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2025.06.17
#自費診療 #対象疾患

ウゴービの「飲み方」は存在しない?正しい使い方で効果を最大化する方法

ウゴービは2型糖尿病の治療薬としても知られている薬です。ダイエット効果が期待できる注射薬として注目を集めています。ウゴービは、体内で自然に分泌されるホルモンGLP-1と類似した働きをし、食欲を抑制、血糖値をコントロールすることで体重減少が期待されます。

ウゴービを使用する際は、正しい使い方を守ることが重要です。この記事では、ウゴービを正しく使うポイントやウゴービの効果を発揮しやすくする方法などを解説します。正しい知識を得て、適切な体重管理に役立ててください。

イーヘルスクリニック新宿院では、医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。ウゴービの自由診療にも対応しており、医師の診察にもとづいて適切な治療をご提案しています。

単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。

ウゴービは体重減少が期待できる自己注射薬

ウゴービはGLP-1受容体作動薬であり、体内で自然に作られるGLP-1というホルモンと似た働きをします。GLP-1は、食事をした後に腸から分泌されるホルモンです。すい臓からのインスリンの分泌を促し、胃の動きをゆっくりにし、食欲を抑える働きがあります。

ウゴービは、1週間に1回、患者さん自身で注射するお薬です。注射と聞くと抵抗がある方もいますが、注射針は細く、痛みが少ないように設計されています。ペン型の注射器なので、手軽に使うことができます。主な副作用は以下のとおりです。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛

吐き気などの他に、注射部位の反応(赤み、腫れ、かゆみ)が生じる場合があります。使用前に医師と副作用について十分相談してください。以下の方は、使用できません。

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 重篤な胃腸疾患のある方
  • 薬剤にアレルギーのある方

ウゴービは誰にでも使えるお薬ではありません。BMIが一定以上で、肥満に関連する健康上の問題を抱えている人が対象となります。条件を満たしていても、食事療法と運動療法を行い、それでも効果が不十分な場合にウゴービの使用が検討されます。

ウゴービを正しく使う5つのポイント

ウゴービを正しく使うために押さえておきたい5つのポイントは、以下のとおりです。

  • 週1回、決まった曜日・時間帯に注射する
  • 医師に指示された量を守る
  • 同じ部位に注射しないようにする
  • 使用済みのペンは医療廃棄物として処理する
  • ペンは絶対に他人と共有しない

週1回、決まった曜日・時間帯に注射する

ウゴービは週に1回、同じ曜日、同じ時間帯に注射することが大切です。人間の体は体内時計に支配されており、ホルモン分泌や代謝活動に日内変動があります。一定のリズムで薬剤を投与することで、薬の効果を安定させ、より効果的に作用させることが期待できます。

医師に指示された量を守る

ウゴービは、一人ひとりの体質や症状に合わせて、医師が適切な量を指示します。薬の量が多すぎると副作用が強く出てしまう可能性があり、少なすぎると十分な効果が得られない可能性があります。

ウゴービは、0.25mgから開始し、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mgと段階的に増量し、最終的に2.4mgまで増やすのが一般的です。段階的な増量は、体に薬剤を慣れさせ、副作用の発現を抑えるための工夫です。

同じ部位に注射しないようにする

ウゴービは、毎回同じ場所に注射すると、注射した部分が赤く腫れる、硬くなることがあります。同じ場所への注射による腫れなどを注射部位反応といいます。注射部位反応を防ぐためには、注射する場所を毎回変えることが重要です。ウゴービの注射部位は、以下のとおりです。

  • お腹
  • 太もも

複数の注射部位を順番に使い、同じ場所に続けて注射しないようにしましょう。

使用済みのペンは医療廃棄物として処理する

使用済みのペンには、まだ薬液が残っている場合がありますが、再利用はできません。けがや感染症を防ぐため、使用済みのペンは、医療廃棄物として適切に処理することが必要です。

針を安全に取り外すための機能が備わっているペンもあるので、適切な処理方法を医師や薬剤師に確認しておきましょう。クリニックによっては、使用済みのペンを回収してくれる場合もあるので、事前に確認しましょう。

ペンは絶対に他人と共有しない

ウゴービの注射ペンは、他人と共有してはいけません。家族であっても、ペンを共有することは感染症のリスクを高める可能性があります。血液を介した感染症のリスクを避けるため、使用済みの針は絶対に再利用せず他の人に触れさせないように注意してください。

ウゴービの効果を発揮しやすくする方法

ウゴービの効果を最大限に引き出し、健康的な生活を送るためには、患者さん自身の積極的な行動変容が不可欠です。ウゴービの効果を発揮しやすくする方法は、以下のとおりです。

