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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染することで、咳や発熱、味覚障害、下痢などのさまざまな症状が現れる病気のことです。軽症の場合は自然に治ることも多く、治療法の確立により死亡する方の割合は低くなっているといわれています。しかし、高齢者や基礎疾患を持っているなど重症化リスクがある方は、時に命に関わることもあるため予防対策などに努めることが大切です。
原因となるウイルスは人から人へ感染が拡大するとされ、基本的に感染者の咳や飛沫によって感染します。特に感染拡大が起こりやすい場所には三密(密閉・密集・密接)の空間が挙げられ、こういった場所では咳やくしゃみなどをしなくても感染を拡大させるリスクがあると考えられています。このため、感染および拡大予防には、三密を避ける、外出時のマスク着用、咳エチケット、室内の換気を心がけるほか、十分な睡眠などで健康管理を行うことも大切です。
どのようなウイルスも常に変異しており、新型コロナウイルスについても変異したウイルス(変異株)が見つかっています。
新型コロナウイルスでは2週間に1度程度のペースで変異しているといわれており、変異の仕方によっては感染の広がりやすさや引き起こされる病気の重さが変わったり、ワクチンや薬が効きづらくなったりすることがあるといわれています。このような変異株を含め新型コロナウイルス感染症について国では随時確認や調査をし、対策などを検討しています。
新型コロナウイルス感染症にかかると、以下のような症状がみられることがあります。
など
高齢者や基礎疾患がある方は重症化することもあります。重症化するケースでは、以下のような特徴がみられるとされます。
など
療養期間が終了した後も人によっては症状が長引いたり、新たな症状が現れたりすることが分かっています。特徴としては以下のとおりです。なお、このような症状は時間とともに改善すると考えられていますが、今後も引き続き調査を行う必要があるといわれています。
など
軽症の多くは自然に治るとされていますが、高齢者や基礎疾患(心臓病や糖尿病など)がある方は重症の肺炎を引き起こすことがあるため注意が必要です。また、インフルエンザなどの感染症による症状とも似ているため、自己判断で対処しないで、発熱や咳など気になる症状がある場合は、まずはかかりつけ医や近くの医療機関に相談するようにしましょう。ただし、院内感染を防ぐため、緊急時以外は直接の受診は避け、受診前にまず電話などで確認するようにしましょう。
なお、以下に当てはまる場合はすぐに連絡、相談をすることがすすめられます。
治療は、重症度によって異なります。重症化リスクが高い方、中等症・重症の方などは入院治療となる場合がありますが、それ以外の無症状・軽症の方は、自宅や宿泊療養施設で健康管理をしながら療養することが一般的です。
対症療法とは、症状を緩和するための治療法のことで、軽症の場合に行うことがあります。軽症の場合は特別な治療を行わなくても自然に治ることが多いとされていますが、必要であれば解熱薬や咳を抑える飲み薬の処方が検討されます。
抗ウイルス薬、中和抗体薬、免疫抑制・調節薬、抗凝固薬などで重症化や合併症の予防を行います。薬物療法は主に中等症で行うことが一般的ですが、軽症でも重症化リスクがある場合などは薬を使うことがあります。それぞれの薬の特徴は以下のとおりです。
そのほか、細菌感染が疑われる場合は、細菌を破壊したり増殖を防いだりする抗菌薬を使うこともあります。
中等症の場合は時に呼吸不全になることもあるため、酸素投与が必要です。酸素療法では、濃度の高い酸素を鼻の管やフェイスマスクから供給することで酸素の投与を行います。
重症の場合はECMOを使うことがあります。ECMOとは、人工肺とポンプを使って呼吸と循環の機能を代わりに行う治療法です。本来肺が行う酸素化と二酸化炭素除去のはたらきを代替します。ほかの治療法に比べて肺への負担が少ないため、肺が十分に休める状況を作り出し、肺障害を回避しながら治療時間を確保することが可能とされています。
喫煙者は新型コロナウイルス感染症が重症化するリスクが高いといわれています。そのため、感染した場合は禁煙が必要となります。また、できれば感染する前から禁煙に努めるとよいとされています。
感染時はもちろんのこと、体調不良のときは外出を控えるとよいでしょう。また、家族に感染者がいる場合は、同居する家族は不要不急の外出を避けたほうがよいとされています。体調不良時などにやむをえず外出する場合はマスクを着用しましょう。また、受診する際はマスク着用のほか、手洗いや咳エチケットの徹底が大切です。
家庭内感染を防ぐため、感染者や疑いがある方がいる場合は、家族も含め、室内でもマスクを着用したり、手洗い・うがいを心がけたりするとよいでしょう。また、できるだけ生活空間を分け、感染者の看病をする人は同じ人に限定するとよいとされています。そのほか、室内の換気やドアノブなど共有部分の消毒なども行うようにするとよいでしょう。
自宅療養となった場合は、保健所などが定期的に症状や体温、血中酸素飽和度などの健康状態を確認することが一般的です。症状が悪化した場合や、血中酸素飽和度が指定条件(93%以下)になった場合は、保健所から伝えられている連絡先(コールセンター、保健所、かかりつけ医など)に早めに連絡するとよいでしょう。