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コラム
2024.03.25

花粉症の注射薬「ゾレア」とは?重症花粉症治療についての条件も解説

日本では多くの人が毎年花粉症に悩まされていますが、花粉症の症状や重症度は人それぞれ異なります。毎年悩まされていたり、とにかく花粉症を治したい方も多いのではないでしょうか。今回は、花粉症対策の注射剤として注目されている「ゾレア」について徹底解説します。

 

花粉症の注射剤「ゾレア」とは? 

「ゾレア」は花粉症の注射剤です。アレルギーの原因となるIgE物質に対する抗体を人工的に作って薬にしたものです。花粉症の症状改善に期待ができる新たな薬として注目されています。

日本で見られる花粉の多くはスギ花粉です。スギ花粉症による「くしゃみや鼻水がとまらない」「鼻がつまる」などの鼻炎症状が飲み薬・点鼻薬でおさまらない方には、検討する価値のある治療といえます。

 

皮下注射療法(ゾレア®)

「ゾレア®」は今までの標準治療では症状が改善できなかった、重症花粉症で困っている方に対しての新たな治療法です。
オマリズマブ(ゾレア®)は従来、重症の気管支喘息や慢性蕁麻疹に対する治療薬として使用されていました。2019年12月、このゾレア®に季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)に対する適応が追加され、花粉症の治療にも用いられるようになっています。

ゾレア®は抗IgE抗体の一種です。IgE(Immunoglobulin E)とは、アレルゲンに対する免疫応答を引き起こすためのタンパク質です。ゾレア®はIgEと結合することで、IgE本来の働きを阻害し、アレルゲンに対する反応を抑制します。これにより、炎症や過敏反応を減らすことができ、症状を軽減するのがゾレア®の作用です。特に重症な花粉症に対して有効で、症状を軽減する効果が期待されます。

 

【ゾレア】治療の対象は? 

ゾレアは治療の対象が明確に定められています。ゾレアの治療の対象は、以下に該当する場合です。

  • スギ花粉が陽性である。
  • 症状が重症または最重症である。
  • 従来の治療法で効果がない。

ここからは上記の対象について、その他の条件とともに詳しく解説します。

重症花粉症で困っている方へ(『オマリズマブ(ゾレア)』治療を提供しています)

スギ花粉が陽性

血液検査の結果、スギ花粉が陽性であることを確認できた場合、ゾレアの治療対象です。花粉症はスギやヒノキの花粉などが原因で発症します。

花粉症のうち、ゾレアの治療対象はスギ花粉です。ヒノキだけの方やその他の花粉症の方、ハウスダストやダニなどの方は対象外です。ゾレアの治療を受けたい場合は花粉症の対象に注意しましょう。

スギ花粉が陽性だった場合は後述する条件を満たしているとゾレアの治療対象です。

症状が重症・最重症

症状が重症または最重症と判断された場合、ゾレアの治療が認められます。症状が重症・最重症と判断されるケースの一例は以下の通りです。

  • くしゃみ、または鼻をかむ回数が1日11回以上である。
  • 鼻づまりがひどく、口呼吸が1日のうち多くの時間をしめている。
  • 治療のために普通の抗ヒスタミンと点鼻ステロイドを1週間使用したものの、効果が不十分だった。

上記のような症状が確認され、症状が重症または最重症と認められた場合は、ゾレアの治療対象です。

 

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従来の治療法で効果がみられない

従来の治療法で効果がみられない場合、ゾレアの治療を受けられる可能性があります。

医療機関で受けられる花粉症の治療法はいくつかあります。しかし、症状の程度や体質などから、必ずしも治療の効果が得られるとは限りません。季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の既存治療を1週間以上行ったものの、その効果が不十分だった場合、ゾレアの治療対象です。

その他の条件

ゾレアの治療を受ける際には、年齢制限などが設けられており、厳しい基準を満たしていなければなりません。

前述の条件すべてに当てはまっていて、以下の条件をすべて満たしている人はゾレアの治療が受けられます。

  • 12歳以上である
  • 血清の総IgE濃度が30~1500IU/mlである
  • 体重20kg以上150kg以下である
  • スギ花粉の血液検査でクラス3以上である

ゾレアは新たなスギ花粉の治療法として注目されていますが、複数の条件をすべて満たしていなければなりません。誰でも受けられる治療ではないことを知っておきましょう。

 

ゾレア治療の副作用は? 