  • 食事・運動習慣を見直す
  • 行動療法を取り入れる
  • 定期的な医師の診察を受ける

食事・運動習慣を見直す

栄養バランスの良い食事をとることは、健康的な減量を成功させるうえで重要です。食事のポイントは、以下のとおりです。

  • 規則正しい食事:1日3食、なるべく同じ時間に食事を摂る
  • 栄養バランス:三大栄養素、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する
  • ゆっくり咀嚼:一口30回を目安に噛むように心がける
  • 食物繊維を意識的に摂取:血糖値の上昇を抑え、満腹感を持続させる

運動のポイントは、以下のとおりです。

  • 無理なく続けられる運動を選ぶ
  • 日常生活の中で体を動かす
  • 週に150分以上の運動を目標にする
  • 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる

行動療法を取り入れる

行動療法は、生活習慣の改善に効果が期待できます。行動療法とは、問題となっている行動パターンを分析し、具体的な方法で改善していく治療法です。行動療法の例は、以下のとおりです。

  • 食事日記:自分の食行動を客観的に把握する
  • セルフモニタリング:自分の体の変化を把握し、モチベーションを維持する
  • 刺激コントロール:食欲を刺激するものを遠ざけることで、食べすぎを防ぐ
  • 認知再構成:ストレスと上手に向き合い、感情的な食べすぎを防ぐ
  • 問題解決:ストレスの原因を特定し、具体的な解決策を考える

定期的な医師の診察を受ける

医師の診察を受け、ウゴービの効果や副作用の出方、生活習慣の改善状況などを医師に報告し、適切なアドバイスを受けることができます。必要に応じて、他の治療法との併用を検討することも可能です。ウゴービの効果を最大限に発揮し、健康的に体重を減らすためには、医師と二人三脚で治療を進めていくことが何よりも重要です。

最近では、同様に注目を集めている治療薬に「マンジャロ(チルゼパチド)」があります。マンジャロは、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬という二重作用を持つ新しいタイプの薬で、血糖値のコントロールと体重減少の両方で高い効果が期待されています。

以下の記事では、マンジャロの詳しい減量効果や作用メカニズムについてわかりやすく解説していますので、治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。
>>マンジャロの減量効果について

ウゴービが適応となる人の特徴

ウゴービの適応となる方の特徴は、以下のとおりです。

  • BMIが27以上で糖尿病や高血圧などを有する
  • BMIが35を超える肥満である

BMIが27以上で糖尿病や高血圧などを有する

BMIとは、Body Mass Index(ボディマスインデックス)の略で、体重と身長から算出される肥満度の指標です。計算式は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。BMIの分類は、以下のとおりです。

  • 肥満(1度):BMIが25以上30未満
  • 肥満(2度):30以上35未満
  • 肥満(3度):35以上

BMIが27以上で、かつ糖尿病や高血圧といった健康障害を合併している場合、肥満が病気を悪化させている可能性が高いです。肥満に関連する健康障害には、以下の病気が該当します。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い状態)
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 脂肪肝
  • 心血管疾患
  • 腎臓病

最近の研究では、GLP-1受容体作動薬(ウゴービなど)などの薬剤が、心血管疾患などのリスクを減少させ、死亡率を低下させることが確認されています。ウゴービなどの薬剤は、血糖値や血圧、脂質レベルなどを改善する効果があり、肥満に関連する合併症の予防・治療に期待できます。

BMIが35を超える肥満である

BMIが35を超えると、健康への影響がより大きくなる可能性が高いため、積極的な治療介入が必要です。

高度な肥満症は、さまざまな合併症のリスクを高めます。糖尿病や高血圧、脂質異常症などの他に、心疾患、一部のがんなど、生命に関わるリスクも高まる危険な状態です。ウゴービは、重篤な合併症のリスクを減らす効果も期待できます。

ウゴービの処方が受けられる場所

ウゴービの処方が受けられる場所は、以下が挙げられます。

  • メディカルダイエット外来
  • 一部のオンライン診療
  • 一部の美容クリニック

メディカルダイエット外来

メディカルダイエット外来は、肥満治療に特化した医療機関です。医師による医学的な診断にもとづき、食事指導、運動指導、そして必要に応じて薬物療法を組み合わせた包括的なプログラムを提供しています。メディカルダイエット外来最大のメリットは、経験豊富な医師による綿密な健康状態のチェックを受けられることです。

肥満はさまざまな生活習慣病のリスクを高めます。自覚症状が少ないまま進行し、心筋梗塞などの生命に関わる事態を引き起こす可能性もあるため、医師による適切な指導と管理が大切です。定期的な診察を通して、ウゴービの副作用の早期発見や治療効果の確認も行われます。

