クラミジアは、性感染症の中で最も感染者数が多い病気です。自覚症状がないまま進行することも多く、知らないうちに深刻な合併症を引き起こすリスクも潜んでいます。不妊症や子宮外妊娠といった、将来の人生設計に大きく影響する可能性もあります。この記事では、クラミジアについて以下の内容を解説します。
自分自身と大切なパートナーの未来を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
クラミジアへの感染が少しでも疑われる場合は、新宿区保健所や東京都新宿東口検査・相談室など、信頼できる検査機関で早期に検査を受けることが大切です。当院では、土日や祝日も診療しています。クラミジアに感染した可能性がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
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目次
クラミジアを放置することの危険性について以下の内容を解説します。
クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされます。私たちの体は、風邪などのウイルス感染症に対しては、免疫機能が働き、ウイルスを排除しようとします。発熱などの症状が出ることもありますが、多くの場合、免疫の働きによって自然に回復します。
クラミジアの場合は異なります。臨床的な観察によれば、私たちの体の免疫力だけでは、クラミジア菌を完全に排除することが難しいとされています。他の病気の治療のために抗生物質を服用した結果、たまたまクラミジアも治ってしまったというケースはありますが、あくまで偶然であり、自然治癒とは言えません。
クラミジアを放置すると、男女ともに深刻な合併症を引き起こす可能性があります。合併症が重症化した場合には、不妊症や子宮外妊娠、早産の可能性が高まるとされています。他の性感染症にも感染しやすくなるため、注意が必要です。
男性における主な合併症には、精巣上体炎と前立腺炎があります。精巣上体炎は、精子が成熟する精巣上体に炎症が生じる病気です。睾丸の腫れや痛み、発熱といった症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。
前立腺炎は、前立腺が炎症を起こす病気です。排尿時の痛みや残尿感、頻尿、会陰部の不快感といった症状が現れます。
女性における主な合併症には、卵管炎と骨盤腹膜炎があります。卵管炎は、卵管が炎症を起こす病気です。下腹部の痛みやおりものの増加、不正出血、発熱などの症状が現れることがあります。
骨盤腹膜炎は、子宮や卵管、卵巣など、骨盤内にある臓器が炎症を起こす病気です。強い腹痛や、発熱、吐き気、おりものの増加などを伴い、重症化すると入院が必要となる場合もあります。
妊娠中にクラミジアに感染していると、胎児にも影響が及ぶ可能性があります。出産時に産道を通る胎児に感染し、新生児肺炎や結膜炎などを引き起こすことがあります。流産や早産、低出生体重児のリスクも高まるため、妊娠を希望している方や妊娠中の方は、必ずクラミジアの検査を受け、適切な治療を受けることが大切です。
早期発見のためには検査が不可欠です。検査を受けることで、感染の有無を明確にし、ご自身と大切なパートナーの健康を守ることができます。検査について以下の内容を解説します。
クラミジアの検査を受けられる主な検査機関は以下のとおりです。
薬局やオンラインで購入できる検査キットを用いて、自宅で検査することも可能です。検査機関への来院が難しい方や、プライバシーを重視したい方に適しています。ただし、検査キットは医療機関での検査に比べて精度が劣る場合もあるため、結果によっては医療機関での再検査が必要となることがあります。
クラミジアの検査方法はいくつかありますが、痛みを伴うことはほとんどありません。主な検査方法は以下のとおりです。
検査は、核酸増幅検査(NAT)という方法で行われることが多く、高い感度と特異性を持つため、正確な診断が可能です。核酸増幅検査とは、微量のクラミジアの遺伝子を増幅させて検出する検査方法で、従来の方法よりも感度が高く、感染初期でも正確に診断できます。
検査結果は通常数日でわかります。検査で陽性反応が出た場合は、パートナーも一緒に検査と治療を受けるようにしましょう。
クラミジアは適切な治療を受けることで改善が期待できます。治療について以下の内容を解説します。
