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性病予防・治療の最新情報
2024.08.01

効果的なHIV予防策は?感染リスクを減らす方法と対策を解説

HIVは、かつては不治の病と恐れられていました。現在では治療法が確立し、感染しても長く健康に生きることができる病気です。何よりも大切なのはHIVの予防です。

この記事では、HIV予防の重要性や感染リスク、そして効果的な予防策について詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、あなた自身と大切な人を守ることができます。HIV予防のための具体的な方法を知り、実践することで、安心して日常生活を送ることができます。

事後でも性病が予防できる可能性があります。性病予防の全般的な知識をつけたい方は、ぜひ次の記事も合わせてご覧ください。
>>性病予防の基本知識と具体的な対策を解説!安全な性生活のために

 

 

効果的なHIV予防の方法

効果的なHIVの予防方法を紹介しています。予防方法を知っておくことで、性病に感染する確率もグッと下げられます。

安全な性行為の実践

性行為を通じたHIV感染を予防するためには、いくつかの方法が効果的です。

コンドームの正しい使用

コンドームは性行為の際に使用する薄いゴム製の袋で、精液や膣分泌液の直接的な接触を防ぎます。研究によると、コンドームを一貫して正しく使用すれば、HIV感染リスクを約99%減少させることができます。

コンドームを正しく使用するためのポイントは以下のとおりです。

  • 有効期限内のコンドームを使用する
  • 開封時に爪や歯で傷つけないよう注意する
  • 空気を抜いてから装着する
  • 潤滑剤を適切に使用する(油性の潤滑剤はラテックス製コンドームを劣化させるため、水性または
    シリコン系の潤滑剤を使用する)
  • 性行為の最初から最後まで装着し続ける
  • 使用後は適切に処分する

 

性的パートナーの数を制限する

複数の性的パートナーを持つことは、HIV感染のリスクを高めます。パートナーの数を制限することで、感染リスクを減らせます。特に、パートナーのHIV状態が不明な場合や、リスクの高い行動をとっている可能性がある場合は注意が必要です。

HIV検査を定期的に受ける

自分とパートナーのHIV状態を知ることは、予防において重要です。CDCは13歳から64歳までのすべての人に少なくとも1回のHIV検査を推奨しています。リスクの高い行動をとっている人は、年に1回以上の検査が推奨されます。

HIV検査を受けることの利点は以下のとおりです。

  • 早期発見・早期治療が可能になる
  • 感染していない場合、予防策を強化するきっかけになる
  • パートナーとのオープンなコミュニケーションを促進する
  • 他の性感染症の検査も同時に受けられる場合がある

 

PrEPの利用

PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis)は、HIVに感染していない人がHIV感染を予防するために服用する薬です。性行為によるHIV感染リスクを約99%、注射薬物使用による感染リスクを少なくとも74%減少させることができるというデータもあります

 

PrEPの主な特徴は以下のとおりです。

  • 毎日服用する錠剤または2ヶ月に1回の注射剤がある
  • 医師の処方が必要
  • 定期的な検査と副作用のモニタリングが必要
  • HIV感染リスクの高い人に推奨される(例:HIVに感染しているパートナーがいる人、複数のパートナーがいる人、注射薬物使用者など)

PrEPを検討する際は、医療提供者と相談し、自分に適した選択肢を見つけることが重要です。

詳しい内容は、以下の記事をぜひご覧になってください。
>>オンデマンドPrEPとは?効果的なHIV予防方法とその使い方を徹底解説
>>デイリーPrEPについて 毎日飲むHIV予防薬の効果と注意点 を解説

PEP(曝露後予防)の利用

PEP(Post-Exposure Prophylaxis)は、HIVに曝露した可能性がある場合に、感染を予防するために使用する緊急の薬物療法です。

PEPの主な特徴は以下のとおりです。

  • HIVへの曝露から72時間以内に開始する必要がある
  • 4週間の服薬が必要
  • 医師の処方が必要
  • 性行為、注射器具の共有、職業上の曝露(医療従事者など)後に使用される

PEPは100%の効果を保証するものではありませんが、適切に使用すれば感染リスクを大幅に減らすことができます。

PEPについても別記事で詳しくまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
>>HIV感染が心配なあなたへおすすめのPEP療法!緊急予防法の効果・使用方法・副作用とは?

HIV検査の重要性とタイミング

HIVの感染は初期段階では自覚症状が現れにくいことが多く、知らないうちに感染を広げてしまう可能性もあります。早期発見と治療のためにも、HIV検査を受けることはとても重要です。HIV検査は、採血によって行われ、感染の有無を調べます。

HIV検査を受けるタイミング

HIVに感染する可能性のある行動があった場合、少なくとも1回は検査を受けましょう。特に、コンドームを使わない性行為、性的パートナーを複数持つ場合、注射針の共有などを行った場合は、定期的な検査が推奨されます。

検査までの不安な気持ちへの対処

HIV検査を受けることに不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、早期発見・早期治療のためにも、検査はためらう必要はありません。心配なことがあれば、医療機関や相談窓口に相談してみましょう。

検査結果が陽性だった場合

HIV検査で陽性と判定された場合でも、現在の医療技術の進歩により、HIVは適切な治療とケアを続けることで、健康な生活を送ることが可能です。HIV治療には、抗HIV薬と呼ばれる薬が用いられ、ウイルスの増殖を抑え、免疫機能の低下を防ぎます。

