
近年、GLP-1受容体作動薬の一種であるマンジェロ(Mounjaro)は、肥満治療において非常に高い効果を示す注目の治療薬です。臨床試験では、1〜2年で10〜25%もの体重減少が報告されており、多くの患者にとって大きな希望となっています。
しかし、薬だけで肥満を「治す」ことはできないのが現実です。マンジェロを中止すると、体重が元に戻るケースも少なくなく、長期的な服用が必要となる可能性が指摘されています。また、副作用や食事への喜びの喪失、継続の難しさなどから、多くの患者が1年以内に治療を中止してしまうというデータもあります。
さらに、肥満治療薬としてGLP-1製剤を承認する際、アメリカ食品医薬品局(FDA)は「カロリーを抑えた食事」と「身体活動の増加」を前提とした併用使用を求めています。
ところが実際には、薬を処方された多くの患者が、生活習慣の改善に十分取り組んでいないのが現状です。
こうした背景の中で注目されているのが、栄養相談や生活習慣サポート(ヘルス&ウェルネスコーチング:HWC)との併用です。
アメリカの医学誌『American Journal of Lifestyle Medicine』に掲載された研究によると、HWCを受けた患者は、受けていない患者に比べて薬の継続率が高く、体重減少も持続しやすいという結果が示されています。
ヘルスコーチングの専門家であるマイケル・ショルツ氏は、HWCを「体重減少とその維持に不可欠」とまで述べており、食事や運動を楽しみながら継続できる生活習慣の構築をサポートすることが、薬の効果を最大限に活かす鍵となります。
マンジェロを使った治療と並行して、栄養士や専門コーチによる以下のようなサポートを受けることで、より効果的で持続可能な健康改善が期待できます。
体質や生活習慣に合わせた個別の食事指導
リバウンドを防ぐための目標設定と進捗管理
食べすぎや衝動食いを防ぐ自己調整力の向上
健康的な運動習慣の定着
精神的なサポート(モチベーション維持)
GLP-1製剤は、あくまで体重減少を「始める」ための強力なツールに過ぎません。その効果を持続させるには、「続けられるライフスタイル」への移行が不可欠です。栄養相談やヘルスコーチングは、その橋渡しをしてくれる存在です。
マンジェロを始めるなら、栄養相談をセットにすることをおすすめします。
薬の効果を最大化し、リバウンドを防ぐためにも、医師と栄養士が連携したサポート体制を活用して、健康的で無理のないダイエットを目指しましょう。
一般的な肥満外来(医療ダイエット外来)では、健康状態のヒアリングが不十分で、薬の処方が中心になっていることが多いのが現状です。しかし、イーヘルスクリニック新宿院の肥満外来(医療ダイエット外来)では、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見と治療にも重点を置いています。 当院の治療方針は”薬物療法”と”食事・栄養への介入”の2本柱で行っています。 診療は土日祝日も対応しており、24時間365日診療予約がネットから可能です。忙しい方でも受診しやすい体制を整えていますので、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください
▼【来院】のご予約はこちら▼
▼参考記事
肥満外来(医療ダイエット外来)~来院治療に加え、オンライン診療でも受診可~
▼参考論文