性行為の時に萎えてしまったり、勃起が維持できなかったりしませんか。もしかするとそれはED(勃起障害)の症状かもしれません。EDは治療薬の使用や生活習慣の改善で治療可能な病気です。
この記事では、EDの症状や治療法、ED治療の保険適用について詳しく解説します。
そもそもEDとは何かを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>【勃ちづらい】EDとは勃起不全・勃起障害のこと!EDの症状や原因、治療方法を解説
目次
EDと聞くと「勃起しない」という状態を想像する人が多いかと思います。しかし勃起しない状態はEDの中でも重度の症状で、実際は中等度のEDの患者数が最も多いとされています。
中等度のEDの場合、たまに勃起ができ性行為の際は勃起を維持できますが、軽度のEDと比較すると勃起できる回数が大幅に減るのが特徴です。勃起の維持力が弱くなり、勃起状態に満足できない場合も中等度のEDと診断されます。
EDは適切な治療を受ければ改善が可能です。上記のような症状がある人は、次に紹介するEDの治療を検討しましょう。
EDの治療法は以下の4つを代表に、多岐にわたります。
それぞれの治療法には特徴があり、自分に適した治療を受けることが重要です。
生活習慣の見直しはED治療の中でも最もハードルが低く、他の治療方法と並行して今日からでも実践可能です。
生活習慣の見直しはEDの治療に欠かせないプロセスの1つです。EDは日ごろのストレスや肥満、生活習慣病などが要因になるからです。
食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことで、EDの改善が期待できます。生活習慣の改善は、治療費もかからずED以外の病気の予防・改善にも効果が期待できます。デメリットもないので、できそうなものから挑戦してみましょう。
バランスの良い食事はEDの改善に大きな効果が期待できます。食生活を見直すことで、EDの原因である血流の悪化や男性ホルモンの不足の改善が期待できます。
EDを改善するためには、ジャンクフードやインスタント食品のような高カロリー・高塩分・高脂質な食事を避けましょう。このような食事を続けていると、高血圧や動脈硬化が進み、陰茎への血流が悪くなります。
EDの改善に効果的な栄養素を取ることも重要です。具体的には男性ホルモンの分泌を促す亜鉛や、血流改善に効果があるDHA・EPAなどです。亜鉛は牡蠣やレバーに、DHA・EPAはサバやサンマなどの魚介類に多く含まれています。
さらに、亜鉛やDHAなどの栄養素を効果的に吸収するには、ビタミンやミネラルなど他の栄養素も重要です。亜鉛の吸収を高めるためにビタミンCや動物性たんぱく質も摂取してください。
EDを改善するためにはジャンクフードなどを避け、肉類や魚介類、野菜などをバランスよく摂取しましょう。
運動不足はEDの要因の1つです。適度な運動をすることで、内臓脂肪の減少や血流の促進が期待できEDの改善につながります。週2回以上の運動でEDのリスクが減少するというデータもあります。
EDの治療に効果的な運動の1つは、ジョギングやランニングなどの「有酸素運動」です。有酸素運動をすることで血流が促進されます。有酸素運動は脂肪燃焼の効果もあるため、EDの要因である肥満の解消や生活習慣病の予防にも繋がります。
有酸素運動とは別に、筋トレをすることで男性ホルモンの1つであるテストステロンの分泌を促す効果が期待できます。とくにスクワットなど、骨盤周辺の血流改善も期待できる下半身の筋トレがおすすめです。
ED改善のためには、有酸素運動を中心に筋トレも取り入れるようにしましょう。
睡眠不足は男性ホルモンであるテストステロンの分泌量を低下させるため、EDの原因となります。十分な睡眠を毎日規則正しくとることで、EDの改善が期待できます。7時間程度を目安に睡眠時間を確保してください。
より良質な睡眠をとるためには、睡眠環境の整備や寝る前のルーティンも重要です。以下の点を意識して見直してみましょう。
睡眠時無呼吸症候群やうつ病などによる睡眠障害がある場合は、医師の診察を受け適切な治療を行いましょう。
ストレス発散はEDの改善に効果を発揮します。過度なストレスは血流やホルモンバランスに悪影響を与えるため、EDの原因になってしまいます。以下の項目を参考に自分にあったストレス発散を探してみましょう。
ヨガや入浴などは血流改善にも繋がるので、動脈硬化の予防にも効果があります。逆に暴飲暴食など、心身への負担がかかるストレス発散は避けましょう。
飲酒や喫煙は陰茎への血流を著しく低下させ、EDを引き起こす原因になります。禁酒や禁煙することで血流が改善し、EDの治療に効果が期待できます。禁酒や禁煙のために、以下の項目で実践できそうなものから試してみてください。
ストレスが多いとお酒やタバコで発散したくなる方もいるため、ストレスを溜めないことも大切です。過度な飲酒や喫煙は健康に百害あって一利なしです。少しずつでも禁酒や禁煙に挑戦しましょう。
EDの治療薬にはクリームタイプと内服薬の大きく2種類があり、それぞれ作用時間や効き目、副作用に違いがあります。
ここからは、クリームタイプの治療薬と3つの内服治療薬の合わせて4種類について、それぞれの特徴を解説します。内容を参考に、自分にあった治療薬を選択しましょう。
exstemは細胞間の伝達情報の役割を担う「エクソソーム」を配合したセルフケア用クリームです。1日1~2回、陰嚢を中心に塗布することで勃起力の向上が期待できます。