 母子感染の予防

HIVに感染している妊婦から赤ちゃんへの感染を予防するためには、抗レトロウイルス療法(ART)が効果的です。妊娠中や出産時、そして産後も継続してARTを受けることで、母子感染のリスクを1%未満に抑えることができます。

HIVに感染している母親は、可能であれば人工乳を使用することが推奨されます。母乳育児を選択する場合は、医療提供者の指導のもと、適切なARTを継続することが重要です。

HIV感染のリスクとは

HIVは、HIVに感染している人の血液や精液、膣分泌液、母乳などの体液が、粘膜や傷口から体内に入ることで感染します。日常生活での何気ない接触で感染する可能性は極めて低いですが、感染経路を正しく理解し、リスクのある行動を避けることが重要です。

HIV感染のリスク要因

HIVは主に以下の経路で感染します。

  1. 性行為:HIVに感染している人との性行為(膣性交、肛門性交、口腔性交)によって感染する可能性があります。
  2. 血液感染:HIVに感染している人の血液が直接体内に入ることで感染する可能性があります。注射針の共有により起こることが多いです。
  3. 母子感染:HIVに感染している母親から妊娠中や出産時、授乳を通じて赤ちゃんに感染する可能性があります。

以下の要因がHIV感染のリスクを高める可能性があります。

  • 複数の性的パートナーを持つこと
  • コンドームを使用しない性行為
  • 他の性感染症(STI)に罹患していること
  • 注射薬物の使用、特に注射器具の共有
  • HIVの有病率が高い地域に住んでいること
  • 男性同性愛者や両性愛者(特に男性)であること
  • トランスジェンダーの人々(特に女性)であること

さまざまなリスク要因を認識し、適切な予防策を講じることが重要です。

HIV感染者の生活と社会的な支援

HIVは医療の進歩により、治療を続けながら長く健康に生きることができる病気になりました。糖尿病などの生活習慣病と同じように、きちんと治療を続ければ、日常生活に大きな支障なく過ごすことができるということです。しかし、HIV感染者の方を取り巻く状況は、病気そのものへの理解不足や偏見など、さまざまな課題も残されています。

ここでは、HIV感染者の生活と、それを支える社会的な支援について解説します。

HIV感染者の社会での扱いと偏見

HIV感染者に対する社会の理解は、近年徐々に進んできていますが、まだ十分とは言えません。偏見や差別によって、仕事や住居を失ったり、医療機関での適切な治療を受けられないケースも報告されています。

HIVは、血液、精液、膣分泌液、母乳などの体液を介して感染する病気であり、日常生活での接触では感染しません。握手やハグ、食事を共にする、同じトイレやお風呂を使う、咳やくしゃみなど、日常生活でHIVが感染する心配はありません。例えば、HIV感染者の方と握手やハグをしても、HIVが自分の体内に侵入することはありませんし、同じ食器やタオルを使ったとしても、感染するリスクはありません。正しい知識を持つことで、根拠のない恐怖心や偏見を取り除くことができます。

HIV感染者も、他の人々と同じように、社会の一員として尊重される権利があります。偏見や差別は、HIV感染者に対する人権侵害であり、許される行為ではありません。偏見や差別をなくすためには、HIVに関する正しい知識を共有し、お互いを理解し合うことが重要です。

HIV関連のサポート団体や相談窓口

HIV感染者とその家族を支援するために、さまざまなサポート団体や相談窓口が存在します。医療機関の紹介、治療や生活に関する相談、経済的な支援、精神的なサポートなど、幅広いサービスを提供しています。

HIV感染症は、治療法や生活上の注意点など、専門的な知識が必要となる病気です。一人で抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、専門機関のサポートを受けることも考えてみましょう。

例えば、日本エイズストップ財団では、HIVに関する相談を電話やメールで受け付けています。また、各地の保健所でも、HIVに関する相談や検査を受けることができます。相談窓口では、匿名で相談することも可能ですし、秘密は厳守されますので、安心して相談することができます。

HIV感染と向き合っていくことは、決して容易ではありません。しかし、正しい知識を身につけ、周囲のサポートを得ながら、自分らしく生きていくことが大切です。

まとめ

HIVは、かつては不治の病とされていましたが、現在では治療法が確立し、感染しても長く健康に生きられる病気になりました。そのため、感染を予防することが最も重要です。

HIVは血液や体液を介して感染しますが、日常生活での接触では感染する可能性は極めて低いです。性行為による感染予防には、コンドームの正しい使用が有効です。医療従事者は注射針などの消毒・滅菌を徹底しています。

HIV検査を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。検査は採血で行われ、感染の有無を調べます。検査を受けることに不安を感じる場合は、医療機関や相談窓口に相談しましょう。

イーヘルスクリニック新宿院は新宿三丁目駅からわずか1分の距離にある当院は、来院またはオンライン診療であなたの健康に対応します。性感染症の治療・予防やED治療だけでなく、保険診療にも対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。

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何か疑問や不安がある場合は、遠慮なく当院にご相談ください。皆様の健康と安全を第一に考え、全力でサポートいたします。

今後とも、安心してPrEPを使用し、健康で充実した生活を送っていただけるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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  • 緊急避妊

参考文献

Smith AU, Khawly GM, Jann J, Zetina APM, Padilla J and Schnall R. “A Review of Serious Gaming as an Intervention for HIV Prevention.” Current HIV/AIDS reports 20, no. 4 (2023):181-205.

 

 

記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

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