性感染症(STI)は、年齢や性別に関係なく、誰にでも起こり得る身近な健康リスクです。初期段階では自覚症状がほとんどない、あるいはまったく現れないケースも多く、自分でも気づかないうちに症状が進行したり、パートナーに感染を広げてしまう恐れがあります。
淋菌感染症やクラミジア感染症は、不妊の原因となることがあり、梅毒は治療せずに放置すると、心臓や中枢神経系に重い合併症を引き起こすことがあります。また、HIV感染症は継続的な医療管理と治療が求められる疾患です。
多くの性感染症は、早期の診断と適切な処置によって、症状の軽減や治癒が期待できます。本記事では、性感染症からご自身とパートナーを守るために重要なポイントについてご紹介します。
当院は、新宿三丁目駅からわずか1分の距離にあり、来院またはオンライン診療であなたの健康に対応します。性感染症の治療・予防やED治療だけでなく、保険診療にも対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
何か疑問や不安がある場合は、遠慮なく当院にご相談ください。皆様の健康と安全を第一に考え、全力でサポートいたします。
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目次
性感染症は、早期に発見して適切な医療を受けることで、多くの場合、症状の緩和や完治が見込めます。治療を受けずにそのままにしておくと、自分自身の健康だけでなく、パートナーにも深刻な影響を及ぼす可能性があります。症状が軽度だったり、まったく自覚がなかったりしても、油断せずに早めの検査と対応を心がけることが大切です。
治療を怠ることで、将来妊娠を望む際に不妊のリスクが高まる恐れがあるほか、放置した結果として重篤な合併症を引き起こし、生命に関わる事態に発展することもあります。少しでも感染の疑いがある場合は、放置せず、速やかに医療機関で相談・検査を受けるようにしましょう。代表的な性病や症状は以下のとおりです。
淋病は「淋菌」と呼ばれる細菌の感染によって発症する性感染症の一種です。この感染症を適切に治療せず放置した場合、男性では尿道に炎症が生じる尿道炎や、精巣上体に炎症が起こる副睾丸炎(精巣上体炎)を引き起こすことがあります。一方、女性では子宮頸部に炎症を生じる子宮頸管炎や、卵管にまで炎症が及ぶ卵管炎などが見られ、これらが不妊の原因となる可能性があります。
淋菌は性器だけでなく、目や咽頭にも感染することがあり、特に眼に感染した場合には淋菌性結膜炎を発症し、重度の視力障害を引き起こすおそれがあります。早期の診断と治療が極めて重要です。
クラミジアは「クラミジア・トラコマチス」という細菌によって引き起こされる性感染症です。症状がはっきりしない場合も多く、知らないうちに進行してしまうことがあります。淋病と同様に、治療をせずに放置すると不妊につながるリスクが高くなります。
女性が感染した場合、子宮外妊娠や慢性的な骨盤内の痛みの原因となることがあり、特に妊娠中に感染していると、分娩時に新生児へ感染が及ぶ可能性もあります。その結果、赤ちゃんが結膜炎や肺炎を発症することもあります。
男性では、尿道に炎症を起こし、排尿時に痛みや違和感を伴ったり、尿道から透明〜白っぽい分泌物や膿が出るといった症状が現れることがあります。ただし、多くのケースで明確な症状が出ないまま感染が進行するため、気づきにくい点が問題となります。
感染を放っておくと、精子の通り道である精巣上体に炎症が起こる精巣上体炎を発症することがあり、強い痛みや腫れを引き起こし、まれに不妊の原因にもなります。慢性前立腺炎や尿道が狭くなる「尿道狭窄」など、その他の合併症に進展するリスクもあります。
梅毒は「トレポネーマ・パリダム」という細菌によって引き起こされる性感染症です。感染の初期には、性器のまわりにしこりや潰瘍のような病変が見られることがありますが、痛みを伴わないことが多く、本人も気づかずに放置してしまうことがあります。
適切な治療を受けずに経過すると、数年後に心臓や脳、神経系にまで障害が広がり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。早期の診断と医療的対応が極めて重要です。
以下の記事では、梅毒の進行ステージごとの症状や、早期発見・治療の重要性、治療の流れや完治までの期間について詳しく解説しています。症状に心当たりがある方や予防を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
