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尿路結石症とは、尿路(腎臓から尿道の間)に結石ができる病気のことです。泌尿器科で診る病気の中では頻度が高く、特に壮年(一般に25~44歳頃)の男性と閉経後の女性に発症することが多いです。治療をしないでいると、ときに腎臓の働きが悪くなることもあるため注意が必要です。
結石は、結石を構成する成分によって、シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石、シスチン結石などに分けられ、それぞれ原因などが異なります。中でもシュウ酸カルシウム結石とリン酸カルシウム結石がもっとも多く、これらの一部の患者さんは尿の中にカルシウムが多く出てきてしまう副甲状腺機能亢進症や、クッシング症候群などの病気が関わっていることが分かっています。このほかにも、尿酸結石はアルコールの飲み過ぎや運動不足など生活習慣が関係する高尿酸血症が、シスチン結石はシスチン尿症という生まれつきの病気が密に関係すると考えられています。
また、結石がある場所によって、上部尿路結石(腎結石と尿管結石)、下部尿路結石(膀胱結石と尿道結石)に分けられ、約95%が上部尿路結石といわれています。
結石がある場所によって異なりますが、尿路結石症になると以下のような症状がみられることがあります。なお、腎臓に結石ができる腎結石の場合は無症状のことが多く、検診などで偶然発見されることもあります。
尿路結石による痛みは3~4時間程経過すると治まる場合もありますが、結石が排出されるまでは再び激痛が現れる可能性があるため、注意が必要です。また、小さい結石は自然に排出されることもあり、治療を行わないで経過観察となることもあります。ただし、排出されない場合は手術が必要になることもあるほか、結石が尿管につまると、溜まった尿に感染が生じ、高熱が出ることもあるため、気になる症状がある場合は我慢せず早めに泌尿器科の受診を検討するとよいでしょう。
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尿路結石症の治療として、痛みを抑えるため、または排石するための薬物療法、外科治療などが挙げられます。
痛みがある場合は、痛みを抑えるために鎮痛薬の注射、坐薬などを使います。また、尿量が増えると発作の軽減につながるため、輸液を行うこともあります。さらに、自然に排石できそうな場合は、尿管の緊張を緩める薬を使い、自然排石を促す方法をとることもあります。
結石が大きい、繰り返し痛みが生じる、尿路感染が生じている、腎臓の機能低下の心配があるといった場合は、外科治療で積極的に排石を目指すことがあります。
さまざまな手段がありますが、体の外から衝撃波を当てて砕く方法(ESWL)で行うことが一般的です。
※当院では尿路結石症の外科治療は行っておりません。外科治療をご希望の場合は対応可能な医療機関を紹介させていただきます。
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痛みや再発の防止、排石のために、以下のような点に注意するとよいでしょう。
結石が体内にある場合、アルコールや刺激物は痛みを誘発することがあるため控えたほうがよいでしょう。また、食事や生活習慣の改善を行わないと、再発率は80~90%とされているため、再発防止のために日々の食事内容などに気を付けましょう。
結石の原因によっても気を付けるポイントは異なります。たとえば、尿中のカルシウムが多い場合はカルシウムの制限が必要となります。また、尿中の尿酸が多い場合はプリン体が多い食べ物(卵や肉、内臓類、ビールなど)の制限などが必要とされています。
このほかにも、1日3食の食事をきちんととり、朝ごはんを食べなかったり、夜ご飯を食べ過ぎたりするような食生活は避けましょう。また、夕食から就寝まで4時間はあけるようにするとよいでしょう。
自然排石が見込める場合は水分をたくさん取って尿を増やし、排石を目指します。再発率が高い病気ですが、医師の指示にしたがって排石後も水分をたくさん取ることで、再発率が60%まで低下するというデータもあります。
また、尿量が少ないことが結石の原因となることがあるため、1日の尿量が1.5~2L以上になるように水分摂取を心がけるとよいでしょう。
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