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診療科目
2022.04.26
#アレルギー科 #対象疾患

慢性鼻炎

慢性鼻炎とは

鼻炎とは、鼻の粘膜が炎症して腫れ、鼻水や鼻づまりが起こる病気です。主に短期間で治る“急性鼻炎”と、長期間続く“慢性鼻炎”に分けられます。慢性鼻炎の多くが花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎だといわれていますが、ときにアレルギーとは関係ない非アレルギー性鼻炎であることもあります。

また、慢性鼻炎の特徴として、慢性副鼻腔炎を伴うことが多いといわれています。副鼻腔炎は蓄膿症(ちくのうしょう)”とも呼ばれ、鼻の中の副鼻腔という場所に炎症が起こることで、腫れたり(うみ)がたまったりする病気です。主に頭痛、鼻水、鼻づまりなどの症状がみられ、治療しないと重症化する恐れもあるので注意が必要です。

慢性鼻炎の症状

主な症状

慢性鼻炎になると、主に以下のような症状が見られることがあります。

  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 鼻づまり

重症の場合の症状

重症化の場合は、以下のような症状が見られることがあります。

  • 鼻の中のかさぶた
  • 頻繁な鼻血
  • 悪臭を放つ粘り気の強い鼻水 など

受診の目安

1週間程度で症状が改善される場合は風邪による鼻炎の可能性が高く、風邪の場合は安静や栄養補給、市販薬の使用などで治ることが一般的です。一方で、鼻の中にかさぶたができたり、悪臭が発生したり、激しい鼻血を繰り返したりする場合は萎縮性鼻炎(鼻の中の粘膜が萎縮して硬くなり、乾燥した状態)の可能性があります。この場合は嗅覚がなくなってしまうこともあるため、早めの受診が必要です。

また、ドロっとしたにおいのする鼻水、頬や鼻の周り、額の痛み、顔やまぶたの腫れ、発熱、においがしないなどの症状がある場合は副鼻腔炎の可能性があります。
このような症状に心当たりがある場合は、早めにアレルギー科や内科などの受診を検討するとよいでしょう。

慢性鼻炎の治療のポイント

治療は鼻炎の種類によって異なりますが、まずは薬物療法を行うことが一般的です。効果が不十分な場合は手術が検討されることもあります。

薬物療法

主に内服薬や点鼻薬によって症状の改善を目指します。

点鼻薬は鼻に直接吹きかける薬のことです。鼻の粘膜を収縮させ、鼻づまりの緩和が期待できるステロイド薬や血管収縮薬が使用されることがあります。また、アレルギー性鼻炎を併発している場合は抗アレルギー薬の内服薬などが使用されることもあります。

手術

アレルギー性鼻炎が原因の場合は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する治療法を行うことがあります。腫れていた粘膜が収縮して固くなることで、鼻の中の空間が広がって鼻づまりが改善されたり、外からの花粉などが付着しづらくなったりする効果が期待できるといわれています。そのほか、後鼻神経切断術などの選択肢もあります。鼻の奥にある後鼻神経を切断することで粘膜の腫れを改善する効果が期待できるとされています。

慢性鼻炎では1回の手術では完治しないことが一般的ですが、手術をすることでその後再発しても点鼻薬や内服薬を短期間使用するだけで症状が改善するといったように、症状をコントロールしやすくなるなどのメリットがあります

※当院ではレーザー治療は行っておりません。慢性鼻炎の手術をご希望の方は対応可能な耳鼻科を紹介させていただきます。

副鼻腔炎の治療

慢性鼻炎は副鼻腔炎(蓄膿症)を併発することが多いため、その場合は副鼻腔炎の治療が必要となります。

副鼻腔炎が慢性化している場合は、通常の半分量の抗菌薬を長期間服用したり、器械で薬液を細かい霧状にして患部に直接当てたりする治療を行います。
それでも症状が改善しない場合は手術が検討されることもあります。

慢性鼻炎になったときに気を付けたいポイント

慢性鼻炎の主な原因であるアレルギー性鼻炎では、原因物質に対する対策を行うことが大切です。

部屋の掃除をしっかりする

アレルギー性鼻炎の原因の中に、ハウスダストやハウスダストの中に含まれるダニなどが挙げられます。これらを避けるために、こまめな掃除をすることが大切です。

掃除機は週2回以上かける、布団は定期的に干して、さらに掃除機をかけるなどを心がけるとよいでしょう。

加湿する

鼻の中にはウイルスやごみを排除する繊毛という組織があり、この部分が乾燥するとはたらきが低下してしまいます。そのため、室内を加湿したり、マスクをしたりして乾燥を防ぐような対策をすることが望ましいとされています。

生活習慣に気を付ける

疲労やストレスは鼻炎の症状の悪化につながることもあるため、規則正しい生活を送り、ストレスをためないことも大切です。また、たばこは鼻などの粘膜を傷つけるため、禁煙を検討することもすすめられます。

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