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アモキシシリン(アモキシシリン水和物)とは、ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、腸球菌、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマといった細菌などの増殖を邪魔する“殺菌作用”が期待できる抗菌薬です。主に感染症の治療で使われます。
ワイドシリン、サワシリン、パセトシンといった薬のジェネリック医薬品であり、アモキシシリンカプセル125mg、250mg、アモキシシリン細粒10%、20%がさまざまなメーカーから製造販売されています。
アモキシシリンが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。
など
アモキシシリンには細粒とカプセルがあり、薬のタイプや病気、年齢によって使用方法が異なります。以下では成人の場合の一般的な使用法を病気ごとに解説します。
細粒、カプセルともに1回250mgを1日3~4回服用します。なお、年齢や症状によって適宜増減することがあります。
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、飲食物を通して感染することがある細菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍(胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、痛みや吐血、下血などの症状が現れる病気)の発生に関連すると考えられています。衛生環境が整った現代では感染率が低くなっていますが、60歳以上では60%以上の人が感染しているともいわれています。
ピロリ菌の感染による胃潰瘍、十二指腸の場合は、アモキシシリン細粒200mg(細粒20%1包分)とクラリスロマイシン、ランソプラゾール(またはラベプラゾールナトリウム)の3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。
ピロリ菌の感染や、感染による胃炎がある場合は、アモキシシリンカプセル750mg(250mgを3錠分)とクラリスロマイシン、プロトンポンプインヒビターの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。
また、これだけでピロリ菌の除菌ができなかった場合は、アモキシシリンカプセル750mgとメトロニダゾール、プロトンポンプインヒビターの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。
アモキシシリンでは、以下のような方の使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。
など
など
アモキシシリンでは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。
ワルファリンカリウムの作用が強くなり、ビタミンKの産生が抑制されることがあります。
経口避妊薬の効果が弱くなることがあります。
アモキシシリンの血中濃度が増加することがあります。
アモキシシリンの服用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
頻度は不明ですが、アモキシシリンの服用中に以下のような重大症状が現れることがあります。服用の中止や適切な処置が必要となるため、気になる症状がある場合は急ぎの受診を検討しましょう。
不快感や口内の異常感、喘鳴(呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒュー音がする)、めまい、便意、耳鳴り、発汗などの症状がみられることがあります。
以下のような皮膚の異常が現れることがあります。
皮膚や粘膜に赤い斑点や水ぶくれが生じる、膿がたまっている、皮膚の緊張感や灼熱感、疼痛といった皮膚の異常のほか、発熱や頭痛、関節痛などがみられることがあります。
血小板が減少すると皮下出血やあざがみられることがあります。
肝障害、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、AST(GOT)、ALT(GPT)といった肝機能の指標となる数値の上昇などが現れることがあり、定期的に検査を行う場合もあります。
むくみや吐き気、食欲低下、全身の倦怠感などの症状がみられることがあります。
血便、腹痛、頻回な下痢などがみられることがあります。
咳や呼吸困難、発熱などの症状がみられることがあります。
発熱や頭痛、悪心、嘔吐、意識混濁などの症状がみられることがあります。
ここにある症状が全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。