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2025.06.17
#自費診療 #対象疾患

ウゴービの処方条件と流れを解説!医師が教える適応基準と手順

肥満症は外見の問題にとどまらず、さまざまな生活習慣病のリスクを高める深刻な疾患です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などと密接に関係し、放置すれば命に関わる病気につながる可能性があります。

食事療法や運動療法を継続しても効果が実感できない方にとって、新たな治療選択肢が登場しました。2024年2月に日本で発売された肥満治療薬「ウゴービ」です。ウゴービは週1回の自己注射で食欲を抑える作用があり、体重管理を無理なく継続できる可能性があります。

この記事では、ウゴービの処方条件や治療の流れ、使用時の注意点について詳しく解説します。肥満症に悩む方が、健康的な未来へと一歩踏み出すための手がかりとなります。

イーヘルスクリニック新宿院では、医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。ウゴービの自由診療にも対応しており、医師の診察にもとづいて適切な治療をご提案しています。

単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。

ウゴービとは肥満治療に使われる自己注射薬

ウゴービは肥満症の治療に用いられる自己注射薬です。有効成分はセマグルチドで、元々糖尿病の治療薬として使われていました。GLP-1は、食事を摂ると体内で分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促し血糖値を下げる働きがあります。ウゴービの有効成分であるセマグルチドは、GLP-1と類似した作用を持ちます。

セマグルチドは食後にインスリンの分泌を促進し、血糖値の上昇を抑える効果があります。脳の満腹中枢に働きかけることで食欲を抑える作用も報告されています。空腹感が減少し、自然と食事量が減ることで、食事制限による負担を軽減できる可能性があります。ただし、効果には個人差があります。

ウゴービは週1回の皮下注射で使用する薬です。飲み忘れのリスクが少なく、治療を継続しやすいことも利点です。肥満症は、単に体重が多い状態ではなく、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクがあるため、適切な治療が重要です。ウゴービは、健康障害の改善にも効果が期待できる薬剤です。

ウゴービの処方条件

ウゴービには安全かつ効果的に治療を受けるために、以下の処方条件が設けられています。

  • 肥満症の診断を受けている
  • 高血圧などの健康障害がある
  • 食事療法・運動療法を6か月以上受けている

肥満症の診断を受けている

ウゴービは肥満症治療薬のため、まず肥満症の診断が必要です。診断にはBMI(体格指数)が用いられます。BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で算出します。日本肥満学会では、BMI25以上を肥満と定義していますが、ウゴービの処方が検討されるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

  • BMI30以上の高度肥満
  • BMI27以上かつ高血圧や脂質異常症、2型糖尿病などの合併症がある場合

BMIの数値だけでなく、合併症の有無や全身状態も踏まえて総合的に評価します。自己判断は避け、必ず医師の診察を受けましょう。

高血圧などの健康障害がある

BMIが27以上35未満の場合、肥満に関連する健康障害があるとウゴービの処方が検討されます。該当する健康障害は、以下のとおりです。

  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 2型糖尿病
  • 睡眠時無呼吸症候群

肥満に関連する健康障害は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞など生命に関わる病気につながる恐れがあります。ウゴービは健康障害の改善も期待でき、肥満による悪影響を軽減する目的で処方されます。医師が健康状態を総合的に判断し、適応かどうかを検討します。

食事療法・運動療法を6か月以上受けている

ウゴービを処方するには、食事療法および運動療法を6か月以上継続して行い、十分な効果が得られていないことが条件です。ウゴービは生活習慣の改善を補助する薬であり、治療の代替となるものではありません。

食事療法では、栄養バランスの良い食事を心がけ、過剰なカロリー摂取を控えます。摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意識し、体重管理を目指します。運動療法では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に加え、筋力トレーニングを行うことで基礎代謝を高め、太りにくい体質づくりを目指します。

ウゴービの治療の流れ

ウゴービの治療は、以下の流れで進みます。

  • 予約・問診
  • 医師の診察
  • 自己注射の説明
  • 定期的な診察・栄養指導

予約・問診

ウゴービを処方している医療機関を受診する必要があります。多くの医療機関では、インターネットや電話で予約を受け付けています。初診時には、問診票に以下の内容を記入します。

  • 現在の体重
  • 過去の病歴
  • 使用中の薬

高血圧や糖尿病といった肥満に関連する疾患についても正確に申告しましょう。医師は問診票をもとに、身長と体重からBMIを算出し、肥満度や合併症の有無、食生活や運動習慣、過去のダイエット経験などを詳細に確認します。

医師の診察

問診票の記入後、医師による診察を受けます。BMIや生活習慣、関連疾患の有無をもとに、ウゴービの適応条件を満たしているかどうかを判断します。ウゴービは保険適用外の自由診療となるため、費用についても説明を受けます。費用は医療機関により異なり、月3〜5万円程度になることがあります。事前に確認しておきましょう。

当院では、患者様の負担を抑えるため、0.25〜1.0mgを下記の料金でご提供しています。

含有量 1か月あたりの価格(税込)
0.25mg 15,400円
0.5mg 24,200円
1.0mg 25,200円

※初診3,300円、再診1,100円が別途必要です。

自己注射の説明

ウゴービは週1回、患者さん自身が皮下注射を行う薬です。診察後には、医師や看護師から注射方法や保管方法、注意点について説明を受けます。注射器はペン型で操作が簡単であり、針も細いため痛みは少ないとされています。

