希望するご予約を
お選びください

×閉じる
性病予防・治療の最新情報
2025.04.25

クラミジアは自然治癒する?放置することの危険性と対処法

クラミジアは、性感染症の中で最も感染者数が多い病気です。自覚症状がないまま進行することも多く、知らないうちに深刻な合併症を引き起こすリスクも潜んでいます。不妊症や子宮外妊娠といった、将来の人生設計に大きく影響する可能性もあります。この記事では、クラミジアについて以下の内容を解説します。

  • クラミジアが自然治癒する可能性と放置のリスク
  • クラミジアの検査実施機関と検査方法
  • クラミジア治療の流れと重要ポイント
  • クラミジアの予防方法

自分自身と大切なパートナーの未来を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。

クラミジアへの感染が少しでも疑われる場合は、新宿区保健所や東京都新宿東口検査・相談室など、信頼できる検査機関で早期に検査を受けることが大切です。当院では、土日や祝日も診療しています。クラミジアに感染した可能性がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
>>オンライン予約はこちら

クラミジアが自然治癒する可能性と放置のリスク

クラミジアを放置することの危険性について以下の内容を解説します。

  • 自然治癒の可能性は極めて低い
  • 放置した場合のリスク:不妊症・子宮外妊娠・早産など
  • 男性における合併症:精巣上体炎・前立腺炎
  • 女性における合併症:卵管炎・骨盤腹膜炎
  • 妊娠中の影響:胎児への感染・流産・早産

自然治癒の可能性は極めて低い

クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされます。私たちの体は、風邪などのウイルス感染症に対しては、免疫機能が働き、ウイルスを排除しようとします。発熱などの症状が出ることもありますが、多くの場合、免疫の働きによって自然に回復します。

クラミジアの場合は異なります。臨床的な観察によれば、私たちの体の免疫力だけでは、クラミジア菌を完全に排除することが難しいとされています。他の病気の治療のために抗生物質を服用した結果、たまたまクラミジアも治ってしまったというケースはありますが、あくまで偶然であり、自然治癒とは言えません。

放置した場合のリスク:不妊症・子宮外妊娠・早産など

クラミジアを放置すると、男女ともに深刻な合併症を引き起こす可能性があります。合併症が重症化した場合には、不妊症や子宮外妊娠、早産の可能性が高まるとされています。他の性感染症にも感染しやすくなるため、注意が必要です。

男性における合併症:精巣上体炎・前立腺炎

男性における主な合併症には、精巣上体炎と前立腺炎があります。精巣上体炎は、精子が成熟する精巣上体に炎症が生じる病気です。睾丸の腫れや痛み、発熱といった症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。

前立腺炎は、前立腺が炎症を起こす病気です。排尿時の痛みや残尿感、頻尿、会陰部の不快感といった症状が現れます。

女性における合併症:卵管炎・骨盤腹膜炎

女性における主な合併症には、卵管炎と骨盤腹膜炎があります。卵管炎は、卵管が炎症を起こす病気です。下腹部の痛みやおりものの増加、不正出血、発熱などの症状が現れることがあります。

骨盤腹膜炎は、子宮や卵管、卵巣など、骨盤内にある臓器が炎症を起こす病気です。強い腹痛や、発熱、吐き気、おりものの増加などを伴い、重症化すると入院が必要となる場合もあります。

妊娠中の影響:胎児への感染・流産・早産

妊娠中にクラミジアに感染していると、胎児にも影響が及ぶ可能性があります。出産時に産道を通る胎児に感染し、新生児肺炎や結膜炎などを引き起こすことがあります。流産や早産、低出生体重児のリスクも高まるため、妊娠を希望している方や妊娠中の方は、必ずクラミジアの検査を受け、適切な治療を受けることが大切です。

クラミジアの検査実施機関と検査方法

早期発見のためには検査が不可欠です。検査を受けることで、感染の有無を明確にし、ご自身と大切なパートナーの健康を守ることができます。検査について以下の内容を解説します。

  • クラミジアの検査を受けられる場所
  • クラミジアの検査方法とその特徴

クラミジアの検査を受けられる場所

クラミジアの検査を受けられる主な検査機関は以下のとおりです。

  • 産婦人科
    女性のクラミジア感染症の検査や治療を専門的に行っています。女性の体のことを熟知した医師が対応しますので、安心して相談できます。
  • 泌尿器科
    男性のクラミジア感染症の検査や治療を専門的に行っています。男性特有の症状についても相談しやすい環境です。
  • 性病科
    性感染症に特化した診療科です。性感染症に関する幅広い知識と経験を持つ医師が、適切な検査と治療を提供します。
  • 市区町村の保健所
    性感染症の検査や相談を無料または低価格で受けることができます。費用面での負担を軽減したい方におすすめです。保健所では匿名での検査も可能ですので、プライバシーが気になる方でも安心して利用できます。

薬局やオンラインで購入できる検査キットを用いて、自宅で検査することも可能です。検査機関への来院が難しい方や、プライバシーを重視したい方に適しています。ただし、検査キットは医療機関での検査に比べて精度が劣る場合もあるため、結果によっては医療機関での再検査が必要となることがあります。

クラミジアの検査方法とその特徴

クラミジアの検査方法はいくつかありますが、痛みを伴うことはほとんどありません。主な検査方法は以下のとおりです。

  • 尿検査
    尿を採取して検査する方法です。最も一般的な検査方法で、痛みを伴わず、手軽に検査できます。採取した尿からクラミジアの遺伝子(DNA)を検出します。
  • 膣分泌物検査
    膣分泌物を採取して検査する方法です。女性の場合、尿検査よりも精度が高いとされています。綿棒のような器具を用いて膣の壁から少量の分泌物を採取します。
  • 咽頭ぬぐい液検査、直腸ぬぐい液検査
    咽頭や直腸からぬぐい液を採取して検査する方法です。オーラルセックスやアナルセックスによる感染が疑われる場合に実施されます。綿棒のような器具を用いて、それぞれの部位から細胞を採取します。

