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アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりすることを繰り返す病気です。多くは子どもの頃に発症し、年齢が上がるにつれて改善していくといわれています。しかし中には、大人になっても症状が続いて成人型アトピー性皮膚炎に移行する人や、思春期あるいは大人になってから発症する人もいます。日本で大人のアトピー性皮膚炎が多いのは20歳代・30歳代で、また40歳代以上に比べて症状が重い人の割合も高いことが報告されています。
本記事では、大人のアトピー性皮膚炎の原因に加え、症状の特徴や治療法について解説します。
大人か子どもかにかかわらず、アトピー性皮膚炎の主な原因はアトピー素因(体質)と皮膚のバリア機能の低下です。
皮膚のバリア機能とは、皮膚の水分を保ち、外部から異物が侵入するのを防ぐ仕組みのことをいいます。バリア機能が低下すると皮膚が乾燥し、アレルギー反応を起こす物質である“アレルゲン”が侵入しやすくなり、炎症が生じて湿疹ができると考えられています。
アレルゲンにはさまざまなものがあり、年齢によって原因となるアレルゲンはやや異なります。中でも大人の場合は、ハウスダスト(ダニ、ダニの死骸、ペットの抜け毛など)や花粉など“環境アレルゲン”と呼ばれるものが関わっていることがあります。
また、アトピー性皮膚炎の症状にかゆみがありますが、その悪化因子として、アレルゲンのほかに温度、空気の乾燥、唾液、汗、髪の毛との接触、衣類(ウール)との摩擦、化粧品、香料、金属、精神的ストレス、食べ物、さらには飲酒や風邪などが知られています。
アトピー性皮膚炎の症状は大人も子どもも同じです。
しかし、湿疹が出る場所は年齢によって特徴があり、思春期以降は、顔、首、胸、背中など上半身に湿疹が強く出る傾向があります。人によっては、顔から首にかけて湿疹が強く出る“顔面型”や、かゆみの強い盛り上がった湿疹が胴体や手足に出る“痒疹型”、重症化して皮膚の赤みが全身に広がる“紅皮症”といった特徴がみられることもあります。
治療の基本は、(1)薬物療法(2)スキンケア(3)悪化因子を見つけて対策するという3つです。大人も子ども治療法は同じですが、大人のアトピー性皮膚炎を対象にした飲み薬や注射薬が登場しています。
薬物療法は、アレルギー反応による炎症を抑える塗り薬が中心です。炎症が改善すると、皮膚のバリア機能が今以上に低下することが抑えられ、また、かゆみも和らぐため、かいてしまうことによる湿疹の悪化を防ぐことも期待できます。
症状が強い場合には飲み薬が処方されることもあります。大人の患者さんでは、炎症を抑える新しい飲み薬や注射薬の処方も可能になっています。
アトピー性皮膚炎の治療で、最初に使われる基本の塗り薬はステロイド薬です。
ステロイド薬にはさまざまな強さのものがあり、湿疹の重症度により使い分けます。決められた量を決められた期間使用することによって湿疹が軽減し、薬を塗る量や範囲を少なくしたり、より弱いステロイド薬に変えたりすることが可能になります。
ステロイド薬は、長く使っていると塗っている場所の毛細血管が広がる、皮膚が薄くなるなどの副作用があるため心配する人も多いようですが、多くは適切な処置によって回復します。気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。
ほかに、免疫反応に作用して炎症を抑える免疫抑制薬のタクロリムス水和物軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)、新しいタイプの抗炎症薬であるデルゴシチニブ軟膏(外用JAK阻害薬)やジファミラスト(外用PDE4阻害薬)などがあり、ステロイド薬で十分な効果が得られないときや、副作用などでステロイド薬が使えないときなどに使用が検討されます。
症状が強い場合は、かゆみを和らげる抗ヒスタミン薬や、炎症を抑えるステロイド薬の飲み薬が処方されることもあります。また、大人の患者さんで通常の治療法でなかなか効果が得られない最重症の場合には、免疫反応に作用して炎症を抑えるシクロスポリンという薬やバリシチニブという薬も使用可能で、効果が期待できます。
従来の治療法では効果が不十分な大人のアトピー性皮膚炎に対して、注射薬が検討されることもあります。炎症を抑える効果があり、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみなどの症状を改善するとされています。
保湿と皮膚の清潔を保つことが大切です。保湿剤を塗って皮膚の潤いを回復させると皮膚のバリア機能が改善し、シャワー浴や入浴で皮脂汚れや汗、細菌などを洗い流すと湿疹やかゆみの悪化を防ぐことが期待できます。
湿疹やかゆみを悪化させる因子は人によって異なります。薬物療法とスキンケアで湿疹を改善しながら、医師とともに自分の悪化因子を探り、それを避けるためのアドバイスを受けて生活することも大切な治療の1つです。
大人のアトピー性皮膚炎は環境アレルゲンが関わることがあり、飲酒などが悪化因子となります。しかし、適切な薬物療法で炎症やかゆみを抑え、スキンケアや、悪化因子を避ける生活を続けることで症状のない状態を保つことができます。
湿疹やかゆみは生活の質(QOL)を低下させやすいため、疑問や不安があれば医師に相談しましょう。