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コラム
2026.01.02

不眠症の薬の種類と選び方|効果や注意すべき副作用を解説

「夜なかなか寝つけない」「何度も目が覚めてしまう」などの不眠のお悩みはありませんか?不眠症の治療では、薬物療法が中心的な役割を担います。睡眠薬の種類はさまざまで、作用の仕組みや効果の現れ方、注意すべき点が異なります。

本記事では、不眠症治療薬の種類や特徴、ご自身の状況に合わせた選び方、注意すべき副作用について解説します。副作用のリスクや効果の現れ方を正しく知り、安心して治療を受けられる準備を整えましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、脳の覚醒物質を抑えて自然な眠りを導くクービビックを扱っています。入眠困難による朝の目覚めにお悩みの方は、一度ご相談ください

外出が難しい方やお忙しい方には、オンラインでの不眠外来診療もご利用いただけます。スマートフォンやパソコンから、専門医への相談や薬の処方が可能です。

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不眠症治療薬の種類

不眠症治療薬の基本となる薬の種類について、以下4つを解説します。

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  • オレキシン受容体拮抗薬
  • メラトニン受容体作動薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳の興奮を鎮める神経伝達物質「GABA(ギャバ)」の働きを促進させる薬です。GABAは脳の神経活動を抑制し、リラックス状態をもたらす役割を担っています。強い不安感で入眠が難しい方に処方される薬です。作用時間によって、以下のタイプに分けられます。

  • 超短時間・短時間型:即効性があるが持続時間が短く、入眠障害の方に適している
  • 中間・長時間型:効果の持続時間が長く中途覚醒の方に適している

筋肉を緩める副作用による翌朝のふらつきに注意が必要です。

代表的な薬剤には以下のようなものがあります。いずれもGABAの作用を高めることで入眠や睡眠維持をサポートしますが、依存や翌朝のふらつきには注意が必要です。

  • トリアゾラム(ハルシオン):超短時間型で即効性が期待でき、入眠障害に用いられる
  • フルニトラゼパム(サイレース):中間型。中途覚醒にも対応可能
  • ブロチゾラム(レンドルミン):短時間型で幅広い症状に対応
  • エスタゾラム(ユーロジン)中間型。持続時間がやや長めで睡眠維持にも効果が期待される

長期間の使用により、依存リスクやもの忘れが起こる場合もあります。急な中断は不眠が悪化する可能性があるため、医師に相談してください。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はGABAの働きを強め、眠りを誘う作用に特化した薬です。主に寝つきを良くする効果が期待できる薬で、寝つけない入眠障害で悩んでいる方に処方されます。

不安を和らげる作用や筋肉を緩める作用は比較的弱いため、翌朝のふらつきが少ない利点があります。作用時間は短く、服用後すみやかに効果が現れ、翌朝の目覚めには影響しにくい薬です。

ベンゾジアゼピン系よりリスクは低いものの、依存性がないわけではありません。副作用として、服用後に口の中で苦味を感じる方もいます。中途覚醒の方には不向きな場合があります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z-drug)には、以下のような薬剤があります。これらはGABA-A受容体の一部(α1サブユニット)に選択的に作用するため、筋弛緩や依存のリスクが比較的少ないとされています。

  • ゾルピデム(マイスリー):作用が速く入眠困難に適している
  • ゾピクロン(アモバン):口内に苦味を感じることがあるが、即効性が期待できる
  • エスゾピクロン(ルネスタ):苦味が少なく、より持続的な作用が期待できる

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシン受容体拮抗薬は、脳の覚醒を促進する物質「オレキシン」の働きを抑制し、心身を自然な眠りへ導く作用があります。脳の興奮を抑えるわけではないため、生理的な眠りに近いと考えられています。特徴は以下のとおりです。

  • 依存性が低い:GABAへの作用とは異なるため、依存が起こりにくい
  • ふらつき・転倒リスクが少ない:筋肉を緩める作用がないため、高齢の方でも使いやすい
  • 眠りの質を高める:寝つきを良くするだけでなく、眠りの維持にも効果が期待できる

効果の現れ方には個人差があり、人によっては過度な日中の眠気や幻覚などの副作用報告されています。

現在では、オレキシン受容体拮抗薬は不眠症の第一選択肢として注目されており、以下のような薬剤が処方されています。

  • スボレキサント(ベルソムラ):初期に登場したオレキシン拮抗薬で、中途覚醒や睡眠維持に効果が期待される
  • レンボレキサント(デエビゴ):作用持続時間が長く、日中への影響が少ないとされる
  • ダリドレキサント(クービビック):覚醒物質オレキシンの働きを抑え、依存性が少ない特徴がある

