高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
便秘症とは“便秘”によって腹痛やお腹の張り、不快感などの症状が現れる状態のことで、治療を必要とします。便秘は何らかの原因で排便がしづらくなり、排便が週2~3回未満にとどまることと定義されており、便秘症とは異なります。なお、正常範囲の排便回数の目安としては、1日3回~週3回程度がといわれています。
便秘症は若い女性に多いといわれていますが、加齢に伴って患者が増加し、高齢者では男女差はないことが特徴です。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
便秘症には腸の機能低下が原因で起こる“機能性便秘症”と、がんなどの病気で大腸の形が変わることで起こる“器質性便秘”があります。もっとも多いタイプは機能性便秘症です。原因には生活習慣、ストレス、加齢などが挙げられます。
便秘症になると以下のような症状が現れることがあります。
など
重症化すると腸閉塞や腸穿孔といった深刻な合併症を引き起こし、以下のような症状が現れることがあります。
など
便秘はありふれた症状の1つですが、便秘症になると肌が荒れたり、疲れやすくなったりすることがあり、放置するとより便が硬くなり、症状がひどくなるという悪循環につながることもあります。また、時にさまざまな病気が関係して発症している可能性が考えられるほか、便秘症は大腸がんや脳卒中、心疾患などの病気を引き起こしやすくなるともいわれているため、気になる症状がある場合は我慢せずに医師に相談することも大切です。
特に便秘に伴い吐き気、嘔吐、強い腹痛、細い便、排便時の出血などの症状がある場合は病気の可能性を踏まえ、内科やかかりつけ医などの受診を検討するとよいでしょう。
器質性便秘や、糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気によって起こる便秘は、原因となる病気の治療が必要となります。それ以外の便秘の場合は、まず手術以外の治療(保存療法)を行い、効果がない場合は外科治療を検討することが一般的です。
2023年版 便通異常症診療ガイドライン: 主な変更点
2023年版の便通異常症診療ガイドラインでは、2017年版と比較して、以下の点が大きく変更されています。
1. 診断基準の見直し
- 慢性便秘症の診断基準が改訂されました。従来のローマⅢ基準に加え、便意の有無や排便困難感などを考慮した新しい基準が導入されています。
- 慢性下痢症の診断基準も改訂されました。機能性腸症候群など、下痢の原因となる疾患をより詳細に分類するための基準が設けられています。
2. 治療法の見直し
- 慢性便秘症の治療において、生活習慣や食事療法の重要性がより強調されています。
- 便秘薬の使い分けについても、最新の知見に基づいて改訂されています。
4. その他
- 小児や高齢者など、特定の患者集団における便通異常症の診断・治療について、より詳細な情報が提供されています。
- 便失禁など、便通異常症に関連する合併症についても、新しい知見に基づいて解説されています。
ガイドライン全体として、患者さんの日常生活の質の向上を目標とした、実践的な内容に改訂されています。
以下、変更点の詳細について、いくつかご紹介します。
1. 慢性便秘症
- 診断基準:
- 排便頻度が週3回未満かつ、排便困難感や腹部膨満感などの症状がある場合に、慢性便秘症と診断されます。
- 排便困難感の程度や、症状の持続期間などによって、軽度、中等度、重度に分類されます。
- 治療法:
- 生活習慣や食事療法が、慢性便秘症の治療において第一選択となります。具体的には、十分な水分摂取、適度な運動、食物繊維の摂取などが推奨されています。
- 生活習慣や食事療法で改善がみられない場合、便秘薬が検討されます。
- 便秘薬には、刺激性下剤、浸潤性下剤、腸管運動促進剤など、様々な種類があります。
- 便秘薬の使い分け:
- 刺激性下剤は、短期間の使用に限定されます。
- 浸潤性下剤は、長期にわたって使用することができます。
- 腸管運動促進剤は、便秘の原因に応じて選択されます。
参考情報: 便通異常症診療ガイドライン2023
便秘症においては食習慣を含む生活習慣の改善、薬物療法、摘便などの理学療法が選択肢となります。
まずは生活習慣の改善、適切な食事の摂取、運動、腸のマッサージなどを行います。排便リズムを整えるために、規則正しい生活を心がけましょう。食事は1日3食を規則正しく取り、野菜や海藻などの食物繊維を積極的に食べます。また、適度な運動は腸のはたらきを促し、便秘改善につながるとされています。
生活習慣を見直しても便秘が改善しない場合は薬の使用が検討されます。下剤や、腸のはたらきをよくする薬を使うことがあります。
下剤には以下の3種類があります。
2023年の新しいガイドラインでは、まず浸透圧性下剤で治療を開始し、効果が不十分な場合は胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス)などの使用を推奨しています。
グーフィスは、2018年に発売された、世界初の作用機序を持つ便秘薬です。従来の便秘薬とは異なり、腸内の水分を保ちながら自然な排便を促すという、画期的な効果が期待できます。
グーフィスの特徴
- 作用機序: 胆汁酸トランスポーターを阻害することで、腸内に水分を留め、便を柔らかくする。
- 効果:
- 排便回数の増加
- 便の量の増加
- 便の硬さの改善
- 腹痛や張り感の軽減
- 服用方法: 1日1回、朝食後にコップ1杯の水で服用する。
- 安全性: 従来の刺激性下剤と比べて、副作用が少ない。
- 対象: 15歳以上
グーフィスの効果
- 自然な排便を促す: 腸を刺激することなく、自然な腸運動を活発にすることで、排便を促します。そのため、お腹が張ったり、強い腹痛を感じたりすることがありません。
- 便を柔らかくする: 腸内に水分を留めることで、便を柔らかくし、スムーズな排便を可能にします。
- 便秘の根本原因にアプローチ: 腸内環境を整えることで、便秘の根本的な原因にアプローチします。
グーフィスは、従来の便秘薬とは異なり、穏やかで持続的な効果が期待できる新しい便秘薬です。長年続く便秘にお悩みの方や、刺激性下剤の副作用でお困りの方に、ぜひ試していただきたいお薬です。
参考資料:https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/23/2359008F1025.html
生活習慣を見直しても便秘が改善しない場合は、理学療法(物理的な手段を伴う治療法)も選択肢となります。具体的な方法としては、以下の通りです。
便秘症の原因が直腸が肛門から出てしまう“直腸脱”、直腸が突出して腟のほうに出てしまう“直腸瘤”、排便時に直腸が腸内に折り込まれてしまう“直腸重積”などの場合、保存療法で便秘が改善されなければ外科治療を行うことがあります。
長期間にわたって頻繁に刺激性下剤(腸を大きく動かして排便を起こすタイプの下剤)を飲むと、大腸が疲れて動かなくなる“弛緩性便秘”になってしまい、下剤の効果が低くなることがあります。そのため、自己判断で下剤を飲むことには注意し、便秘が続く場合は早めに受診を検討するとよいでしょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、便秘症の状態に応じた適切な治療・薬をご提案しています。また、治療はは薬だけではなく、原因となる食事や生活習慣を改善することも必要です。イーヘルスクリニック新宿院は管理栄養士が在籍し、栄養相談も実施しています。気になることがあれば何でもご相談ください。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
参考記事:便秘外来
記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。