注射部位は腹部、太もも、上腕などがあり、毎回部位を変えることで皮膚への負担を軽減し、薬剤の吸収を均一にすることが可能です。注射に不安がある場合は、遠慮せず医師や看護師に相談しましょう。医療機関によっては練習用の注射器を用意していることもあります。

定期的な診察・栄養指導

ウゴービの使用開始後も、月に1回程度の定期的な診察を受ける必要があります。副作用の有無や治療効果を確認しながら、継続的な管理を行います。副作用として、吐き気や便秘などが現れる場合がありますが、時間の経過とともに軽快する傾向があります。

治療効果を高めるためには、バランスの良い食事と適度な運動の継続が重要です。医師や栄養士からの指導を受け、摂取カロリーや栄養バランスを見直し、生活習慣の改善を目指しましょう。

ウゴービは、肥満治療を補助する薬であり、生活習慣の改善こそが根本的な治療となります。医師や栄養士と連携し、継続的に取り組むことが大切です。

ウゴービを使用する注意点

ウゴービの使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

  • 副作用のリスクを把握する
  • 医師の指示を守る
  • 持病がある人は事前に相談する
  • 妊娠中・授乳中の人は使用できない
  • 食事改善や運動も併用する

副作用のリスクを把握する

ウゴービには、以下のような消化器症状を中心とした副作用報告されています。

  • 吐き気
  • 便秘
  • 下痢
  • 腹痛

副作用は、有効成分であるセマグルチドがGLP-1に類似した作用を持つことに起因します。多くの場合、症状は一時的ですが、継続する場合は医師に相談しましょう。吐き気が強い場合は、食事を少量ずつ摂ることや、脂肪分を控えるなどの工夫で軽減が期待できます。

便秘には水分や食物繊維の多い食品を積極的に摂りましょう。下痢の場合はこまめな水分補給と消化の良い食事を心がけましょう。腹痛がある場合は、温めることや安静にすることで改善が期待できます。まれに重篤な胃腸障害が報告されることもあります。強い症状が現れた際は自己判断せず、速やかに医師へ相談しましょう。

医師の指示を守る

ウゴービの効果を適切に得るためには、医師の指示に従って使用することが重要です。自己判断で使用量を変更したり、中断したりすることで副作用のリスクが高まるおそれがあります。使用方法や使用量、使用期間など、不明点がある場合は医師または薬剤師に確認しましょう。疑問を解消し、安心して治療を続けることが大切です。

最近では、同様に注目を集めている治療薬に「マンジャロ(チルゼパチド)」があります。マンジャロは、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬という二重作用を持つ新しいタイプの薬で、血糖値のコントロールと体重減少の両方で高い効果が期待されています。

以下の記事では、マンジャロの詳しい減量効果や作用メカニズムについてわかりやすく解説していますので、治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。
>>マンジャロの減量効果について

持病がある人は事前に相談する

他の薬を使用している場合や持病がある方は、ウゴービの使用前に必ず医師へ相談しましょう。薬剤の相互作用や既往歴により、使用が制限される可能性があります。特に糖尿病治療薬を使用中の方は、低血糖のリスクがあるため注意が必要です。使用中の薬や過去の病歴、アレルギーの有無も必ず申告しましょう。

妊娠中・授乳中の人は使用できない

ウゴービは妊娠中または授乳中の方には使用できません。胎児や乳児への影響が懸念されるためです。妊娠の可能性がある場合は、事前に医師へ相談し、適切な避妊方法について指導を受けましょう。使用中に妊娠が判明した場合も、速やかに医師へ報告しましょう。

食事改善や運動も併用する

ウゴービは肥満症の補助治療薬であり、単独での効果には限界があります。食事改善や運動療法を併用することで、より高い治療効果が期待できます。バランスの良い食事と適度な運動を継続することは、健康的な体重維持や生活習慣病の予防にもつながります。医師や栄養士と連携しながら、生活習慣を整えることが重要です。

まとめ

受付

ウゴービは肥満症治療に用いられる自己注射薬であり、週1回の投与で治療を継続しやすい点が特徴です。処方の対象は、6か月以上の食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない方で、かつ以下の条件に該当する方です。

  • BMI30以上の高度肥満
  • BMI27以上で高血圧などの肥満関連合併症がある場合

治療の流れは以下のとおりです。

  1. 医療機関の予約・問診
  2. 医師の診察
  3. 自己注射の説明
  4. 定期的な診察と栄養指導

ウゴービは肥満治療の選択肢となり得ますが、食事や運動などの生活習慣の見直しをやめていいというわけではありません。医師や栄養士と連携しながら、日々の生活習慣を継続的に整えていくことが、健康的な体重管理や生活習慣病の予防につながります。

イーヘルスクリニック新宿院では、肥満症治療に特化した「医療ダイエット外来(肥満外来)」を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。

当院の医療ダイエット外来(肥満外来)は、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。

以下の記事では、来院治療に加えてオンライン診療でも受診可能な肥満外来について詳しく解説しています。
>>肥満外来(医療ダイエット外来)~来院治療に加え、オンライン診療でも受診可~

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