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診療科目
2022.05.10
#内科 #発熱外来 #対象疾患

悪寒

受診の目安になる症状

  • 発熱が3~4日続いている
  • 体温が40℃以上ある、または35℃以下になる
  • 呼吸が苦しい
  • 頭痛がある
  • 点状出血がある
  • 精神や意識状態に変化がある

など

悪寒とは単なる寒気ではなく、歯がガタガタするほどの振えを伴う重度の寒気のことです。悪寒は体内でウイルスなどと闘うため筋肉などを震えさせて熱を産生する際に起きる反応で、通常は発熱を伴います。布団にくるまるなど体を温めても治まらないのが特徴ですが、ある程度の体温に達すれば悪寒は治るといわれています。

ただし、目安として37.5℃以上の発熱が長い間続く、呼吸が苦しい、精神・意識状態に変化があったなどといった場合は、何らかの病気が原因の可能性を踏まえ早めに内科などの受診を検討するとよいでしょう。

悪寒の原因と対処法

悪寒は感染による発熱が原因となっていることが一般的です。中でも可能性の高い病気は以下のとおりです。

かぜ

悪寒でもっとも考えられる原因はかぜで、初期症状の1つとして現れることがあります。かぜはウイルスが鼻や喉の奥に感染して、主に発熱、咳や喉の痛み、たん、鼻水などの症状がみられる感染症のことです。前述のとおり、体に侵入したウイルスなどと闘うために悪寒を感じることがあります。この際に体を温めてあげることで、よりウイルスと撃退しやすくなるといいます。より効率的に体温を上げるには、首や手首、足首を温めるとよいといわれています。

また、かぜの場合は基本的には安静と水分や栄養補給を心がければ、3日程度でピークを越え、自然と治るとされています。そのため、セルフケアをしっかり行うことが大切です。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染することによって発症する病気です。主な症状として、発熱や咳などの呼吸器症状、倦怠感などがみられます。このほか、悪寒や筋肉痛、頭痛などがみられることもあります。かぜやインフルエンザと比較すると鼻水や鼻づまりの症状が現れる頻度は低く、味や匂いを感じにくくなる嗅覚・味覚障害が生じやすいといわれていますが、変異株“オミクロン株”による感染症の場合、鼻水や頭痛などよりかぜに近い症状がみられる頻度が高く、嗅覚・味覚障害は生じにくいと報告されています。

軽症の場合、時間の経過とともに自然に治ることが一般的ですが、重症化すると命に関わる合併症が生じる可能性もあるため、気になる症状があれば病院に電話で相談し、病院の指示に従って受診を検討することが大切です。病院では軽症の場合、解熱剤や咳止め薬による薬物療法が検討されます。感染防止のためにも仕事や学校を休み、宿泊療法施設や自宅で療養することが一般的です。中等症以降の場合、入院が必要となります。

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染して発症する病気です。38℃以上の発熱や、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛などがある場合は、かぜではなくインフルエンザの可能性があります。

かぜと同様、安静や睡眠、十分な水分補給が大切だといわれ、軽症の場合は自宅療養で様子を見てもよいでしょう。しかし、持病を持っている人や子供、高齢の方の場合、高熱が続いている、呼吸が苦しいなど気になる症状がある場合は重症化することもあるため、受診を検討しましょう。病院では、抗インフルエンザ薬によって治療を行います。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスの感染によって肺に炎症が起きる病気のことです。かぜの症状に続いて悪寒や高熱、持続する咳、呼吸困難、息を吸ったときの胸の痛み、動悸などの症状が現れることがあります。

治療は主に抗菌薬が使用され、場合によっては入院が必要となることもあります。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスの感染によって胃や腸に炎症が起きる病気のことです。主な症状は嘔吐や下痢ですが、悪寒や発熱、筋肉痛、疲労感などが現れることもあります。

感染性胃腸炎の場合の多くは治療薬がなく、またほとんどは自然に治るといわれています。そのため、感染拡大を防ぐためにも自宅で様子を見るのが望ましいです。自宅では脱水を予防するため十分な水分補給を心がけ、安静にするようにしましょう。ただし、子どもや高齢の方は重症化することもあるため、必要に応じて受診を検討するとよいでしょう。治療は症状に合わせた治療(対症療法)が中心となりますが、細菌が原因の場合には抗菌薬(細菌が増えたりするのを抑える薬)を使うこともあります。

尿路感染症

尿路感染症とは、尿道口(尿の出口)から細菌が入り、炎症が起きた状態のことです。細菌が膀胱に達すると膀胱炎、腎盂(じんう)(腎臓と膀胱の間にある尿の通り道)に達すると腎盂腎炎となります。中でも腎盂腎炎の場合は悪寒を伴う高熱や、わき腹・腰の痛み、嘔吐などがあり、強い全身症状が見られるといわれています。

治療は抗菌薬によって行います。膀胱炎の場合は通常薬を3日ほど飲めば完治しますが、高熱があり腎盂腎炎の疑いがある場合は2週間ほどの投与が必要となります。最初は点滴で投与し、熱が下がって食欲が出てきたら飲み薬に変更することが一般的です。

皮膚感染症

皮膚感染症とは、ウイルスや細菌などが皮膚に入り込みさまざまな症状を引き起こすものです。皮膚感染症の種類には多くの種類があり、症状も皮膚の赤み、水ぶくれなどさまざまです。種類によっては時に悪寒や発熱を伴うこともあります。

治療は原因や種類に合わせた治療が行われます。

悪寒があるときに気をつけたいポイント

体を温める

ウイルスなどが体に侵入したときに体を温めることで免疫力が高まり、ウイルスを撃退しやすくなるとされています。効率的に体温を上げるには大きな血管がある首、手首、足首を温めることがポイントです。

また、入浴は、38℃以上の熱があったり、体がぐったりしていたりするとき以外は問題ないといわれています。ただし、温度の高い湯船に長く浸かると疲れてしまうので、気をつけましょう。

気になる症状がある場合は受診の検討を

単なる寒気ではなく、歯がガタガタするほどの震えがある悪寒は、感染による発熱が原因となっていることが一般的です。よくある原因はかぜですが、時に別の病気が原因となっている可能性を踏まえ、気になる症状がある場合は早めに受診を検討するとよいでしょう。