クラミジアの治療は医師の診断にもとづき、適切な抗生物質の処方によって行われます。抗生物質の種類や服用量、服用期間は、患者さんの症状や体質、他の薬との相互作用、アレルギーなどを考慮して医師が決定します。医師の指示通りにきちんと薬を飲み切ることが重要です。
自己判断で途中で服用を中止してしまうと、細菌が完全に排除されず、再発や治療の長期化、重症化のリスクを高める可能性があります。薬の効果や副作用、疑問点などがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談しましょう。
クラミジア治療薬はクラミジア感染症を効果的に治療できる信頼性の高い薬剤です。適切な処方と服用により、短期間で症状を改善し感染を完治させることができます。排尿痛やおりものの変化など性的接触後に気になる症状がある方、またはパートナーが感染している場合の不安解消に役立ちます。
当院では、オンライン診療で気軽に相談できるため、プライバシーを守りながら医師の適切なアドバイスを受けられます。不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
クラミジアの治療期間は、通常1~2週間程度です。症状が改善しても、医師から処方された薬を最後まで服用しましょう。途中でやめると再発のリスクが高まります。治療中はパートナーへの感染を防ぐため、性行為を控えることが大切です。完治を確認するため、医師の指示に従い再検査を受けるようにしましょう。
治療が終了したら、医師の指示に従って再検査を受け、完治を確認することが重要です。パートナーも一緒に治療を受けていない場合は、再感染のリスクがあるため注意が必要です。完治後も、コンドームを正しく使用することや性行為の相手を限定するなど、感染予防に努めることが大切です。
クラミジアは、早期に発見し適切な治療を開始することで、合併症を防ぎ、将来の健康を守ることができます。特に女性は、無症状で感染していることが多いため「今は特に症状がないから大丈夫」と安易に考えないようにしましょう。少しでも感染の可能性が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。
保険統計によれば、淋菌とクラミジアは25歳未満の成人で最も多く発生していることが報告されており、重要な公衆衛生上の問題となっています。適切な予防策を講じることで、感染のリスクを減らすことができます。クラミジアの予防方法は以下のとおりです。
コンドームは、クラミジアを含む多くの性感染症の予防に有効とされています。正しく使用すれば、感染リスクを軽減できます。コンドームを正しく使用するためのポイントは以下のとおりです。
当院では、性感染症の検査を行っています。検査方法や費用について、詳しくは以下のページををご覧ください。
>>性感染症の検査・治療について
クラミジアは自覚症状がない場合が多いため、定期的な検査が重要です。早期に感染を発見し、治療を開始することが推奨されています。特に、複数の性交渉相手がいる場合や、新しいパートナーとの関係を開始する際には、検査を受けることが推奨されます。感染の予防や早期発見、早期治療のために、定期的に検査を受けるようにしましょう。
クラミジアは一般的に自然治癒が難しく、適切に治療せずに放置すると、不妊症などの合併症を引き起こす可能性があります。早期発見と早期治療を心がけ、医師の指導のもと適切な治療を行いましょう。
緊急時は、Doxy PEP(ドキシペップ)という抗生物質の服用によって、クラミジアの感染や予防が期待できます。性的接触後72時間以内に服用することで、感染の可能性を減らせます。コンドームが破損した場合や予期せぬ性的接触があった際の不安解消に役立ちます。Doxy PEPは医師の診察と処方が必要です。主な検査機関は以下のとおりです。
完治後もコンドームを正しく使用し、定期的な検査を受けることで予防に努めましょう。自分とパートナーの健康を守るために、正しい知識を持って適切な行動をとることをおすすめします。
当院では、性感染症のオンライン診療を行っています。検査や治療に関するご相談など、お気軽にお問い合わせ下さい。
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Jennan A Phillips. Chlamydia Infections. Workplace Health Saf, 2019 Jul;67(7):375-376.