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2023.02.08

脂質異常症と脳梗塞の関係とは?~メカニズムや予防法について解説~

脂質異常症とは、血液中の脂質が異常値になる病気のことです。脂質異常症は生活習慣病の1つであり、日本国内の患者数は220万人以上とされています。発症しても自覚症状はほとんどありませんが、放っておくと脳梗塞(のうこうそく)の発症リスクを上げることが分かっています。

今回は、脂質異常症と脳梗塞の関係や症状、注意点について詳しく解説します。

脂質異常症が原因で脳梗塞を発症することも

脂質異常症は血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が異常値になる病気ですが、発症しても自覚症状はほとんどありません。しかし、長年にわたって放置すると、時に脳梗塞を引き起こすことがあります。

脳梗塞は脳の血管が詰まることで脳に深刻なダメージが及ぶ病気で、時に命に関わる状態です。ダメージを受ける場所によって異なりますが、手足が動かなくなったり、痺れたり、うまく話せなくなったりするなどの症状が突然現れます。時間の経過とともに脳へのダメージは広がり、時に麻痺などの後遺症が残ることもあります。このような事態を防ぐためにも、脂質異常症の予防に努めることが大切です。

脂質異常症はなぜ脳梗塞の発症リスクとなるのか

脂質異常症は動脈硬化を引き起こす

脳梗塞の原因はいくつかありますが、もっとも多いのは脳の血管に動脈硬化が生じることとされています。動脈硬化は、本来なら柔らかく弾力性がある血管が硬くなり、内部が狭くなる病気のことです。動脈硬化の原因は多岐にわたりますが、脂質異常症もその1つとされています。

脂質異常症になると、血管の壁に余分な脂質がくっついてたまりやすくなります。たまった脂質は時間がたつと硬くなって血管の壁はどんどん厚くなっていき、最終的には脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

どれくらいの数値が危険ラインか

血液中の脂質には、中性脂肪やいわゆる悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロール、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールなど、いくつもの種類があります。脂質異常症はこれらの数値が異常値となる病気です。

研究の結果、総コレステロール値が240mg/dL以上、LDLコレステロール値が160mg/dL以上、中性脂肪値が150mg/dL以上の場合、脳梗塞になりやすくなることが分かっています。健康診断などで異常値を指摘された場合は注意しましょう。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症の診断基準は以下のとおりです。

Non-HDLコレステロールとは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた、HDLコレステロール以外のコレステロールのことをいいます。動脈硬化を促すリポ蛋白を総合的に評価できる指標として、近年ガイドラインに導入されました。

脂質異常症はさまざまな検査などを踏まえ、動脈硬化の危険因子の個数や冠動脈疾患発症リスクから“低リスク”“中リスク”“高いリスク”の3つに分けて、治療方針が決定されます。なお、境界域高LDLコレステロール血症および境界域高non-HDLコレステロール血症は冠動脈疾患の危険因子などを踏まえ、治療の必要性が検討されます。

脂質管理目標値

どのリスク群の場合でも、まず一次予防として生活習慣の改善を図り、上の図表にある脂質管理目標値を目指します。そして、3〜6か月後に効果がみられなかった場合に薬物治療を考えます。なお、低リスクであっても、LDLコレステロールが180mg/dL以上を持続している場合には薬物療法を考慮します。

また、脂質異常症を発症している方は高血圧や糖尿病など、ほかの生活習慣病を発症していることもあります。3つ以上の生活習慣病がある方は、生活習慣病がない方に比べて平均寿命が15歳ほど短いというデータもあります。健康診断でいくつかの異常を指摘されたことがある方やいくつかの生活習慣病と診断されている方は注意が必要です。

脂質異常症からの脳梗塞を予防する方法

脂質異常症は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞のリスクを高める可能性があります。しかし、心がけによってリスクを減らすことが可能です。

脂質異常症から脳梗塞の発症を予防するにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

生活習慣を見直す

脂質異常症の多くは、偏った食事や過度な飲酒、運動不足など生活習慣の乱れが原因で引き起こされます。脂質異常症の予防や改善には生活習慣を見直すことが大切です。具体的にどのようなことに注意すればよいか分からない場合は、医師や管理栄養士に相談するようにしましょう。

「脂質異常症の食事」について詳しくはこちら

適切な治療を続ける

脂質異常症は生活習慣を改めることでよくなることもありますが、中には治療が必要になるケースもあります。

脂質異常症の治療では、主に血中の脂質を下げる効果が期待できる薬を使用します。薬を中断すると脂質が元に戻ってしまうこともあるため、医師の指示に従って薬の服用を続けるようにしましょう。

「脂質異常症の薬」について詳しくはこちら

脂質異常症から脳梗塞への進行に要注意! 正しい対策を

脂質異常症は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞の発症リスクを高めることが分かっています。脳梗塞は麻痺などの後遺症を残し、重症なケースでは命を落とすことも珍しくない病気です。脂質異常症と診断された場合、健康な生活を長く続けるためには脳梗塞への進行をしっかりと予防していく必要があります。

eHealth clinicでは脂質異常症の診療を行っており、患者様一人ひとりに合った治療を提案します。忙しい方でも気軽に相談できるようにオンライン診療も対応し、どのような方でもかかりやすいクリニックでありたいと考え診療を行っています。ご不安なことがあればいつでもご相談ください。

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