で気になることがあれば医師に相談を

花粉症の治療で使用される抗ヒスタミン薬には、即効性がある、くしゃみや鼻水などの症状への効果が期待できるなどの特徴があります。このほかの薬にもさまざまな特徴があり、それぞれの特徴から自分に合った薬を選択することが大切です。なお、市販薬では効果が強いものは販売されていないため、市販薬で効果がみられなかったり、より確実に花粉症を改善したい場合は、医師に相談するとよいでしょう。

eHealthclinicのアレルギー科では花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎の診療を行っています。花粉症はさまざまな症状から、時に日常生活に支障をきたすこともある病気です。eHealth clinicでは病気について分かりやすく説明し、治療の内容や選択については患者さんと相談しながらより本人に合った治療をご提案いたします。ご不安なことがあればいつでもご相談ください。