リベルサス
花粉症の主な症状は、くしゃみや鼻水、鼻づまりです。しかし、花粉症患者さんでは、このほかにも息苦しいと感じたり、倦怠感や頭痛などの症状がみられたりすることがあります。放置すると日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。ここでは、花粉症患者さんにみられる息苦しさや倦怠感、頭痛などの気になる症状について原因や対処法を解説します。
花粉症を発症すると時に息苦しい感覚や倦怠感、頭痛などの症状がみられることがあります。この原因は、花粉症の主な症状である鼻水や鼻づまり、くしゃみなどが関係していると考えられています。
花粉症でよくみられる鼻づまりが原因で、空気の通り道が狭くなり“息がしづらい”“息を吸い込めない”といった息苦しいという感覚を感じることがあります。また花粉症患者さんは、時に鼻の奥にある“副鼻腔”という空間にまで炎症が広がる副鼻腔炎を併発することがあり、その場合は強い鼻づまりを引き起こします。副鼻腔炎は一度発症すると長引きやすく、花粉の時期を過ぎても鼻づまりによる息苦しさが続くことも少なくありません。また、夜間を中心に副鼻腔にたまった膿の混じった鼻水が喉の奥に流れて、咳などの症状が現れて息苦しさを引き起こすこともあります。
副鼻腔炎になると目の辺りに痛みを感じることがあります。すると、頭が重苦しくなったり、倦怠感がみられたりすることがあります。さらに、花粉症や副鼻腔炎で鼻づまりが生じると、良質な睡眠が妨げられ、日中の倦怠感につながることもあります。
このほか、花粉症で起こる目のかゆみや涙などの目の症状が重症な場合は、結膜(目の表面を覆う粘膜)に炎症が生じ、目が疲れやすくなることで倦怠感が生じることもあります。
頭痛の原因もさまざまなものが考えられます。まずは、鼻づまりです。鼻がつまることによって呼吸がうまくできなくなると、十分な酸素が脳に届かなくなり軽い酸欠状態になります。すると、頭がボーっとして頭痛が起こることがあります。また、花粉症であるくしゃみが原因で、首や肩の筋肉に負荷がかかり、肩こりや頭痛を誘発することがあります。
また、寝不足もあります。花粉症による鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの影響で十分な睡眠が取れなかったり、疲れやすくなったりすることで、頭痛が起こりやすくなるといわれています。さらに、花粉症の症状を起こす“ヒスタミン”は鼻や目に炎症を起こすだけでなく”血管を広げる”はたらきもあります。血管が広がると周りの神経が圧迫され、頭痛が起こることがあります。
花粉症患者さんにみられる息苦しさや倦怠感、頭痛などのさまざまな症状を改善するには、花粉症における適切な治療を受けるほか、自分でできるケアをしたりすることが大切です。
息苦しさや倦怠感、頭痛などの症状は、時に日常生活に支障をきたすことがあります。また、このような症状は花粉症以外の病気が原因となっている可能性もあり、自身で判断するのは難しいです。そのため、気になる症状があるときは、まず医師に相談してみましょう。
花粉症が原因の場合は、花粉症の治療を受けることで改善する可能性があります。
毎年花粉症の症状がみられる花粉症患者さんは、症状が出る前から治療を受けることで、花粉症シーズンに症状が出にくくなったり、重症化を防いだりすることができます。
花粉が鼻や目などに付かないようにすることが大切です。たとえば、鼻を覆うことができるマスクをしたり、メガネをして目を防御したりするとよいでしょう。メガネをするだけで、していないときと比べて目に入る花粉が半分になるといわれています。また、外出から戻ったときは、服や髪をよく払ってから部屋に入る、洗顔やうがい、手洗い、鼻をかむなどをして花粉を取り除くようにしましょう。
そのほか、生活習慣も見直すことも大切です。バランスのよい食事や規則正しい生活、十分な睡眠を心がけるようにしましょう。
花粉症では鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状から、息苦しさや頭痛、倦怠感などのさまざまな症状を引き起こすことがあります。一度発症すると、自然に治ることはほとんどないといわれ、放置すると仕事など日常生活に影響が出ることもあるため、気になる症状がある場合は我慢せずに医師に相談してみましょう。花粉症はきちんと治療することで症状は改善するといわれています。
イーヘルスクリニック新宿院では、花粉症をはじめとするアレルギー疾患の診療を行っています。来院はもちろんオンライン診療にも対応しており、忙しい方でも通いやすいような体制を整えています。診療の際は患者さんの症状を丁寧に診察し、本人に必要な検査や治療の提案をします。ご不安なことがあればいつでもご相談ください。
▼【来院】アレルギー科のご予約はこちら▼
▼【オンライン診療】アレルギー科のご予約はこちら▼
参考記事
記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。