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2022.08.19

ストレスチェック

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、ストレスについての選択式の質問に従業員が回答し、自身のストレス状態を調べる簡単な検査のことです。2015年12月から従業員が50人以上いる事業所では、従業員に対して毎年1回の実施が義務付けられています。

この背景としては、従業員における心の健康状態の悪化にあるとされています。近年、仕事に関する強い不安、悩み、ストレスなどを感じる方の割合は高くなっているほか、心の健康が悪化して通院したり、自殺したりする人が高い数値で推移しています。このような従業員のメンタルヘルス不調*は、本人だけではなく家族や事業所、社会に与える影響が大きくなると考えられています。そのため、事業所側は心の健康を確保する “メンタルヘルス対策”を行うことがより大きな課題となっており、そのなかでストレスチェックは重要な役割を果たしています。

*メンタルヘルス不調:ストレス、不安、精神障害、自殺など、心身の健康や生活の質に影響がある精神的、または行動上の問題のこと

ストレスチェックの目的・効果

ストレスチェックは、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために行われています。具体的に従業員と事業者が得られる効果は以下のとおりです。

従業員

  • ストレスチェックを通して自分のストレス状態を知ることができる
  • ストレスに対する対処やセルフケア を行うきっかけになる
  • 強いストレスがある場合、医師による面接指導を受けることで、就業上の措置につながる
  • ストレスチェックの分析により、労働環境の改善につながる

事業者

  • 従業員のメンタルヘルス不調を未然に防げる
  • 職場の問題点を把握でき、問題改善について具体的に検討しやすくなる
  • 従業員のストレスが和らぎ職場環境が改善されることで、生産性がアップするなど経営面でもプラスの効果も期待できる

ストレスチェックの流れ

では、ストレスチェックはどのような流れで実施すればよいのでしょうか。以下では、事前準備から実施後の対応までの基本的な流れをご紹介します。

導入前の準備

まず事業者側では、メンタルヘルス不調の予防のためにストレスチェックを行う方針を示します。さらに、社内の衛生委員会などで、具体的な実施法などを話し合います。この話し合いでは、以下の点を決める必要があります。

  • 誰に受けさせる必要があるのか
  • いつ実施するのか
  • どのような質問票を使ってストレスチェックをするのか
  • どのような方法でストレスが高い人を選ぶのか
  • 面接指導の申し出は誰にするのか
  • 面接指導を依頼する医師は誰にするのか
  • 集団分析はどのような方法にするのか
  • 結果は誰が、どこに保管するのか

話し合いによって決まったことは社内規定として明文化し、全ての従業員に知らせましょう。そのほか、段階ごとの担当者を決める必要もあります。たとえば、制度全体の担当者やストレスチェックの実施者(産業医や保健師など)、実施者のサポートや質問票の回収、データ入力などを行う担当者(実施事務従事者)、面接の実施者(産業医)などが挙げられます。

ストレスチェックの実施

使用する質問票に規定はなく、(1)ストレスの原因(2)ストレスによる心身の自覚症状(3)周囲のサポートに関する質問が含まれているものであれば問題ありません。どんなものを使えばよいか分からない場合は、国が推奨する57項目の質問票を使うとよいでしょう。

準備が整えば、従業員がストレスチェックの回答を行います。回答はオンラインで行うことも可能です。回答データの回収は医師などストレスチェック実施者や、補助をする担当者が行います。なお、第三者や人事権を持つ従業員は質問票の内容を見てはいけないと決まっているので注意しましょう。

評価・結果の通知・面接や就業上の措置の実施

ストレスチェックの回答に基づき、産業医などの実施者が、従業員それぞれのストレスの程度を評価します。結果は実施者から本人に通知される決まりになっており、企業には知らされません。企業として結果を入手したい場合は、必ず本人の同意が必要となります。

ストレスチェックによって、ストレスの自覚症状が強い方や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周りの支援の状況がかなり悪いといった方は、高ストレス者として面接指導が必要だと判断されます。面接が必要と判断された従業員から申し出があれば、産業医が面接を実施します。面接後、企業側は面接を行った医師から、業務上の対応の必要性や内容について意見をもらい、労働時間を短縮するなどの適切な措置を取る必要があります。

職場環境の改善

職場環境の改善は義務ではなく、努力義務となっています。方法としては、まずストレスチェックの実施者(医師など)に、ストレスチェックの結果を一定規模のグループ(部、課など)ごとに集計して分析してもらいます。このとき、質問項目ごとの平均値を調べて比較するなどし、どのグループがどのようなストレス状況となっているのかを把握できるようにするとよいでしょう。

企業はこれらの結果を踏まえて必要に応じて職場環境の改善を行います。

ストレスチェックを行うときに気を付けたいポイント

ストレスチェックの実施にあたっては、従業員の個人情報の保護や、不正な目的で利用されないようにすることが重要とされています。そのため、ストレスチェックに関する情報の取り扱いに注意し、従業員が不利益を被ることがないように注意することが必要です。

情報の取り扱いに注意する

企業側は、ストレスチェックに関する従業員の秘密を不正に手に入れてはいけません。また、ストレスチェックや面接の実施者、その補助をする実施事務従事者には法律で守秘義務が課されており、違反すると刑罰の対象となるため注意しましょう。

従業員が不利益を被らないようにする

従業員がストレスチェックを受けないことや、企業への結果の提供に同意しないこと、面接を受けたい旨の申し出をすること、逆に面接を受けないことなどを理由に、従業員の不利益となる扱いをしてはいけません。たとえば、面接の結果によって解雇や退職をすすめたり、不当な配置転換や職位の変更をしたりすることは禁止されています。

従業員に寄り添ったメンタルヘルス対策が必要

前述のとおり、日本では近年メンタルヘルス不調による休職者や退職者などが増加しています。メンタルヘルス不調は本人だけではなく、生産性が下がるなど事業者側にも大きい影響を及ぼすことがあります。そのため、事業者側では従業員の声に耳を傾け、メンタルヘルス不調の早期発見・対策に努めることが大切です。

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