高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
尿酸とは、細胞の核に含まれる“プリン体”という物質を分解したときに生じる老廃物です。レバーや魚卵などプリン体が多く含まれた食品を取ることによって、体に取り込まれる場合もあります。
尿酸は体にとっては不要なものなので、通常は尿とともに体の外へ排泄されます。ただし、何らかの理由で尿酸が過剰に産生されたり、うまく尿から排泄されなくなってしまったりした場合や、プリン体を含む食品を取りすぎてしまった場合などに血液中に尿酸が多く含まれるようになってしまいます。このような状態を“高尿酸血症”と呼び、血液中の尿酸の濃度のことを“尿酸値”といいます。
尿酸値は女性より男性が高値になることが多く、年齢とともに上昇しやすいことが分かっています。
高尿酸血症にかかると、関節や腎臓、尿路などに尿酸がたまるようになり、皮膚が赤く腫れて強い痛みが生じる痛風のほか、腎臓結石、尿路結石症などを引き起こす可能性があります。
また腎障害、脳や心臓の血管障害を促進するリスクがあると考えられています。
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尿酸値は血液検査で測定することができます。
検査は痛風などを疑う症状があった場合に保険適用で行われることもありますが、健康診断の一環として行われることもあります。健康診断などで尿酸値が異常値だった場合、再検査も検討されます。
血液検査では、食事や治療薬、飲酒、運動などが検査値に大きく影響を与えることがあります。そのため、検査前に注意事項についてよく説明を受け、決められた時間までに食事を取るなど、指示を守ったうえで検査を受けることが大切です。
また、現在使用している治療薬がある方は、事前にその旨を医師へ伝えるようにしましょう。
尿酸値の検査の場合、一般的に事前に食事を抜く必要などはありません。検査で高値がみられた場合には、それが持続するものかどうかを確認するために、複数回検査が行われることがあります。
また、採血時は皮膚に針を刺すため、軽い痛みが生じることがあります。
尿酸値の基準範囲は、2.1mgdL〜7.0mg/dLです。
尿酸値が7.1mg/dL以上となる場合、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症では自覚症状がない場合もあります。しかし、進行すると痛風発作や膀胱結石、尿路結石などを引き起こす可能性があり、関節、足、耳たぶ、背中などに激痛を感じることがあります。
尿酸値が2.0mg/dL以下の場合、低尿酸血症と診断されます。低尿酸血症は高尿酸血症と比較すると頻度が低く、自覚症状も現れにくいことが特徴です。ただし、もっともよくみられる“腎性低尿酸血症”では、尿路結石や運動後の腎不全が起こることがあります。
尿路結石では背中の痛み、血尿などの症状がみられるほか、運動後の腎不全では運動を行ってから数時間後に強い背中や腰の痛み、吐き気・嘔吐などが生じることがあります。
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尿酸値が7.1mg/dL以上であった場合、痛風の症状などがなければ、まず医師による生活指導が行われることが一般的です。具体的にはお酒の摂取量を抑え、レバーや魚卵などプリン体を多く含む食品を控えるなどの食事療法が行われます。
また高尿酸血症の多くは尿酸の排出がうまくできなくなる排泄低下型であり、糖尿病や肥満症を合併していることが多いとされています。そうした病気の改善のためにも、まずはその人の生活に合ったカロリーの食事やバランスのよい食事が指導されます。そのほか、無理のない運動療法を行うことも大切です。
1度でも痛風発作を経験したことがある方の場合には、生活指導に加えて薬物療法が検討されます。生活習慣の改善や薬物療法を通じて尿酸値を6.0mg/dL以下にコントロールすることを目指します。
なお痛風発作を起こしたことのない方でも、尿酸値が9.0mg/dL以上の方、あるいは8.0mg/dL前後で以下のような合併症を抱えている方は、最初から生活指導と薬物療法の両方が検討されることがあります。
など
前述のとおり、尿酸値が2.0mg/dL以下になってしまうことは比較的まれであるため、高尿酸血症と比較すると治療方法などは確立されていないのが現状です。ただし、腎性低尿酸血症の場合には合併症を予防する方法として、運動前にしっかり水分を取ることや、かぜを引いたときや抗炎症薬(NSAIDs)を飲んだ後などに過度な運動を避けることなどが指導されます。