検査は、核酸増幅検査(NAT)という方法で行われることが多く、高い感度と特異性を持つため、正確な診断が可能です。核酸増幅検査とは、微量のクラミジアの遺伝子を増幅させて検出する検査方法で、従来の方法よりも感度が高く、感染初期でも正確に診断できます。

検査結果は通常数日でわかります。検査で陽性反応が出た場合は、パートナーも一緒に検査と治療を受けるようにしましょう。

クラミジア治療の流れと重要ポイント

クラミジアは適切な治療を受けることで改善が期待できます。治療について以下の内容を解説します。

  • 抗生物質の内服による治療
  • 治療期間
  • 治療後の注意点
  • 早期治療の重要性

抗生物質の内服による治療

クラミジアの治療は医師の診断にもとづき、適切な抗生物質の処方によって行われます。抗生物質の種類や服用量、服用期間は、患者さんの症状や体質、他の薬との相互作用、アレルギーなどを考慮して医師が決定します。医師の指示通りにきちんと薬を飲み切ることが重要です。

自己判断で途中で服用を中止してしまうと、細菌が完全に排除されず、再発や治療の長期化、重症化のリスクを高める可能性があります。薬の効果や副作用、疑問点などがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談しましょう。

クラミジア治療薬はクラミジア感染症を効果的に治療できる信頼性の高い薬剤です。適切な処方と服用により、短期間で症状を改善し感染を完治させることができます。排尿痛やおりものの変化など性的接触後に気になる症状がある方、またはパートナーが感染している場合の不安解消に役立ちます。

当院では、オンライン診療で気軽に相談できるため、プライバシーを守りながら医師の適切なアドバイスを受けられます。不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

治療期間

クラミジアの治療期間は、通常1~2週間程度です。症状が改善しても、医師から処方された薬を最後まで服用しましょう。途中でやめると再発のリスクが高まります。治療中はパートナーへの感染を防ぐため、性行為を控えることが大切です。完治を確認するため、医師の指示に従い再検査を受けるようにしましょう。

治療後の注意点

治療が終了したら、医師の指示に従って再検査を受け、完治を確認することが重要です。パートナーも一緒に治療を受けていない場合は、再感染のリスクがあるため注意が必要です。完治後も、コンドームを正しく使用することや性行為の相手を限定するなど、感染予防に努めることが大切です。

早期治療の重要性

クラミジアは、早期に発見し適切な治療を開始することで、合併症を防ぎ、将来の健康を守ることができます。特に女性は、無症状で感染していることが多いため「今は特に症状がないから大丈夫」と安易に考えないようにしましょう。少しでも感染の可能性が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。

クラミジアの予防方法

保険統計によれば、淋菌とクラミジアは25歳未満の成人で最も多く発生していることが報告されており、重要な公衆衛生上の問題となっています。適切な予防策を講じることで、感染のリスクを減らすことができます。クラミジアの予防方法は以下のとおりです。

  • コンドームを正しく使用する
  • 定期的な検査を受ける

コンドームを正しく使用する

コンドームは、クラミジアを含む多くの性感染症の予防に有効とされています。正しく使用すれば、感染リスクを軽減できます。コンドームを正しく使用するためのポイントは以下のとおりです。

  • 毎回新しいコンドームを使用する
  • コンドームの包装や本体に破れや穴がないか、使用前に必ず確認する
  • コンドームは直射日光や高温多湿の場所を避け、適切な場所に保管する
  • 使用期限内のコンドームを使用する
  • 性行為の最初から最後まで、コンドームを装着した状態で行う
  • コンドームを装着する際は、爪などで傷つけないように注意する
  • 射精後、ペニスが勃起している間にコンドームを押さえながらゆっくりと引き抜く

当院では、性感染症の検査を行っています。検査方法や費用について、詳しくは以下のページををご覧ください。
>>性感染症の検査・治療について

定期的な検査を受ける

クラミジアは自覚症状がない場合が多いため、定期的な検査が重要です。早期に感染を発見し、治療を開始することが推奨されています。特に、複数の性交渉相手がいる場合や、新しいパートナーとの関係を開始する際には、検査を受けることが推奨されます。感染の予防や早期発見、早期治療のために、定期的に検査を受けるようにしましょう。

まとめ

クラミジアは一般的に自然治癒が難しく、適切に治療せずに放置すると、不妊症などの合併症を引き起こす可能性があります。早期発見と早期治療を心がけ、医師の指導のもと適切な治療を行いましょう。

緊急時は、Doxy PEP(ドキシペップ)という抗生物質の服用によって、クラミジアの感染や予防が期待できます。性的接触後72時間以内に服用することで、感染の可能性を減らせます。コンドームが破損した場合や予期せぬ性的接触があった際の不安解消に役立ちます。Doxy PEPは医師の診察と処方が必要です。主な検査機関は以下のとおりです。

  • 産婦人科
  • 泌尿器科
  • 性病科
  • 市区町村の保健所

完治後もコンドームを正しく使用し、定期的な検査を受けることで予防に努めましょう。自分とパートナーの健康を守るために、正しい知識を持って適切な行動をとることをおすすめします。

当院では、性感染症のオンライン診療を行っています。検査や治療に関するご相談など、お気軽にお問い合わせ下さい。
>>オンライン予約はこちら

参考文献

Jennan A Phillips. Chlamydia Infections. Workplace Health Saf, 2019 Jul;67(7):375-376.

•• LINEお問合わせ •• AIに質問する