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健康診断
2022.08.24

前立腺がん検診

前立腺がん検診とは

前立腺がん検診とは、体に前立腺がんがあるかどうかを調べるために行う検査のことです。前立腺特異抗原(PSA)検査を行うことで、前立腺がんによる死亡率低下につながるとされています。

前立腺がんってどんな病気?

前立腺がんは前立腺の中にがん細胞が発生する病気です。前立腺は男性だけが持つ生殖器で、膀胱の下にあります。前立腺がんは男性のがんではもっとも多いがんです。初期は自覚症状がないことが多いため、早期発見のためには症状がない段階で検診を受けることが必要だと考えられています。

一方で、尿が出にくい、排尿回数が多い、血尿などの症状がある場合は、前立腺がんの可能性を踏まえ、早めに受診を検討するとよいでしょう。

前立腺がん検診ではどんな検査をするの?

前立腺がん検診では、問診と前立腺特異抗原(PSA)検査を行います。

問診

問診では、前立腺の病気の治療歴、親や子、兄弟といった近親者の前立腺がん患者の有無、検査結果に影響を与える治療薬の使用状況などの確認が行われます。近親者の情報や使っている薬の名前など、必要な情報は事前に確認してから検診に向かうとよいでしょう。

PSA検査

PSA検査は、血液検査で血液中の前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれるタンパク質の値を調べるものであり、前立腺がんの早期発見のためにもっとも有用な検査だと考えられています。がんや炎症によって前立腺の組織が壊れると血液中にPSAが漏れ出すため、PSA値が高いと前立腺がんの可能性があるとされています。

いつ・誰が受ければよいの?

対象者

前立腺がん検診ガイドラインによると、住民検診(公的に行われる検診)の場合は50歳以上、人間ドックなどの任意型検診では40歳代からの受診が推奨されています。

時期・受診間隔

一度検診を受け、異常がなかった場合でも定期的に検診を受けることがすすめられます。一般的には3年後の検診が推奨されていますが、PSAの数値がやや高い場合は1年後の検診が推奨されています。

場所・費用

がん検診には、対策型検診(住民検診)と、人間ドックなどの任意型検診があります。対策型検診は集団全体の死亡率を減少させることが目的で、有効性などさまざまな条件を満たした検診が対策型検診として国の指針に定められています。前立腺がんは対策型検診としては推奨されていませんが、自治体によっては前立腺がん検診を住民検診として行っているところがあります。

住民検診は、特定の検診施設や検診車で行う集団方式と、地域のかかりつけ医などで実施する個別方式があります。日程や申込み方法など、詳細はお住まいの市区町村に問い合わせを行うとよいでしょう。住民検診の場合は公費負担となることが多く、自己負担がある場合も一部のみとなることが一般的です。

一方、お住まいの自治体で前立腺がんの住民検診が行われていない場合や、50歳以下の場合などは任意型検診を受けるという選択肢があります。任意型検診とは、職場や人間ドックなどが任意で提供する医療サービスです。職場で実施している場合は職場で申し込み、そうでない場合は自身で人間ドックなどを利用することになります。費用は全額自己負担となることが一般的ですが、健康保険組合などの補助がある場合もあります。

検診結果

前立腺がん検診の結果は、精密検査不要または要精密検査の2種類です。

精密検査不要

がんの疑いがない場合は、精密検査不要の結果が出ます。この場合は、今後も定期的にがん検診を受けるとよいでしょう。

要精密検査

要精密検査の結果が出た場合はがんの疑いがあるため、精密検査が必要となります。ただし、がんと決まったわけではなく、精密検査によって異常がないことや、良性の病変であることが分かる場合もあります。

精密検査では、PSAの再検査のほか、PSAの数値を用いる“F/T PSA”の検討や、直腸診などが行われます。さらに、前立腺がんの確定診断のためには、前立腺の組織を採取して調べる生検を行う必要があります。

前立腺がん検診を受けるときに気を付けたいポイント

検診前の準備

PSA検査を受ける場合は、食事制限などはありません。ただし、ほかの検査を同時に行う場合は、食事制限や事前準備が必要なこともあるため、各検査の注意事項をよく確認しましょう。

痛み

PSA検査は血液検査によって行うため、採血の痛みを伴うことがあります。