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2022.07.22
#腎臓内科 #対象疾患

ダーブロック

ダーブロック(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬)とは

ダーブロック(一般名:ダプロデュスタット)とは、2019年から処方可能になった比較的新しい腎性貧血の治療薬です。腎性貧血の治療薬といえば、これまでは注射薬が主流でしたが、ダーブロックは形状が錠剤で、注射に抵抗のある方でも治療が行いやすいことが特徴です。ダーブロック錠には1mg、2mg、4mg、6mgの4種類があり、患者さんの症状などに応じて医師が用量を決定します。

腎臓は老廃物を尿として排出するはたらきがよく知られていますが、そのほかにも赤血球を作るようはたらきかける“エリスロポエチン”というホルモンの分泌など、さまざまな役割があります。腎臓病にかかるとエリスロポエチンの分泌量が減少し、貧血が生じます。このような仕組みで起こる貧血を“腎性貧血”と呼びます。

これまで腎性貧血の薬物療法では、注射でエリスロポエチンを投与することが一般的でした。しかし、ダーブロックはエリスロポエチンの分泌を制御してしまう分解酵素“HIF-PH”を阻害することで、エリスロポエチンの産生を促し、貧血を改善する効果が期待できます。

ダーブロックが処方される病気とは?

  • 腎性貧血

腎性貧血とは、腎臓病が原因となって生じる貧血のことです。腎臓には赤血球の産生に関わる“エリスロポエチン”と呼ばれるホルモンを分泌するはたらきがあります。しかし腎臓病にかかって腎臓の機能が低下してしまうと、エリスロポエチンの分泌量が減少してしまい、結果として赤血球の量が減少してしまうので、貧血が生じてしまいます。

ダーブロックの使用方法とは?

成人の場合は1日1回2mgまたは4mgから始めることが一般的です。その後は病状によって、医師の判断のもと内服量を適宜増減しますが、使用できるのは最大でも1日1回24mgまでとされています。

ダーブロックの使用に注意が必要な人とは?

ダーブロックの使用に注意が必要な人や、使用できない人は以下のとおりです。当てはまる人は処方時に医師に相談しましょう。

ダーブロックの使用に注意が必要な人

  • 脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞、肺塞栓症(はいそくせんしょう)などの人、またはそれらにかかったことがある人
  • 高血圧症を合併している人
  • 悪性腫瘍(あくせいしゅよう)(がん)がある人
  • 増殖糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症(しんしゅつせいかれいおうはんへんせいしょう)網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)などを合併している人
  • 肝機能障害がある人
  • 妊婦中、または妊娠している可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児など

ダーブロックの使用ができない人

  • ダーブロックの成分に対して過敏症を起こしたことがある人

ダーブロックと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

ダーブロックとの飲み合わせに注意が必要な薬や食品は以下のとおりです。すでに服用している、あるいは併用する可能性がある際はあらかじめ医師に申告しましょう。

  • CYP2C8阻害剤(クロピドグレル、トリメトプリムなど)
  • リファンピシン

CYP2C8阻害剤(CYP2C8という酵素の一種を阻害する薬で、心血管疾患の治療薬や抗菌薬などさまざまな種類がある)と一緒に飲むと、ダーブロックの作用が強くなりすぎることがあります。逆に、リファンピシン(抗生物質の一種)と併用すると、ダーブロックの効果が低下することがあるため、どちらも併用には注意が必要です。

食品

  • アルコール

アルコールとダーブロックを同時に飲むと、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が現れやすくなったりすることがあるため注意しましょう。お酒を飲みたい場合は医師に確認したうえで、服薬から十分に時間を開けるなどの工夫をするとよいでしょう。

ダーブロックの使用中に注意したい症状

薬の使用によってさまざまな症状が引き起こされることがあります。中には重大なものもあるため、服用中は注意しましょう。詳しくは以下のとおりです。

重大な症状

血栓塞栓症

重大な症状として、血栓塞栓症が挙げられます。血栓塞栓症とは、血栓(血の塊)によって血管が詰まり、臓器障害が生じる状態のことです。ダーブロックの服用によって、0.8%の頻度で生じるとされています。

血栓塞栓症は生じた場所によってさまざまな種類に分けることができ、脳の血管がつまる脳梗塞、肺の動脈が詰まる肺塞栓症、網膜の静脈が詰まる網膜静脈閉塞症、下肢や骨盤内などの静脈が詰まる深部静脈血栓症がそれぞれ0.3%の頻度で生じるとされています。

命に関わることがあるため、血栓塞栓症が疑われる症状がある場合はすぐに医療機関を受診する必要があります。代表的な症状は以下のとおりです。

  • 脳梗塞:手足の麻痺、しびれ、ものが二重に見える、うまく言葉が出ない
  • 肺塞栓症:呼吸困難や胸の痛み、ふらつき、失神
  • 網膜静脈閉塞症:視野が欠ける、視力の低下
  • 深部静脈血栓症:主に下肢のむくみ、痛み、押したときの痛み、熱感

など

その他

網膜出血、過敏症(発疹(ほっしん)、皮膚炎、じんましんなど)、高血圧などが1%未満の頻度で生じることがあるとされています。こういった症状が続く場合は受診を検討するとよいでしょう。