リベルサス
脂質異常症とは、脂質の血中濃度が基準値から外れた状態のことです。HDLコレステロール(善玉コレステロール)、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)のいずれかの血中濃度が異常値である場合に脂質異常症と診断されます。脂質異常症は動脈硬化や高血圧、糖尿病などの病気を引き起こす原因にもなるため、脂質異常症と診断された場合は早めに対処することが大切です。そこで今回は、脂質異常症の改善策を紹介します。
脂質異常症となる大きな原因は、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足といった生活習慣とされています。そのため、脂質異常症を改善するには、まず食事や運動といった生活習慣を改善する必要があり、生活習慣を見直しても脂質異常症が改善されない場合に薬物治療を検討することが一般的です。
また、脂質異常症は、甲状腺機能低下症や腎臓病といった病気が原因で起こる場合もあります。病気が原因である場合は病気に応じた治療が必要となります。
脂質異常症の食事療法では、自分に適したエネルギー量を守り、適正体重を維持する必要があります。適正体重の目安は、“身長(m)×身長(m)×22”で計算しましょう。
また、エネルギー量を守るには、食べ過ぎや脂質・糖質の取り過ぎを控え、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。成人の脂質・糖質(炭水化物)の摂取量は以下が理想とされています。
脂質を摂取する際には、特にコレステロールに注意が必要です。コレステロールは肉の脂身や内臓類、乳製品、卵黄などに多く含まれるため、これらの食材はできるだけ摂取を控えましょう。ほかにも、アルコールや甘いもの、塩分の取り過ぎは中性脂肪が増える要因になるため、以下のような点も意識しましょう。
また、食事が不規則になると、体内に脂肪がたまりやすくなります。1日3食きちんと取り、間食や夜食は控えるようにしましょう。
血中のコレステロール値を下げる効果が期待できる食物繊維を取るのもよいとされています。食物繊維は以下のような食品に多く含まれます。
果物も食物繊維が多い食品ですが、果物は過剰摂取すると中性脂肪に変換される果糖を多く含みます。そのため、果物の摂取は1日あたり拳1つ分程度を目安にしましょう。
血中のコレステロール値を下げる栄養素として、不飽和脂肪酸(魚・植物の脂に多く含まれる脂肪酸)も挙げられます。魚やオリーブオイルなども食事に取り入れるとよいでしょう。
eHealth clinicでは、管理栄養士による栄養相談を行っています。栄養相談では、普段の食事や生活スタイルと丁寧にヒアリングし、無理なく続けられる食生活をご提案いたします。ご不安なことがあればお気軽にご相談ください。
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脂質異常症の改善のためには、少しきついと感じるくらいの中等度の有酸素運動を1日に合計30分以上行うとよいとされています。たとえば、中等度強度の有酸素運動には、ウォーキング、速歩き、スロージョギング、社交ダンス、水泳、サイクリング、ベンチステップ運動などの運度が該当します。 運動をする前には、準備運動・整理運動をしっかり行うことも大切です。
また、運動はできれば毎日行うのがよいですが、最低でも週3日は実施することが望ましいといわれています。定期的に運動すると、善玉コレステロールが増えて中性脂肪が減少すると考えられているほか、以下のような効果も期待できます。
生活習慣を見直しても脂質異常症が改善しない場合は薬物療法を検討します。脂質異常症の薬には、悪玉コレステロールが合成されるのを抑える薬やコレステロールの吸収を抑える薬などさまざまな種類があり、病状などによって使用する薬を決定します。1種類の薬のみでは十分な効果が出ないなどの場合は、複数の薬を併用することもあります。
食事療法、運動療法ともに、適切な内容は人それぞれ異なります。また、脂質異常症を改善するには、食事療法や運動療法以外にも、禁煙するなど生活習慣全般を改善していくことが重要です。自分に合った適切な対策を取るためにも、受診して医師のアドバイスを受けるとよいでしょう。
eHealth clinicの内科では脂質異常症の診療を行なっています。脂質異常症などをはじめとした生活習慣病は薬だけではなく、食事や運動など生活習慣を見直すことも治療の一環となります。eHealth clinicには管理栄養士が在籍し、患者様の食生活のアドバイスをすることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。