リベルサス
など
暑い中で激しい運動をするなどして大量に汗をかいたり、水分の摂取量が足りなくなったりすることによって喉が渇くことは誰にでも起こり得る反応です。
しかし、脱水が進めば錯乱やめまいが生じるなど、体に異変が現れることもあります。また、時にかぜや咽頭結膜炎(プール熱)といった病気が原因で喉の渇きを感じたり、重大な病気が原因となっていたりする場合もあります。放置すると生活に支障をきたしたり、重大な合併症につながったりする可能性もあるため、上記のような症状がある場合は早めに内科やかかりつけ医などの受診を検討するとよいでしょう。
体内に取り入れる水分量よりも失った水分量のほうが多くなると、体内の水分が不足して脱水状態になります。すると、喉の渇きを感じるほか、発汗や排尿も少なくなるなどの症状がみられることがあります。
この原因としては、単に水分の摂取量が少なかったり、暑い場所で長時間運動して大量に汗をかいたりすることなどが挙げられます。また、やけどや下痢、嘔吐などがきっかけになることもあります。
この場合は水分補給が基本です。予防のためにもスポーツ中やその前後、入浴前後、睡眠前や起床時などに、しっかり水分補給するとよいでしょう。喉が渇く前に水分を取るのがポイントです。
また、医療機関で経口補水液の投与や、点滴による水分補給・電解質の補給を行うこともあります。血圧低下や意識障害などを起こしている場合は入院しなくてはならないこともあります。
加齢も喉が渇く原因となります。高齢者は、若い人よりも喉が渇いたと感じるまでに時間がかかるほか、喉の渇きの感じ方も鈍いため、脱水しやすい傾向にあるとされています。さらに、脳卒中の発症後などに体の自由がきかなくなり水分を摂取しにくくなったり、失禁に対する不安から水分摂取を避けたりして脱水になることもあります。
脱水を防ぐには、食事のとき以外にもお茶を飲むなど、日頃から意識して水分を取ることが大切です。また、口の中が乾燥していると細菌が増えて炎症を起こすこともあるため、歯科でのケアも検討するとよいでしょう。
かぜの症状は、鼻水、鼻づまり、喉の痛みが主ですが、頭痛や発熱、全身倦怠感、喉の渇きなどの症状が出ることもあります。かぜの症状は、通常3日以内にピークを迎えて症状が落ち着いていきます。水分と栄養を摂取し、安静にしていれば自然治癒するでしょう。
また、かぜをひいたときには細胞の1つ1つが水分を必要としており、特に発熱時には体内の水分が奪われやすいため、意識して水分を取ることが大切です。
糖尿病とは、インスリン(血糖を下げる役割があるホルモン)が十分にはたらかず、血糖値が上がってしまっている状態のことです。軽度の場合は自覚症状が出ないことがありますが、血糖値が高い状態が続くと、喉が渇いたり、体重減少や疲労感といった症状が出たりすることがあります。喉が渇く理由としては、糖が尿に出る際には水分も出るため尿量が増え、脱水状態となるからだとされています。
糖尿病は放置すると、さまざまな合併症につながるため注意が必要です。治療の基本は、食事と運動による血糖値のコントロールです。食事によって体内に取り込まれる糖の量を調節し、運動で糖を消費します。場合によっては、飲み薬や注射などの薬物療法を行うこともあります。
更年期(閉経前後を合わせた10年間)に現れる症状を更年期症状、中でも日常生活に支障が出るほどの重い症状が出ている状態を更年期障害といいます。主な更年期症状としてほてりやのぼせなどがありますが、喉や口が渇くこともあります。女性ホルモンの減少や多汗、頻尿などによって、粘膜が乾燥するのが原因だと考えられています。
更年期の喉の渇きの対処法は、こまめな水分補給が基本です。また、更年期症状自体を治療するためには、生活習慣を改善したり心理療法を行ったりします。改善がみられない場合はホルモン剤や漢方薬、向精神薬などを用いた薬物療法を行うこともあります。
ドライマウスとは、何らかの理由で唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥することです。唾液量が減っていなくても喉や口の乾燥を感じる場合はドライマウスに当てはまります。原因は多岐にわたり、薬や治療の副作用、精神的なストレス、神経障害、腎臓疾患、シェーグレン症候群などの膠原病などが挙げられます。さらに、口呼吸による乾燥や、先述した糖尿病、加齢、筋力低下などによるものも、広義のドライマウスに該当します。
ドライマウスになると乾いた食べ物が食べにくくなるなど、日常生活に支障が生じることもあるため注意が必要です。改善するには、原因になっている病気を治療することが第一です。歯科で行うドライマウス治療としては、人工唾液や保湿ジェルを使って乾燥を防ぐ対症療法、唾液の分泌を促進する薬の服用、唾液腺のマッサージなどがあります。
喉が渇いたら、まずは水を飲みましょう。脱水予防のために喉の渇きを感じる前に水を飲むこと、特にスポーツ中やその前後、睡眠前や起床時、入浴前後は意識的に水分補給することが大切です。
ただし、アルコールは利尿作用があり体内の水分を奪うため、かえって喉が渇くとされています。過剰にアルコールを摂取すると身体機能が落ち、唾液の分泌異常が起こることもあるため注意が必要です。
ドライマウスの原因の1つに口呼吸があります。口の中が粘つくなど、ドライマウスと思われる症状が出ている場合は口呼吸になっていないかを確認し、もし口呼吸になっていたら鼻で呼吸するように気を付けてみましょう。
何らかの病気によって喉の渇きを感じていることもあり、放置すると生活に支障が出たり、感染症や重篤な病気のリスクが高まったりすることもあります。喉の渇きが続く、ほかにも気になる症状があるといった場合は受診を検討するとよいでしょう。