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2022.08.22

新型コロナウイルス感染症の後遺症にある味覚障害の特徴とは? ~特に30歳代以下の方に多く発症している~

新型コロナウイルス感染症にかかると回復した後にも後遺症として、嗅覚・味覚障害や微熱・発熱、呼吸困難、咳、倦怠感、脱毛、集中力の低下、精神症状などの症状がみられる場合があります。後遺症に関して現状は不明なことが多く、国内外でさまざまな調査が行われているところです。中でも本記事では、新型コロナウイルス感染症の後遺症である味覚障害について解説します。

新型コロナ後遺症でみられる味覚障害の特徴

新型コロナ後遺症では、味覚障害がみられることがあります。味覚障害とは味に対する感度が落ちたり、味を感じなくなったりする状態のことです。特に30歳代以下の方に多いといわれています。味覚障害には以下のような特徴があります。

  • 味を感じない・弱い
  • 食べ物がおいしくない
  • 本来の味と違って感じる
  • 常に口の中が苦い・⽢い など

なお、新型コロナ後遺症については明らかではない点が多く、症状の程度や経過も人によって異なります。

また、“診療の手引き”によると、味覚障害は嗅覚障害を伴う場合が多く、嗅覚障害による風味障害も発生しているとされています。嗅覚障害とは匂いの感覚が弱くなったり、匂いをまったく感じなくなったりする状態のことです。

味覚障害が出る時期

新型コロナ後遺症では病気になりはじめの時期(急性期)から持続する症状と、急性期から回復した後に新たに出現する症状があります。また症状の程度は変動し、症状が治まった後に再び出現することもあります。

味覚障害が続く(治るまでの)期間

症状の経過は個人差があるものの、一般的に味覚障害の場合は感染後1か月程度で自然に治る方が多いと考えられています。なお後遺症全般では、半数以上が5か月以内に症状の改善を自覚する一方、1年以上続く場合もあります。

味覚障害の頻度

東京都の後遺症対策チームにおいて「コロナ後遺症相談窓口」の相談データをもとに、新型コロナウイルス感染者(オミクロン株と見込まれる)の後遺症について分析したデータによると、味覚障害は10.6%でみられることが報告されています。この数値はデルタ株の頃と比較すると大きく減少していることが分かっています。なお、後遺症の中でももっとも多い症状は咳で38.6%、次が倦怠感で34.0%です。

*東京iCDC後遺症タスクフォース.“都立・公社病院「コロナ後遺症相談窓口」の相談データ分析” (閲覧日2022-08-15)

微熱が続くときの受診の目安

以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。そのほか、気になることがあれば医師や住まいの自治体の相談窓口に相談するとよいでしょう。

  • 2週間以上経過しても症状が続く場合
  • 日常生活に支障が出るほど症状が強い場合

治療法

現段階では、新型コロナ後遺症の味覚障害に対する確立した治療法はなく、症状を消したり和らげたりする治療(対症療法)が中心となります。たとえば、必要に応じて亜鉛剤などが処方されることがあります。ただし、基本は大半が自然経過にて改善すると考えられています。

なお、海外の研究によると、新型コロナワクチンを2回接種した後に新型コロナウイルスに感染した場合、28日以上続く症状の発現が約半数へ減少することが報告されています。つまり、重症化を防ぐワクチン接種が後遺症の抑制につながる可能性があるため、接種することがすすめられます。

気になる症状が続くときは医師に相談を

コロナウイルス感染症の後遺症の1つに、長引く味覚障害があります。通常は自然治癒するとされているため、休息を取ったり生活習慣を整えたりして過ごすことが大切です。ただし、味覚障害の症状が2週間以上続くなど気になる症状がある場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関に相談しましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では新型コロナ後遺症外来を設置し、24時間365日後遺症に悩む患者さんの診療を行っています。予約はもちろん診療から薬の処方まで全てオンライン上で完結できるため、忙しくてクリニックに足を運ぶ時間がない方でも時間や場所に関係なく利用いただくことが可能です。気になることがある場合はお気軽にご相談ください。

その他の後遺症症状でお困りの方はこちらをご覧ください。

参考文献