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体作動薬は「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニン受容体を刺激し、睡眠と覚醒のリズムを整える薬です。メラトニンは体内で作られるホルモンで、体内時計を調整し自然な眠気を誘う役割を担っています。

加齢により、メラトニンの分泌が減った高齢の方や交代勤務などで生活リズムが不規則になりがちな方の不眠に効果が期待できます。薬の利点として依存性が低く、ふらつきやもの忘れなどの副作用も起こりにくい傾向があります。長期間で使いやすい薬ですが、即効性はなく、催眠作用を期待するものではありません。

このカテゴリの代表的な薬剤として、ラメルテオン(ロゼレム)が挙げられます。ラメルテオンは、体内時計を調整するホルモン「メラトニン」の受容体に作用し、自然な眠気を促します。高齢者や概日リズム障害に有用で、依存性がほとんどないのが特徴です。

不眠症の薬の選び方

不眠症の治療で使われる薬は、不眠のタイプや体の状態、生活スタイルなどで総合的に考えられます。薬の選び方については、症状と患者さんのタイプ別にそれぞれ解説します。

症状タイプ別選び方(入眠困難・中途覚醒)

以下の表は、不眠の症状タイプ別で適した薬を表します。

不眠のタイプ 主な悩み 適した薬の作用時間
入眠困難 寝つきが悪い 超短時間型・短時間型
中途覚醒 夜中に目が覚める 短時間型・中間型
早朝覚醒 朝早く目が覚める 中間型・長時間型

不眠の背景には、ストレスやうつ病などの精神的な要因が隠れていることもあります。適切な治療法の選択のため、睡眠の悩みだけでなく、日中の気分や体調についても医師に伝えましょう。

不眠症は症状の出方によって原因や対処法が異なります。ご自身の不眠タイプや考えられる原因を整理することで、適切な治療につなげやすくなります。以下の記事では、不眠症の種類やセルフチェック方法を詳しく解説しています。
>>【セルフチェック】不眠症の症状を見逃さない|種類や原因、改善法を解説

患者背景別選び方(高齢者・合併症・妊娠授乳中)

睡眠薬は、年齢や体の状態に合わせて慎重に選ぶことが大切です。高齢者や持病のある方、妊娠中や授乳中の方では、薬の効き方や安全性が異なるため、同じ薬が使えない場合があります。

高齢者では、薬を分解したり体の外に出したりする力が弱くなりやすく、薬が体に残りやすくなります。そのため、作用が穏やかで副作用や依存のリスクが少ない薬が選ばれます。

合併症がある方は、すでに飲んでいる薬との飲み合わせに注意が必要です。特に免疫を抑える薬などを使っている場合は、睡眠薬の影響が強く出ることがあります。服用中の薬は必ず医師に伝えましょう。

妊娠中や授乳中は、赤ちゃんへの影響を考え、薬の使用は必要最小限になります。自己判断せず、医師に相談して安全な治療を受けることが重要です。

市販の睡眠改善薬との目的・効果の違い

市販の睡眠改善薬と医師が処方する薬には以下のような違いがあります。

比較項目 市販の睡眠改善薬 医師が処方する睡眠薬
目的 一時的な不眠症状の緩和 不眠症の治療
主な成分 抗ヒスタミン薬 脳の働きを調整する成分
入手方法 薬局またはドラッグストアで購入 医師の診察と処方箋が必要
注意点 ・効果は一時的であること

・根本的な治療ではないこと

・持病で使えないこともあること

・副作用や依存症の可能性があること

・医師の管理の元、使用すること

市販薬を試しても眠りの悩みが続く場合は、自己判断で市販薬を使い続けず医師に相談しましょう。不眠の背景には、他の病気や生活習慣の問題が関わっている可能性があります。

不眠症治療薬の注意すべき副作用

副作用について正しく知ることは、安全に治療を進めるために大切です。不眠症治療薬の注意すべき以下の4点について解説します。

  • 眠気・ふらつき
  • 依存
  • 健忘
  • 複数の薬を併用する場合の注意点

眠気・ふらつき

薬の効果が朝まで残っているため、眠気やふらつきが続くことがあります。主な原因には、薬の作用時間と筋弛緩作用が挙げられます。薬を分解する速度が遅い方は、薬の作用が残りやすいです。一部の睡眠薬には筋弛緩作用が含まれるため、筋肉を緩めやすくします。

