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診療科目
2022.06.08
#腎臓内科 #対象疾患

腎盂腎炎

腎盂腎炎とは

腎盂腎炎(じんうじんえん)とは、腎臓に起こる感染症のことです。腎盂と呼ばれる腎臓の中の尿がたまる場所で細菌が繁殖し、炎症が腎臓にまで及んだ状態を指します。

原因となる細菌の多くが大腸菌といわれ、尿道の出口から大腸菌などの細菌が侵入し、尿道をさかのぼって腎盂に達するケースがほとんどです。まれに細菌が血管を経由して腎臓に感染することもあります。

腎盂腎炎は女性に多い病気です。この理由には、女性は大腸菌などの細菌がいる肛門(こうもん)と尿道が近い、尿道が短い、生理や性行為によって陰部が不衛生になることがある、妊娠で子宮が大きくなり尿管が圧迫されて尿の通りが悪くなるなど、腎盂腎炎につながるさまざまな要因を抱えているため、発症しやすいとされています。

腎盂腎炎の症状

主な症状

腎盂腎炎になると、主に以下のような症状がみられることがあります。

  • 背中や腰の痛み
  • 発熱
  • 頻尿、血尿、排尿時の痛み

など

受診の目安

腎盂腎炎になると突然症状が現れます。症状が重くなると血液によって細菌が全身に広がり命に関わる場合があるほか、尿の通りが悪い場合は緊急処置が必要になります。

ただし、早期に適切な治療を受ければ数日で症状が改善するため、上記で紹介したような気になる症状があれば早めに泌尿器科の受診を検討するとよいでしょう。

腎盂腎炎の治療のポイント

腎盂腎炎の治療は、抗生剤(細菌を破壊して増殖を抑制する薬)による薬物療法が中心です。また、尿が通りづらくなっている場合は緊急処置を行ったり、腎盂腎炎を引き起こしやすくしている原因がある場合はその治療を行ったりすることもあります。

薬の処方

腎盂腎炎では、抗菌薬の飲み薬を使って治療を行うことが一般的です。

一方で、症状が強い場合は入院して抗菌薬の点滴を受けなければならないこともあります。一般的な治療期間の目安は1~2週間程です。途中で薬をやめると細菌が生き残り再発につながることがあるため、症状がよくなっても薬は最後まで全て飲み切りましょう。

また、抗菌薬にもさまざまな種類があり、薬によっては殺せない細菌もいます。ただし、腎盂腎炎の原因の多くは大腸菌であるため、通常はまず大腸菌に対する効果が期待できる抗菌薬を使います。

効果がない場合は大腸菌以外の細菌が原因となっている可能性があるため、抗菌薬の種類を変更することがあります。治療の前に原因となる細菌を調べる検査を行っている場合は数日で結果が分かるため、その結果に基づいて適切な薬に変更することになります。

そのほか、抗菌薬が効かない場合は尿路結石やがんなどの病気の可能性もあるため、必要に応じて検査を行うこともあります。

腎盂腎炎になったときに気を付けたいポイント

原因となる細菌を排出したり、炎症を抑えたりするために以下のような点に気を付けるとよいでしょう。

尿をたくさん出す

腎盂腎炎では腎盂で細菌が繁殖しているので、細菌を尿で出すために水分をたくさん取ることが大切です。また、せっかく尿が作られても膀胱にたまったままでは細菌が増えやすくなってしまうため、尿は我慢しないで頻繁に出すとよいとされています。

腎臓の周辺を冷やす

腎盂腎炎では炎症が腎臓にまで及んでいるため、炎症を抑えるために腎臓がある部分を冷やすとよいとされています。

腎臓は腰よりも上の背中側に、背骨を挟んで右と左に1つずつあるため、その辺りを氷枕などで冷やすとよいでしょう。また、冷やすことで細菌の増殖を抑える効果も期待できます。

陰部を清潔にする

腎盂腎炎は陰部の不衛生が原因となって発症することがあります。そのため、予防のためにも陰部を清潔にすることを心がけましょう。

陰部はシャワーなどで常に清潔にしておくことが大切ですが、石けんでかぶれることがあるため、温かいシャワーで洗い流すだけでもよいとされています。可能であれば、排便後にも陰部の洗浄を行うとよいでしょう。

また、肛門の大腸菌が尿道から侵入しないよう、女性は特に、排便後は前から後ろに拭くようにしましょう。