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子宮頸がん細胞診とは、子宮頸部の細胞を採取して子宮頸がんの疑いがないか調べる検査のことです。具体的には医師が子宮頸部(子宮の入り口)から専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、顕微鏡を用いて異常な細胞がないかを調べます。
子宮頸がん検診で行われる検査としても知られており、異常な細胞が見つかった場合は、拡大鏡やMRIなどによる精密検査を行います。しかし精密検査で“がん”と診断されるものは一部で、多くは“異形成”と呼ばれる、がんの一歩手前の段階のものです。“要精密検査=がん”ではないことを頭に入れておくとよいでしょう。
子宮頸がんとは子宮の入り口付近にできるがんのことで、30歳~40歳代の若い年代に多いことが特徴です。原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染で、主に性交渉によって感染します。HPVはありふれたウイルスで、感染してもほとんどの場合は免疫の力でウイルスが自然に排除されます。しかし、一部では感染が長期間持続して、数年以上かけてがんを発症することがあります。
一方、子宮頸がんは子宮の入り口付近にできるため発見しやすく、早期発見によって治りやすいとされています。ただし、初期には自覚症状がないことが多いため、定期的に検査を受けることが重要です。
子宮頸がん細胞診がすすめられる人の特徴は、以下のとおりです。気になることがある方はそのままにせず、医療機関を受診して検査の要否について医師に相談してみるとよいでしょう。
子宮頸がん細胞診を受けることで分かる病気は、以下のとおりです。
検査の結果、異常が見当たらず精密検査不要(NILM)の場合は、異常なしという判断になります。引き続き2年に1回の定期的ながん検診の受診が重要です。
要精密検査だった場合は、1か月以内を目安に子宮頸がんの精密検査が実施できる医療機関を受診しましょう。ただし、前述のとおり“要精密検査=がん”ではありません。がんと診断されるものは一部で、多くは異形成と呼ばれるがんの一歩手前の段階のものです。そのため、自己判断せずに必ず受診を検討するようにしましょう。
精密検査では、コルポスコープ(拡大鏡)による組織診や細胞診、HPV検査などを組み合わせて行います。HPV検査とは、子宮頸部から細胞を採取し、子宮頸がんの原因であるHPVに感染しているかどうかを調べる検査です。
子宮頸がん細胞診は、生理時を避けて行いましょう。生理中でも検査はできますが、正しい結果が得られない場合があります。
また、3日ほど前から性交渉は控えるようにし、トイレのビデや膣内洗浄は避けるようにしましょう。膣内洗浄は膣内の細胞が洗い流されてしまい、正確な検査結果が出ない可能性があります。そのほか、日常生活で注意することは特にありません。
検査時に少量の出血がみられる場合がありますが、検査自体の痛みはほとんどないといわれています。