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LDL-コレステロールは“悪玉コレステロール”とも呼ばれ、肝臓でつくられたコレステロールを体の隅々に運ぶはたらきをします。
コレステロールは細胞やホルモンの材料になるもので、その運搬はとても重要です。ただし、LDL-コレステロールは増えると血管の壁に沈着し蓄積してしまいます。すると、血管の壁で炎症を起こして血管の内側の壁を傷つけることで、血管が硬く脆い状態(動脈硬化)を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気の発症を促すと考えられています。
そのため、LDL-コレステロールの値を調べることは動脈硬化に関わる病気のリスクを知る手がかりとなるのです。
LDL-コレステロールが増える主な原因には、食べ過ぎや飲み過ぎなどの食生活や、運動不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣が挙げられます。そのため、LDL-コレステロールを下げるには、このような生活習慣を改善することが重要なポイントになります。
LDL-コレステロールの検査は採血によって行われます。
職場などで行われる一般的な健康診断では、血液検査の検査項目の1つに入っていることが一般的です。また、気になる症状がある場合、医師の判断のもと保険適用でLDL-コレステロールを含む血中の脂質の数値を検査する場合もあります。
採血を行う際に、注射による痛みを感じることがあります。
また、LDL-コレステロールの数値は食事の影響を受けることもあるので、検査前日は夜遅くまでの食事やアルコールの摂取を控えるようにしましょう。通常、12時間以上絶食した後、早朝の空腹時に採血が行われます。詳しくは検査を受ける医療機関の指示に従うようにしましょう。
LDL-コレステロールの数値が基準値内でも、引き続き定期的に健康診断を受けるようにしましょう。なぜなら、LDL-コレステロールの数値が高くなっても目立った自覚症状が出ないためです。気付かないうちに動脈硬化を進行させないためにも、健康診断の受診は重要です。
基準値よりも高い場合は、高LDLコレステロール血症と診断されます。これは動脈硬化を招く恐れのある状態を指します。そのため、数値を改善する治療が行われます。
境界域高LDLコレステロール血症と診断されます。値自体は基準内に収まっていますが高い数値ではあるため、ほかのリスクや病気を抱えていないかの確認が行われます。
具体的には、肥満や喫煙歴、糖尿病や高血圧の有無などです。その状況から、特定保健指導や治療を行うかどうかが判断されます。
健康診断などで指摘された場合、受診を検討しましょう。高LDLコレステロール血症の場合は適切な治療が必要となります。そのため、医師や看護師、管理栄養士などの説明を十分に聞き、自分の体の状況を把握することが重要です。
もちろん、基準値を超えているというだけで、すぐに治療開始となるわけではありません。境界域と同様、ほかのリスクもチェックしたうえで治療方針などが判断されることが一般的です。
しかし、LDL-コレステロールが“悪玉コレステロール”と呼ばれていることからも分かるように、この数値が高い人は注意が必要です。 LDL-コレステロールの数値が高いだけでは特に自覚症状が現れないといわれていますが、前述のとおり必要以上に増えると命にかかわる病気の発症につながりかねません。
そのため、健康診断で指摘された場合は特定保健指導や受診相談など、医療者のアドバイスが受けられる機会を積極的に利用しましょう。