薬を使った治療は副作用が懸念されます。それはゾレアも例外ではありません。

ゾレア治療は注射剤であるため、他の注射同様の赤みやかゆみ、腫れなどの副作用がみられる可能性はあります。これらの副作用は、注射後当日〜翌日にみられるケースが大半です。

また、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。稀な症状ではありますが、万が一に備えて投与後2時間以内は経過を観察し、気になる症状がみられた場合は早期に病院へ連絡しましょう。

ゾレア治療の流れは? 

ゾレア治療の流れは、医療機関に応じて多少の差はあるものの、基本的には以下の流れで行われます。

  • 初回受診
  • 2回目受診
  • 3回目以降

それぞれについて、受診内容を詳しくご紹介します。


初回受診

初回受診でゾレア治療の対象であるか否かを判断するための処置をします。

初回受診で行うことは、主に問診をして重症または最重症のスギ花粉症であるかの診断です。また、1週間以上にわたり、抗アレルギー剤や鼻噴霧用ステロイド剤など既存の治療法を試します。症状が重症、または最重症であり、かつ既存の治療を1週間行ったものの効果がみられなかった場合は、他の条件も確認して治療の可否を判断します。

 

2回目受診

1回目の受診時に行った既存の治療の効果を確認し、効果が確認できなければ次の検査に移ります。

既存の治療を受けたものの効果が不十分であった場合は、「特異的IgE検査」と「総IgE検査」の血液検査です。数日後にその結果を受けて、ゾレア治療の可否と投与量や投与間隔、自己負担額について決めます。

この段階で、ゾレアの治療の詳細を決めるために、再度来院を求められることもあります。


3回目以降

ゾレアの詳細が決まり、治療日になったらいよいよゾレアの注射を開始します。ゾレアの治療では抗ヒスタミン薬を併用することもあり、併用する場合はその日に処方も行います。

ゾレアの治療は一度で終わるものではなく、決めた投与間隔に従ってゾレアの注射を投与しなければなりません。スギ花粉が飛散するシーズンに、2〜4週間に1度の頻度でゾレアを注射します。投与量は人に応じて違いますが、一般的には75〜600mgです。

 

舌下免疫療法とは? 

ゾレアの効果はスギ花粉のシーズン限りであり、6月以降は舌下免疫療法を検討しましょう。そこでここからは、舌下免疫療法について治療法や効果などの詳細をご紹介します。

 

具体的な治療方法

舌下免疫療法とは、アレルゲンが配合された治療薬をその名の通り舌の下にしばらく含んでから飲み込み、毎日少しずつ免疫を作る治療法です。アレルゲン免疫療法の一種であり、3〜5年かけて体質の改善を図ります。

初めての治療は医療機関で医師の監督のもと行いますが、2回目以降は自宅で決められた頻度に従って服用します。

 

期待できる効果

舌下免疫療法には、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえたりする効果が期待できます。スギ花粉症に診断された方以外にも、ダニアレルギー性鼻炎と診断された方も治療の対象です。

舌下免疫療法を続ければ必ず症状が完治するわけではありません。しかし、症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげてアレルギー治療薬の減量が期待できるため、おすすめの治療法です。

花粉症治療はイーヘルスクリニック新宿院へ 

新宿近郊で花粉症を治したいとお考えの方は、ぜひイーヘルスクリニック新宿院にご相談ください。

イーヘルスクリニック新宿院では、ゾレア治療に対応しています。その他、薬物療法やアレルゲン療法など、従来の治療法にも対応し、花粉症の解消をお手伝いしています。診察はインターネットからも予約が可能です。予約制で待ち時間が少なく、快適な診療をお約束します。

ゾレアに関するお問い合わせ、一般外来へ花粉症のお悩みお気軽にお聞かせください。

 

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まとめ

ゾレアはスギ花粉の新たな治療法として注目されています。ゾレア治療を受けるためには、複数の要件をすべて満たしていなければなりません。

スギ花粉にお悩みの方や、ゾレア治療に関心のある方は、お気軽にイーヘルスクリニック新宿院にご相談ください。

今年の花粉症はゾレアで乗り切って、来年のために舌下免疫を開始しましょう!