高齢の方は薬の分解速度が遅く、眠気・ふらつきの作用が出現しやすいため、転倒に注意が必要です。車の運転や危険な作業をする方は、判断力を鈍らせ、事故につながる可能性があるため控えてください。翌朝に眠気やふらつきを感じたら、自己判断せず医師に相談しましょう。

気になる症状は遠慮なく伝え、日常生活や仕事に影響しないように調整することが大切です。

このような副作用がある場合、どの診療科に相談すべきか迷う方も少なくありません。症状に応じた受診先や、医療機関へ相談するタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>不眠症は何科を受診すべき?病院に行くタイミングや症状別の診療科の選び方

依存

睡眠薬の長期間による使用で、以下の依存が高まりやすくなります。

  • 精神的依存(こころの依存):薬が手元にないと強い不安を感じ、落ち着かなくなる
  • 身体的依存(からだの依存):薬が急になくなると、頭痛や吐き気、イライラなどの不快な症状(離脱症状)が出る

ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の薬は、効果を実感しやすい一方で、依存リスクには注意が必要です。依存を防ぐために大切なのは、医師に指示された量と飲み方を守ることです。医師は、薬の種類や量の調整、減薬のスケジュールなどの安全な方法を考えます。自己判断による内服は止めましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、脳の覚醒物質を抑えて自然な眠りに導くクービビックを扱っております。不眠治療薬の中でも依存性が低く、スッキリとした目覚めを期待できます。クービビックの詳細は、以下の記事で解説しています。
>>新しい不眠症治療薬「クービビック」

健忘

健忘は、薬を飲んでから眠りにつくまでの間の出来事を後から思い出せなくなる症状です。「前向性健忘」と呼び、夜中にトイレに行ったことや家族と少し話したことを翌朝になると全く覚えていないなどが起こります。自分では記憶がないため、ご家族から指摘されて初めて気づくことも少なくありません。

健忘は、以下の状況で起こりやすくなります。

  • 作用が急激に現れる薬を飲んだとき
  • 処方された量より多くの薬を飲んだとき
  • アルコールと一緒に薬を飲んだとき

アルコールは薬の作用を強め、記憶がなくなるだけでなく、呼吸が浅くなるなど命に関わる可能性もあります。健忘は、薬の正しい飲み方で防げます。薬を飲んだらすぐに布団に入る、睡眠薬を飲む日は禁酒する意識をしましょう。健忘が起きた場合は医師に伝え、薬の減量や別の薬への変更を検討してもらいましょう。

複数の薬を併用する場合の注意点

不眠症以外の他の薬を飲んでいる方は、注意が必要です。薬の相互作用が出ることがあります。相互作用が起こると、薬の効果が強く出たり弱まったり、思わぬ副作用が現れる原因につながります。

安全な治療のため、内服している薬はすべて医療者に伝えましょう。病院や薬局に行く際は、お薬手帳を持参し、市販薬やサプリメント、健康食品の情報も伝えることが大切です。

自己判断で薬をやめると、不眠が以前より悪化する反跳性不眠や離脱症状が起こることがあります。薬をやめたいときは医師に相談し、指示に従い少しずつ減らしていくことが大切です。

まとめ

不眠症の薬には症状に応じた多くの種類があり、特徴、副作用があります。大切なのは自己判断で選ぶのではなく、1人ひとりの不眠のタイプや生活背景が考慮された最適なものを処方してもらうことです。副作用が心配な場合は、医師と相談しながら調整すると安全に治療を進められます。

不眠の悩みは一人で抱え込まず、自己判断での薬の中断や量の調節は行わないようにしましょう。アルコールと一緒に飲むことは副作用だけでなく、命に関わる可能性もあります。薬をやめたい場合も医療機関に相談し、症状が悪化しない方法で薬の量を減らしていきましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、脳の覚醒物質を抑えて自然な眠りを導くクービビックを扱っています。生活習慣改善のアドバイスもしていますので、不眠症にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください

来院が難しい方には、オンライン不眠外来も実施しております。ご自宅からスマホで簡単に医師と相談ができ、初めての方でも安心してご利用いただけます。  

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参考文献

Hyun-Jin Na, Nakyung Jeon, Christine E Staatz, Nayoung Han, In-Hwan Baek. Clinical safety and narcolepsy-like sy

mptoms of dual orexin receptor antagonists in patients with insomnia: a systematic review and meta-analysis. Sleep, 2024, 47, 2, p.zsad293

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