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2022.12.28

男性更年期障害の漢方薬治療~治療に用いられる漢方薬や飲み方・副作用について解説~

男性更年期障害とは、加齢とともに男性ホルモン(テストステロン)が減少することで、体がだるい、やる気が出ない、ほてりを感じるなどの更年期症状が出ることです。男性ホルモンはストレスや睡眠不足などによって減少することもあるため、治療の基本は生活習慣の改善で、必要に応じて漢方薬などが処方されることもあります。今回は、男性更年期障害の治療に用いられる漢方薬や、漢方薬の飲み方、副作用などについて解説します。

男性更年期障害の治療に用いられる主な漢方薬

補中益気湯ほちゅうえっきとう

男性更年期障害の症状が軽い場合は、補中益気湯が処方されることがあります。主に、食欲不振、胃下垂、陰萎いんい(十分に刺激を受けても勃起しない)の治療や病後の体力増強目的として使われる漢方薬であり、通常は消化機能が落ちている、手足に倦怠感を覚えるといった虚弱体質の方に処方されます。男性更年期障害の治療においては、元気を補って男性ホルモンをサポートすることが期待できます。

八味地黄丸はちみじおうがん

八味地黄丸は、男性更年期障害によるさまざまな不調(不定愁訴ふていしゅうそ)に対して処方されることがある漢方薬です。疲れを感じやすい、手足が冷えるなどの症状に用いられることが多く、通常は腰痛や下肢痛、しびれなどの治療に使われます。

老化によるさまざまな症状の緩和が期待できるため、加齢による男性ホルモンの減少で体のだるさなどを感じる男性更年期障害の治療にも用いられます。

柴胡加竜骨牡蠣湯さいこかりゅうこつぼれいとう

柴胡加竜骨牡蠣湯は、不安、イライラ、動悸などの治療に使われる漢方薬ですが、テストステロンの低下を改善する効果も期待できます。通常は比較的体力があって、不眠やいらだちなどの精神症状が起こっている方に処方されます。

漢方薬の飲み方

漢方薬は食前(食事の30分ほど前)か食間(食事と食事の間)の空腹時に飲むのが基本です。ただし、空腹で飲むと胃もたれなどを感じるときや、食前・食間に飲み忘れた場合は食後に飲んでもかまいません。

顆粒製剤を処方された場合は、カップ半分くらいのお湯に溶かして飲んだほうが、有効成分が吸収されやすくなるといわれていますが、仕事先などでお湯に溶かして飲むのが難しい場合は、溶かさずにそのまま飲んでもよいとされています。

一般に、漢方薬と西洋薬は併用しても問題はないとされていますが、飲み合わせに注意が必要なものもあります。服用中の西洋薬がある場合は、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。

なお漢方薬は、効果を感じるまでに数週間から数か月程度の時間がかかることがあります。なかなか効果を感じないからといって、自己判断で服用量を増やすのは避けましょう。飲み忘れたからといって、2回分を1度に飲むことも避ける必要があります。

漢方薬の副作用

漢方薬には副作用がないと思っている方もいますが、漢方薬でも副作用が出る可能性はあります。漢方薬の副作用でもっとも多くみられるのは、胃もたれ、食欲低下などの胃腸症状です。人によっては薬疹などのアレルギー症状が出ることもあります。

ただし、漢方薬は西洋薬よりも副作用が出る頻度が少なく、症状も軽度であることが一般的です。

また、漢方薬による胃腸症状は、食前・食間の服用を避けて食後の服用に変えたり、1回に飲む量を減らしたりすると改善する可能性があるため、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。

男性更年期障害かな? と思ったら医師に相談を

男性でも加齢によって男性ホルモンが減少することで更年期症状が出ることがあります。男性更年期障害の治療の基本は生活習慣の改善ですが、必要に応じて漢方薬や抗うつ薬、ED治療薬などが処方されることもあります。

男性更年期障害の症状に効果があるとされている漢方薬は、補中益気湯や八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蠣湯などです。また、症状がひどい場合は、テストステロン補充療法などの治療が必要なこともあるので、気になる症状がある場合は受診を検討するとよいでしょう。

イーヘルスクリニック新宿院では男性更年期障害の診療を行なっています。一口に男性更年期障害といっても症状や重症度は患者さんによって異なり、治療方針も同じとはいえません。当クリニックでは丁寧な問診から、一人ひとりにあった治療を提案します。不安や疑問があればお気軽にご相談ください。

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