>>梅毒の初期症状から完治するまで!見逃せない兆候と治療の流れを解説
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」というウイルスによって引き起こされる性感染症であり、体の免疫機能に深刻なダメージを与えるウイルスです。このウイルスが体内で増殖を続けると、免疫力が次第に低下し、やがてエイズ(後天性免疫不全症候群:AIDS)を発症するおそれがあります。
エイズの状態になると、本来であれば感染しにくい病原体による日和見感染症や腫瘍などを引き起こし、命に関わるケースもあります。HIVの感染経路には、性的接触を介したもののほか、感染した血液との接触や、母子間の感染(出産時・授乳時など)があります。
以下の記事では、HIV感染の初期にみられる可能性がある症状や、早期発見のために適した検査のタイミング、感染のリスクを高める行動例などについて詳しく解説しています。HIVについての理解を深め、正確な知識と予防策を身につけることで、自分自身と周囲の人々の健康を守ることができます。
>>HIVの初期症状を見逃さない!感染する可能性と早期発見のポイントを解説
性病の早期発見・治療のポイント5つは以下のとおりです。
性感染症(STD・STI)の初期に見られる症状は、その疾患の種類によって異なります。中には感染してもまったく症状が現れないケースもあり、気付きにくいのが特徴です。わずかな体調の変化であっても見逃さず、注意を払うことが大切です。
こうした症状は他の病気でも見られる可能性があるため、自己判断に頼るのではなく、早めに医療機関で診察を受け、正確な検査を受けることが重要です。クラミジアや淋菌感染症の初期症状は、男女によって異なる傾向があります。女性の初期症状は、以下のとおりです。
男性の初期症状は以下のとおりです。
梅毒の初期症状では、感染した部位(性器や口、肛門など)に硬いしこりや潰瘍(皮膚や粘膜がただれる状態)が現れるのが典型的です。HIV感染症の初期症状には、以下のようなものがあります。
HIVに感染しても、風邪に似た症状が一時的に出る程度で、その後は無症状のまま経過することも多く、本人が気づかずに放置してしまうこともあります。
性感染症を早い段階で見つけるには、検査の実施が欠かせません。性行為のあとに少しでも感染の可能性があると感じた場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、必要な検査を受けるようにしましょう。
検査の方法には、尿を用いたもの、血液を採取するもの、感染が疑われる部位の分泌物を調べる方法など、複数の種類があります。どの検査を行うかは、医師が症状や状況を見極めたうえで判断します。
感染が早期に発見されれば、その分早く治療を始めることができ、症状の進行を防ぎやすくなります。治療が遅れると、自身の健康に対するリスクが高まるだけでなく、パートナーへの感染リスクも増加します。自分自身と身近な人を守るためにも、できるだけ早い段階での検査と治療を心がけましょう。
性感染症の治療法は、感染の原因となっている病原体の種類によって異なります。淋菌やクラミジアに対しては抗生物質の服用や注射による治療が一般的であり、梅毒にも抗菌薬が使用されます。ただし、梅毒は進行の程度によっては治療期間が長くなることもあります。
HIVに関しては、抗レトロウイルス薬(ART)による治療が行われ、体内でのウイルスの増殖を抑えることで免疫機能の低下を防ぎます。HIVは現時点で完治は困難ですが、継続的な治療により、日常生活を健康に維持することが可能です。
いずれの性感染症においても、市販の薬を自己判断で使ったり、医師の指示を無視して治療を中断したりすることは危険です。治療の中断は、薬剤耐性のある菌の出現を招くおそれがあり、症状の再発や治療の困難化につながる可能性があります。必ず医師の指導に従い、処方された治療を最後まで受けることが大切です。
性感染症は、一方が治療を受けても、もう一方が未治療のままだと、再び感染し合う「ピンポン感染」という状態に陥ることがあります。そのため、自分に感染が確認された場合には、パートナーにも検査と必要な治療を受けてもらうことが極めて重要です。
パートナーが治療を受けていないと、再感染のリスクが残るだけでなく、本人が気づかないうちに他者へ感染を広げてしまうおそれもあります。感染の拡大を防ぎ、お互いの健康を守るためにも、カップルで一緒に対応していくことが求められます。
