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2023.01.20

花粉症の点鼻薬の特徴や種類とは?~正しく使えば比較的早く効果が期待できる~

花粉症は、体内に侵入してきた花粉に対してアレルギー反応を起こしている状態です。鼻の中にアレルギー反応を起こすスギやヒノキ花粉などが入り込むと、アレルギー反応が起こり鼻水が出るのです。花粉症の治療で使用する薬にはさまざまな種類があり、症状や重症度によって選択されます。中でも本記事では花粉症の点鼻薬治療をテーマに、その種類と特徴、治療上の注意点・副作用をまとめました。

花粉症の点鼻薬治療

点鼻薬は、主に“鼻づまり”の症状がみられるときに使用する薬です。鼻に直接噴霧するため、よりダイレクトに薬が届きます。そのため、比較的早く効果を感じることができるといわれています。また、正しく使用すれば副作用も少ないと考えられています。

花粉症の点鼻薬は種類が複数あり、成分によって使い方が異なります。花粉症の点鼻薬治療で用いられる薬は以下の3種類に分けられます。

ステロイド点鼻薬

ステロイドが含まれている点鼻薬です。『鼻アレルギー診療ガイドライン 2020年版』では、軽症の花粉症の段階からステロイド点鼻薬を第一選択薬の1つと位置付けています。ほかの点鼻薬と比較すると即効性は感じにくく、使用開始から24時間~数日かけて徐々に症状が軽減します。“ステロイド”というと副作用を不安に感じる方もいますが、点鼻薬は全身に作用する内服薬とは異なり、噴霧した鼻の粘膜の症状を局所的に改善します。そのため投与量も少なく、全身性の副作用が発生する可能性は低いといわれています。

「花粉症のステロイド薬」について詳しく見る

抗ヒスタミン点鼻薬

花粉症の治療に広く用いられる抗ヒスタミン薬を点鼻薬に加工したものです。アレルギー症状を起こす炎症物質の1つであるヒスタミンをブロックし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状を軽減します。ゆっくりと効果が現れるステロイド点鼻薬と異なり、抗ヒスタミン薬には即効性があります。内服薬と同様に、眠気などの副作用が起こりやすい傾向があるため注意が必要です。

血管収縮薬

炎症を起こし腫れてしまった鼻の粘膜の血管を収縮させ、充血を取ることで鼻づまりを軽減する薬です。長期間頻用したり、乱用したりすると血管が拡張してしまう副作用があるため注意が必要です。

点鼻薬と内服薬、どっちを選んだほうがよい?

点鼻薬は鼻の粘膜といった部分的に効果があり、内服薬は全身に効果があるといわれています。しかし、どちらかが優れているというわけではなく、使用する場面や症状に合わせて薬を選びます。一般的に点鼻薬は、一時的に鼻症状があり症状を早く改善させたい、鼻症状が強い、止まらないなどの場合に使用することがあります。いずれも、医師と相談しながら、ご自身の症状に合わせて薬剤を選択しましょう。

点鼻薬の使い方

詳細な使用法は医師や薬剤師の指示に従って、正しく使用しましょう。

  1. 使用前に、まず鼻を軽くかみ、手を清潔な状態にしましょう。
  2. 容器をよく振ってください。
  3. 立っていたり、起き上がっていたりする場合は、頭を後ろに傾け鼻が上を向くような状態になりましょう。
  4. 片方の鼻腔をふさぎ、もう片方の鼻腔内に点鼻薬を滴下、もしくは軽く息を吸いながら噴霧しましょう。
  5. 点鼻後は鼻腔内に薬が行き届くよう、大体2~3分間はそのままの姿勢を維持しましょう。
  6. 点鼻薬の使用後は容器の先をきれいに拭き、キャップをしましょう。

注意点

使用法は必ず医師や薬剤師の指示に従い、1回の使用量や1日の使用回数のほか、使用期間などを守って使用するようにしましょう。症状が軽減されるからといって過度に使用しすぎたり、漫然と長期間使用したりすると、逆に症状を悪化させることがあるといわれています。そのため、自己判断での使用は控えましょう。

また、花粉症の点鼻薬として処方されたものは、花粉症の治療薬です。同じような症状が出る別の病気での使用や、他の人へ貸したりしないようにしましょう。

気になることがあれば医師に相談を

点鼻薬は軽度から重度まで、さまざまな重症度の花粉症治療に用いられる薬です。内服薬と併用したり単剤で使用したり、異なる効果の点鼻薬と組み合わせて使用したりと症状に合わせて薬剤を選択します。適切な治療を行えば、花粉症のつらい症状の解消が期待できるでしょう。治療について疑問や気になることがあった場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。

eHealth clinicでは花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の診療を行っています。患者さんの症状を丁寧に診察し、必要な検査や治療を提案します。納得した治療を受けていただけるよう、分かりやすい説明を心がけています。ご不安なことがあればお気軽にご相談ください。