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2022.08.31
#内科 #対象外来

禁煙外来

禁煙外来とは

禁煙外来とは、禁煙をしたい人のサポートをする外来のことです。薬のほか、医師や看護師が専門的な知識から自身に合ったものを提案してくれます。

禁煙を試みてもたばこを吸いたくてしょうがなくなったり、集中できなくなったり、イライラや不安を感じたりするなどの離脱症状を引き起こし、禁煙を難しくします。しかしたばこを吸うことでこのような症状がなくなるため、なかなかやめられず繰り返してしまいます。この場合は“ニコチン依存症”という病気の可能性があり、実際に喫煙者の約70%がニコチン依存症であると考えられています。

ニコチン依存症は医療機関で治療することができます。治療を受けることにより自己流で頑張るよりも、ずっと楽に確実に禁煙できるといわれ、実際禁煙外来を利用した禁煙成功率は7~8割ほどあると報告されています。

禁煙治療を受けるメリット

禁煙治療を受けるメリットはさまざまにあります。

  • 禁煙治療は医学に基づいた禁煙方法のため、自己流よりも楽に禁煙できる
  • 保険適用の場合は1日のたばこ代より安い金額で治療を受けられる
  • 禁煙によって自分だけでなく、周りの人の健康にも貢献できる

健康保険が適用となる条件

禁煙外来で行われる治療は、喫煙習慣はニコチン依存症という“病気”であると考えるため、一定の要件を満たすことで健康保険を適用できます。

保険適用の条件

以下の条件に全て当てはまる方は、保険診療で実施している病院で禁煙治療を受けられます。

(1)ニコチン依存症スクリーニングテスト*で5点以上の場合

(2)1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数=200以上(35歳未満の場合は200未満でも可)

(3)直ちに禁煙を始めたいと思っている

(4)禁煙治療を受けることに文書で同意している

*ニコチン依存症スクリーニングテストとは、精神医学的な観点からニコチン依存症を診断することを目的として開発されたものです。全10問の質問で構成され「はい」と答えた質問が5問以上で“ニコチン依存症”と診断されます。

治療の流れ(回数ごとの治療内容や治療期間など)

健康保険を使った標準禁煙治療は、12週間に5回のプログラムです。以下では、それぞれの受診回数における治療内容をご紹介します。

1回目

ニコチン依存症のチェックや問診、検査を経て、患者さんと相談しながら今後の治療プランを決めていきます。また個人のニコチン依存度に合わせ、飲み薬や貼り薬の処方を行います。

禁煙外来において、基本的には初回および最終回は必ず対面での受診が必要です。しかし新型コロナウイルス感染症の影響により、2021年から希望する人には5回の診察全てにおけるオンライン診療が特例的に認められました。

2回目

2回目の受診は、初診から2週間後です。喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関する問診後、その状況に合わせた対策を検討し、追加治療薬を処方します。

3回目

3回目の受診は、初診から4週間後です。喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関する問診後、その状況に合わせた対策を検討、追加治療薬を処方します。

4回目

4回目の受診は、初診から8週間後です。喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関する問診後、その状況に合わせた対策を検討、追加治療薬を処方します。

5回目

5回目の受診は、初診から12週間後(保険適用による治療プログラムの最終回)です。喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関する問診後、その状況に合わせた対策を検討します。

治療の特徴

禁煙補助薬としてはニコチンパッチ(貼り薬)とニコチンガム、そして飲み薬のバレニクリンがあります。保険診療の際には、医師の処方による“ニコチンパッチ”と“バレニクリン”が用いられます。ニコチンガムとニコチンパッチは薬局や薬店でも市販されていますが、処方薬のほうがより高い効果が期待できます。

そのほか近年医療機関によっては、治療薬と併せて治療アプリを活用した治療を行うところもあります。

ニコチンパッチ

ニコチンパッチは貼り薬で、皮膚からニコチンを吸収させて禁煙時の離脱症状を軽減して、禁煙の手助けをします。

バレニクリン

バレニクリンは飲み薬で、たばこに含まれるニコチンよりも強く脳内のニコチン受容体と結合し“作動薬”と“拮抗薬”という2つの特徴を持っています。

作動薬としては、受容体の一部を刺激して少量のドパミンを出させることで、禁煙に伴う離脱症状を軽減するとされています。

また、時に拮抗薬としてニコチンと受容体との結合を阻害するので、再喫煙による満足感を抑制する効果が期待できます。

治療アプリ

近年はニコチン依存症を治療するための医療機器として承認された、治療専用のスマートフォン用アプリが登場しています。このアプリでは、通院と通院の間の数日間を使って禁煙に役立つ行動変容を促すための心理療法などを提案します。患者さんの呼気CO濃度や治療の経過などのデータをもとに一人ひとりに合わせた提案を行うため、その人のライフスタイルに合わせた提案が可能であるほか、患者さんも医師も継続的なデータを参照できるため、治療の進捗などを確認できます。

治療アプリを用いた治療は、薬物療法と同様に要件を満たせば保険適用にて受けられます。詳しくは取り扱いのある医療機関に相談するとよいでしょう。

禁煙を考えている人は医師に相談を

禁煙に遅いということはなく、何歳からでもさまざまな健康効果が期待できます。実際に、30歳までに禁煙すれば、もともと喫煙しなかった人と同様の余命が期待できますし、50歳で禁煙したとしても余命は6年長くなることが分かっています。

また、健康保険が適用になる場合は、1日1箱たばこを吸う場合の費用よりも治療費のほうが安くなる計算になります。「なかなか自分だけではたばこをやめられない」という人は、一人で抱え込まずに医師に相談するとよいでしょう。