性病は、一度治癒しても、再び感染する可能性があります。複数の相手と性行為をしている場合は、定期的に検査を受けることをおすすめします。定期的な検査は、早期発見・早期治療につながるだけでなく、感染を広げるリスクを減らします。
性病は、適切な予防を行うことでリスクを大幅に減らすことができます。主な予防法として、以下が挙げられます。
無自覚の感染を防ぐためにも自分とパートナーの健康を守る意識を持ち、リスクを軽減する行動を心がけましょう。
コンドームは、正しく用いることで、性感染症を含むさまざまな感染症の予防に効果が期待できる手段です。淋菌感染症やクラミジア感染症、梅毒、HIVなどの性感染症に対して、感染リスクを低減することができます。
適切にコンドームを使用するためには、毎回、新品を使うことが基本です。一度使用したものは、見た目に異常がなくても衛生的な観点から再利用してはいけません。使用前にはパッケージに破損や穴がないか、使用期限が切れていないかを必ず確認しましょう。
装着時には、爪や歯などでコンドームを傷つけないよう細心の注意が必要です。鋭いものによる損傷があると、強度が落ちて性行為中に破れてしまうリスクが高くなります。コンドームは勃起した状態で装着し、装着時には先端を軽くつまんで空気を抜くことで、破損のリスクを軽減できます。
性行為の終了後は、ペニスがまだ勃起しているうちに、速やかにコンドームを外すことが大切です。萎縮してから外そうとすると、コンドームがうまく抜けず、精液が漏れ出す可能性があるため注意が必要です。
正しい装着方法を理解し実践することで、避妊効果も高まり、感染症の予防効果も向上します。パートナーと協力しながら、正しい使い方を習慣づけることが、健康を守る第一歩となります。
定期的に性感染症の検査を受けることは、自覚症状のない感染を早期に見つけるための効果的な方法です。症状が現れにくい性感染症も少なくないため、定期的な検査によって、重症化する前に適切な治療を始めることができます。
早期に感染を把握して対応することで、パートナーへの感染を未然に防ぐことにもつながります。こうした観点からも、定期的な検査は自分自身と大切な人の健康を守るうえで欠かせません。
検査は、保健所や各種医療機関で受けることができます。費用や検査方法、結果が出るまでの所要日数などについては、利用を検討している医療機関への事前の確認をおすすめします。
性病の予防には、コンドームの正しい使用や定期的な検査だけでなく、健全な性生活を心がけることも重要です。信頼できるパートナーとの性行為を心がける、性行為の相手を限定するなど、性行為に関する行動を見直すことも予防につながります。
性病は放置すると、淋病やクラミジアによる不妊症、梅毒による神経や心臓への影響、HIV感染によるエイズ発症など、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。性病について正しい知識や予防に努め、健全な性生活を送るようにしましょう。
その予防策の一つとして注目されているのが「Doxy PEP(ドキシペップ)」です。以下の記事では、性感染症のリスクを大幅に軽減するDoxy PEPについて、効果や使用方法、副作用などの全知識をわかりやすく解説しています。
>>Doxy PEP(ドキシペップ)による性病予防!効果や副作用について徹底解説
性病は早期発見・早期治療が重要です。放置すると不妊症や合併症のリスクが高まる可能性があるため、心配な症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。
淋病やクラミジア、梅毒、HIVなど、さまざまな性病について、症状や治療法、予防法を理解し、自分自身の健康を守ることが大切です。コンドームの正しい使用、定期的な検査、健全な性生活を心がけ、大切なパートナーと将来の幸せを守りましょう。
当院の別ブランドである「新宿予防クリニック」はHIV・梅毒・クラミジアなどの性感染症予防に特化した、自由診療のオンラインクリニックです。
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Chelsea L Shannon, Jeffrey D Klausner. The growing epidemic of sexually transmitted infections in adolescents: a neglected population. Current Opinion in Pediatrics, 2018, 30(1), p.137-143.