ウゴービを用いたダイエットは通院が必要なので、時間に余裕がない方には負担となる場合もあります。肥満症以外での処方は自由診療になるため、費用が高額になる可能性もあります。時間的・金銭的な負担と、期待する効果を医師とよく相談してから治療を始めましょう。

当院では、患者様の負担を抑えるため、0.25〜1.0mgを下記の料金でご提供しています。

含有量 1か月あたりの価格(税込)
0.25mg 15,400円
0.5mg 24,200円
1.0mg 25,200円

※初診3,300円、再診1,100円が別途必要です。

一部のオンライン診療

オンライン診療は、自宅や職場など、インターネットに接続できる環境であればどこからでも受診できるため、通院の負担を軽減できます。地方在住の方や、仕事などで忙しい方にとって、オンライン診療は便利な選択肢になります。

オンライン診療では、ビデオ通話などで医師とコミュニケーションを取ります。通院にかかる時間や交通費を節約できます。オンライン上で行われる診察は、以下のとおりです。

  • 問診
  • 診察
  • 検査結果の説明
  • 処方箋の発行

オンライン診療だけでは医師が患者さんの状態を直接確認できる機会が限られるというデメリットがあります。オンライン診療のみでウゴービの処方が適切かどうかは、医師の判断によるため、対面での診察が必要になるケースもあります。オンライン診療に対応している医療機関はまだ限られているため、事前に確認が必要です。

一部の美容クリニック

ウゴービは医師の診断にもとづいた医療用医薬品です。美容目的での使用は適応外使用となり、保険適用外となります。必ず適切な医学的評価を受けたうえで、治療目的での使用を検討してください。美容クリニックでは、患者さんの希望やライフスタイルに合わせて、さまざまな治療オプションを提供しています。

美容クリニックでウゴービを処方してもらうメリットは、美的な観点からのアドバイスも受けられる点です。肥満治療は、体重を減らすだけでなく、体型を整え、より美しくなることも目的の一つです。患者さんの理想とする体型に近づくためのサポートを受けることができます。

美容目的のウゴービの使用は保険適用外となるため、高額な費用がかかる場合があります。費用は前もって確認しておきましょう。

どの医療機関でウゴービの処方を受ける場合でも、医師とよく相談し、ご自身の状態に合った治療法を選択することが重要です。ウゴービは高い効果が期待できる薬ですが、副作用のリスクも存在します。安全に治療を進めるためには、医師の指示に従い、定期的な診察を受けることが不可欠です。

まとめ

受付

ウゴービは週1回同じ曜日・時間帯に注射し、医師の指示された量を守り、注射部位を変えながら使用することが大切です。使用済みペンは医療廃棄物として処理し、他人と共有することは避けましょう。効果を高めるには、食事・運動習慣の見直しと行動療法が重要です。

ウゴービはBMI27以上で肥満に関連する健康障害がある、BMI35以上の肥満の方が対象です。処方はメディカルダイエット外来、オンライン診療、一部の美容クリニックで可能ですが、費用や注意点を確認し、医師と相談のうえで最適な方法を選びましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、肥満症治療に特化した「医療ダイエット外来(肥満外来)」を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。

当院の医療ダイエット外来(肥満外来)は、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。

以下の記事では、来院治療に加えてオンライン診療でも受診可能な肥満外来について詳しく解説しています。
>>肥満外来(医療ダイエット外来)~来院治療に加え、オンライン診療でも受診可~

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参考文献

Qingyang Shi, Kailei Nong, Per Olav Vandvik, Gordon H Guyatt, Oliver Schnell, Lars Rydén, Nikolaus Marx, Frank C Brosius 3rd, Reem A Mustafa, Arnav Agarwal, Xinyu Zou, Yunhe Mao, Aminreza Asadollahifar, Saifur Rahman Chowdhury, Chunjuan Zhai, Sana Gupta, Ya Gao, João Pedro Lima, Kenji Numata, Zhi Qiao, Qinlin Fan, Qinbo Yang, Yinghui Jin, Long Ge, Qiuyu Yang, Hongfei Zhu, Fan Yang, Zhe Chen, Xi Lu, Siyu He, Xiangyang Chen, Xiafei Lyu, Xingxing An, Yaolong Chen, Qiukui Hao, Eberhard Standl, Reed Siemieniuk, Thomas Agoritsas, Haoming Tian, Sheyu Li.Benefits and harms of drug treatment for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials.BMJ,2023,381,,e074068

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