exstemはクリームを患部へ直接塗布することで、有効成分が確実にいきわたる特徴があります。内服薬と異なり、クリームを使用した後も継続的に効果を実感できることもexstemの大きな魅力です。
塗り薬のためかゆみ等を感じるケースもありますが、ひどい症状になることはほとんどありません。exstemの使用により、勃起の頻度や硬度、持続力など男性機能の改善が自覚できるレベルで認められたという声もあります。本製品は1本2〜3万円です。
世界初のED男性更年期改善クリーム”exstem”について以下の記事に詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
>>【世界初】男性更年期によるED改善クリーム「exstem」幹細胞上清液エクソソーム配合で根本治療
バイアグラは陰茎部分の血流を改善し、勃起しやすくする治療薬です。服用してから30分~1時間で効果が表れ、個人差はありますが3~6時間ほど効果が持続します。
バイアグラの副作用にはほてりや目の充血、鼻血などが挙げられます。脳梗塞の既往や心筋梗塞の治療薬を飲んでいるなど、バイアグラが使えない方もいるので、持病があり薬を服用している方は事前に医師に相談しましょう。バイアグラの価格は正規品の場合は1錠1,300円~1,800円、ジェネリックの場合は1錠440円~1,200円です。
レビトラは内服薬の中でも効果が強く、即効性の期待できる治療薬です。服用後1時間が最も効果を発揮するため、性行為の1時間前に服用することが望ましいです。効果が持続するのは約4時間です。
レビトラの副作用や注意点は基本的にバイアグラと同様で、脳や心臓に持病がある方は使えない可能性があります。必ず事前に医師へ相談してください。
レビトラは現在日本での流通が少なく、ジェネリックの「バルデナフィル錠」が主流です。価格は1錠で約1,300円~1,500円です。
シアリスは世界シェアNo.1のED治療薬です。シアリスを服用後1時間ほどで効果が表れます。しかし、服用から2時間後に血液中の濃度が最大になるので、行為2時間前の服用が最も効果を発揮しやすい時間と言われています。
持続時間が約24~36時間と他の治療薬と比較しても長く、食事の影響を受けにくいことも特徴の1つです。
シアリスもバイアグラやレビトラと同様の副作用や注意点がありますが、ほてりの副作用が少ないのが特徴です。シアリスの服用を検討している方は、事前に医師に相談しましょう。シアリスの価格は1錠で1,100円~1,600円です。
EDの治療には手術や衝撃波・注射などもあります。
ED治療の手術には「陰茎プロステーシス手術」があり、これは人工の装具(プロステーシス)を陰茎海綿体内に移植して、性交可能な勃起状態をつくる手術です。日帰りで受けられる手術ですが、後戻りができない治療のため、最後の手段といえます。価格も約80万円から100万円と高価なため、最初は他の治療から始めることをおすすめします。
衝撃波を使う治療は「低強度体外衝撃波治療(ED-MAX)」といい、微弱な衝撃波を陰茎の外側から照射して血管の再生を促す方法です。皮膚を切る必要がなく麻酔も不要ですが、まれに皮下出血が起こる場合があります。料金はクリニックによっても異なり、1回約65,000~75,000円です。
陰茎の根本や海綿体に幹細胞上清液を注射する治療もあります。幹細胞上清液の注射は硬くなった血管を再生する効果があり、EDの根本的な治療も可能ですが、直接陰茎に注射をすることに抵抗を感じる人は多いです。1クールで約30万円かかります。
過度なストレスや性行為への緊張など、心理的な原因で発症するED(機能性ED)の場合は心理カウンセリングが効果的です。
機能性EDの原因は自分のトラウマやストレスだけでなく、パートナーとの関係など多岐にわたるため、自分で特定するのは非常に困難です。一人で悩みすぎず、カウンセリングなどを受診し、適切な治療やアドバイスを受けましょう。
EDの治療薬は一般的に保険適用になりません。条件を満たせばバイアグラとシアリスは保険適用となりますが、条件は以下のように非常に厳しいです。
上記の条件を満たしている場合は、保険適用を活用しましょう。
ただし保険適用の場合でも投与の目安期間は6ヶ月で、1回に処方できる数量は1ヶ月に4錠以下です。
保険適用の条件に当てはまらない方は、ジェネリック医薬品を活用することで治療薬の費用を抑えることができます。
EDの治療には生活習慣の改善や内服薬、手術などの複数の方法があります。
生活習慣の改善は費用もかからず、すぐに実践可能です。他の治療方法を行う場合でも並行して取り組むことで、相乗効果が期待できます。
治療薬にはクリームタイプと内服薬があり、クリームタイプは患部に有効成分が直接届き、内服薬と比較して副作用が少ないのも魅力です。
手術や衝撃波を用いた治療、注射など病院で受けられる治療もあります。いずれも高価な治療のため、EDの重症度などと合わせて医師とよく相談して検討しましょう。
心理的な要因でEDを発症している場合には、カウンセリングを受けるのも効果的です。
EDの治療は自費診療が多いですが、バイアグラとシアリスは特定の条件を満たせば保険適用で処方してもらうことができます。
いずれの治療にしても、自分にあった方法を選ぶことが重要です。EDの治療には専門医がいる泌尿器科や男性専門のクリニックを受診して相談しましょう。
詳しくは、イーヘルスクリニックまでお問い合わせください。
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【参考文献】
記事作成:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。