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診療科目
2022.07.22
#アレルギー科 #対象疾患

汗疹

汗疹とは

汗疹(かんしん)(あせも)とは、汗を排出する管(汗管(かんかん))の途中に汗が詰まることで汗をうまく排出できなくなり、炎症を起こす病気です。

汗が詰まるのは、あかや汚れなどが汗を出す汗腺(かんせん)の出口を塞いでしまうためだといわれています。乳幼児や汗を多くかく人によく発症するといわれており、中でも大人の場合は大量に汗をかきやすい高温多湿の状況で運動や肉体労働をすることなどによって発症します。

汗は体温調整をするなど体の中で重要な役割を果たしていますが、大量に汗をかく状況が改善されないでいると、汗疹が治らずに湿疹化したり、皮膚をかくことで症状が悪化したりすることもあるので注意が必要です。

汗疹の症状

汗疹には主に、皮膚表面に近い場所に汗がたまってできる白い汗疹(水晶様汗疹)と、皮膚の奥深くに汗がたまってできる赤い汗疹(紅色汗疹)の2種類があり、それぞれ症状が異なります。

また、汗疹ができやすい部位としては、顔や首、体幹、肘・膝の裏側、(わき)の下などが挙げられます。

水晶様汗疹の特徴

  • 透明または白っぽい水ぶくれが現れる
  • かゆみはない

など

紅色汗疹の症状

  • 赤く小さなぶつぶつが現れる
  • かゆみを伴う
  • チクチク感、ヒリヒリ感がある

など

受診の目安

汗疹は皮膚を清潔に保ち、涼しい環境で過ごすことで自然に治るといわれています。必要に応じて、かゆみや炎症を抑える市販薬で様子を見てもよいでしょう。特に水晶様汗疹は通常数日ほどで自然に消えるため、受診しなくても問題ないといわれています。

一方、紅色汗疹はかゆみによりかき壊すと症状が悪化してしまうこともあるほか、広範囲(手のひら2~3枚分以上)に症状が出ている場合などでは、汗疹ではなく別の病気が原因になっている可能性があります。そのため、気になる症状がある場合は放置せずに早めにアレルギー科などを受診するとよいでしょう。

また、日本ではほとんど発生することはありませんが、かゆみや赤みがなく、皮膚が青白く盛り上がっている場合は“深在性汗疹”という特殊な汗疹の可能性があります。この場合は汗を体の外に出せず体温調節ができなくなり、熱中症になる恐れがあるため、急ぎの受診が必要になるとされています。

汗疹になったときに気を付けたいポイント

汗疹を改善するためには、自宅での適切なスキンケアが大切といわれています。

汗疹ができない環境を心がける

汗疹は大量の汗をきっかけに発症するため、必要以上に汗をかかない環境を整えることが大切です。特に夏場や梅雨時など、高温多湿で大量に汗をかきやすい時期は、エアコンを利用するなどの工夫をして汗を抑えるようにしましょう。

また、汗むれを防ぐことも大切なので、通気性・吸水性が高く、ベルト・ゴムなどで締め付けない衣服を着ることも対策の1つです。

肌を清潔に保つ

汗管の詰まりを防ぐために、汗をかいたらシャワーを浴びたりタオルなどでそっと拭き取ったりして皮膚を清潔に保つことも大切です。

皮膚を刺激しない

皮膚の外からの異物の侵入を防いだり、体の水分の蒸発を防いだりするはたらきである“バリア機能”が低下すると、汗疹をはじめとした肌トラブルが起こりやすくなるとされています。

前述のとおり汗をかいたら放置せず、洗い流したり拭き取ったりすることが重要ですが、タオルで皮膚を強くこするとバリア機能が低下するため、皮膚を刺激しないことも大切です。

乾燥を避ける

バリア機能は皮膚が乾燥することでも低下して、汗疹が起こりやすくなるとされています。そのため、保湿クリームを塗るといったケアを取り入れて、皮膚が乾燥しすぎないように注意しましょう。

汗疹の治療のポイント

塗り薬

汗疹の治療は自宅でのスキンケアが基本ですが、かゆみを伴う紅色汗疹は、セルフケアだけでは改善できないことがあります。なかなか症状が落ち着かない場合は、ステロイド(合成副腎皮質ホルモン)の塗り薬で治療するのが一般的です。

ステロイドとは、抗炎症作用や細胞分裂抑制作用を持つ成分です。特に抗炎症作用が強力で即効性があり、かゆみや赤みなどを素早く改善するとされています。ステロイドは種類が豊富で、それぞれ薬効の強さが異なるため、症状に合ったものを使用するためにも医療機関で処方してもらうとよいでしょう。

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