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2023.02.27

脂肪肝の予防法とは? ~体格を見直して、生活習慣を改善することが大切~

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪がたまった状態をいいます。

脂肪肝になっても通常症状はありません。しかし、放置すると時に肝硬変や肝がんなどを発症する可能性があります。そのため、脂肪肝の予防に努めることが大切です。

今回は、脂肪肝の予防や改善について解説します。

脂肪肝の予防法

脂肪肝の予防法(1)自分の体格を見直す

脂肪肝は肥満やメタボと関連があることで知られており、BMIと脂肪肝の発症頻度についてはBMI23未満の方で10%以下、BMI30以上の方で約80%という報告もあります。そのため、日頃から自身の体格を見直すことが大切です。

実際に海外の研究では5%の減量で生活の質が向上し、7%以上の減量でNASH(脂肪肝から肝がんや肝硬変に進行するリスクがある状態)の脂肪肝化などの改善、10%以上の減量で肝臓の線維化などの改善が見込めるといわれています。

まずは、BMI(体重(kg)÷身長(m)2)やウエスト周囲を確認しましょう。BMIが25以上の場合、ウエスト周囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合は要注意です。

脂肪肝の予防法(2)食生活を改善する

お酒の飲みすぎや食べすぎ、運動不足が続くと、体の中に取り入れられるエネルギーが消費されるエネルギーよりも多くなり、肝臓では中性脂肪の処理が追いつかなくなると少しずつ肝臓に中性脂肪がたまり、脂肪肝の状態になります。そのため、食生活を見直し改善することも脂肪肝の予防につながります。

「脂肪肝の食事」について詳しく見る

飲酒

少量のアルコール摂取(20~30g/日)は 脂肪肝を含む肝障害を軽減することが報告されていますが、お酒の飲みすぎが長い間(5年以上)続くと、脂肪肝をはじめとするアルコール性の肝臓病になるリスクが高まります。そのため、頻繁にアルコールを飲みすぎている場合は1日に飲む量と頻度を見直しましょう。

1日あたりのアルコール量(20g)の目安は、ビールの場合はロング缶1本(約500mL)、日本酒の場合は1合(約180mL)、ワインの場合はグラス1~2杯(約200mL)、ウイスキーの場合はダブル(約60mL)、酎ハイの場合はレギュラー缶1本(約350mL)です。

食事

脂肪肝は肥満やメタボと深い関連性があり、食べすぎや栄養バランスの偏った食事が続くと、肝臓に中性脂肪がたまりやすくなります。お腹がいっぱいになるまで食べる習慣がある場合は注意しましょう。

よくかんで食べると満足感が得られやすく、食べる量を減らすことができます。また、甘い飲み物や果物、揚げ物や炒め物は控えることを心がけるとよいでしょう。具体的な食事内容や食事のコツなどは管理栄養士や医師に確認することが大切です。

eHealth clinicでは、管理栄養士による栄養カウンセリングを実施しています。生活スタイルなどを丁寧にお聞きし、本人に合った無理のない食事を提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

運動

体を動かす機会が少ないと、肝臓に中性脂肪がたまりやすくなります。そのため、運動不足の場合は無理のない範囲で有酸素運動や筋トレをしましょう。具体的にはウォーキング、筋トレはスクワットなどできることから始め、コツコツと続けることを心がけるとよいでしょう。

有酸素運動は脂肪をエネルギーとして燃やすため肝臓の脂肪が減りやすくなり、筋トレは筋肉量を増やすことで基礎代謝がアップし、脂肪が燃えやすくなります。実際に、週3~4回の頻度で30~60分程度の有酸素運動を4~12週間続けることで、体重は減らなくても脂肪肝が改善することが報告されています。

どのような運動をしたらよいかなど、詳しくは医師に確認するようにしましょう。

「脂肪肝の運動」について詳しく見る

脂肪肝の予防法(3)定期的に健康診断や人間ドックを受ける

脂肪肝には自覚症状がほとんどないため、定期的に健康診断や人間ドックを受けて肝臓の状態を確認することが脂肪肝の予防や早期発見につながります。

肝臓の機能を調べる項目は、血液検査の中でも、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどです。AST(GOT)とALT(GPT)は31U/L以上になると要注意で、脂肪肝や肝炎などが疑われます。γ-GTPは51U/L以上になると要注意で、アルコール性肝障害などが疑われます。

検査値は検査機関などによって多少異なることがあるので、詳しくは医師や看護師に確認しましょう。

「脂肪肝の検査」について詳しく見る

eHealth clinicでは健康診断後も結果について丁寧に説明し、必要に応じて検査や治療のご提案、生活習慣のアドバイスなどもいたします。ご不安なことがありましたらいつでもご相談ください。

なぜ生活習慣の改善が重要なの?

脂肪肝は主にお酒の飲みすぎや食べすぎ、運動不足などによって摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ると、肝臓で多くの中性脂肪が作られて発症します。多くの脂肪肝はメタボリックシンドローム(メタボ:内臓肥満に加えて高血圧や糖尿病、脂質異常症が組み合わさることで、心臓病や脳卒中などの命に関わる病気を発症しやすい状態)と合併していることが分かっています。

具体的な日本でのメタボの合併率は、NAFLD(アルコールを原因としない肝臓病の総称)で約40%、NASH(脂肪肝から肝硬変や肝がんなどに進行する可能性がある肝臓病のこと)で約50%といった報告がされています。

このため、脂肪肝の予防のためには自分の体格と生活習慣を見直し、改善することが大切です。また、脂肪肝には自覚症状がほとんどないため、定期的に健康診断を受けて肝臓の状態を確認することも予防や早期発見につながります。

「脂肪肝の原因」について詳しく見る

脂肪肝についてはeHealth clinicにご相談を

脂肪肝は放置すると肝炎や肝硬変(肝臓のはたらきが悪くなる病気)になることがあるため、予防や改善に努めることが大切です。また、肥満気味で運動習慣がなく脂肪肝が心配、健康診断で肝機能に指摘があったなど気になることがあれば、早めに受診をしましょう。

eHealth clinicでは、脂肪肝の診療を行っています。eHealth clinicには管理栄養士が在籍し、お悩みや普段の食事や生活スタイルなどをお聞きしたうえで、今後の改善ポイントをご提案します。ご不安なことがあればお気軽にご相談ください。

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参考文献

NAFLD/NASH診療ガイドライン 2020

NASH・NAFLDの診療ガイド2015