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腎機能検査とは、腎臓の病気の有無や腎臓のはたらきが正常であるかを調べる検査のことをいいます。検査では、血液や尿などを採取して調べます。
腎臓は尿をつくる器官で、腰の少し上の背中側に背骨を挟んで左右に1つずつ存在しています。主に(1)血液をろ過し、老廃物や塩分を排出する(2)血圧を調整する(3)ホルモンを分泌して、赤血球の生産や骨の発育を促すなどのはたらきをしています。そのため、腎臓の機能が悪くなると、尿の変化や高血圧、むくみなどのさまざまな症状がみられるようになります。しかし、これらは進行した場合の症状です。腎臓は“沈黙の臓器”といわれ、かなり悪化しないと自覚症状が出てこないため、定期的な検査を受けることが大切です。
腎機能検査がすすめられる人の特徴は、以下のとおりです。該当する方は、医療機関を受診し、検査の要否について医師に相談してみるとよいでしょう。
腎機能検査で血液や尿を調べることで、腎機能低下の度合いを知ることや、病気の診断に役立ちます。具体的に腎機能検査を受けることで分かる病気は、以下のとおりです。
腎機能検査には、(1)尿素窒素(尿検査)(2)シスタチンC(血液検査)(3)L-FABP(尿検査) があります。各項目が基準値内にない場合は、腎機能に異常がある可能性があります。以下では、腎機能検査の基準値についてご紹介します。
尿素窒素(BUN)とは、タンパク質が分解されてできる老廃物のことです。
基準値より高い場合は腎機能障害や尿毒症などが疑われ、低い場合は肝硬変や重症の肝不全などが疑われます。
シスタチンCは、酵素による細胞質や組織が壊されることや、細菌・ウイルスの増殖を防ぐ物質のことです。基準値より高い場合は慢性腎臓病などが疑われます。
L-FABPは、肝臓や腸管、腎臓に存在する“脂肪酸結合蛋白”で、普段はエネルギー代謝や脂質代謝に関わっています。基準値より高い場合は慢性腎臓病などが疑われます。
なお、シスタチンCやL-FABPは、尿タンパクやクレアチニンと比較してより早期に腎臓機能を反映するといわれています。
腎機能検査で結果に異常がなくても、定期的な健康診断を受けることが大切です。
腎機能検査で異常値が出た場合は、腎臓機能が低下している可能性があります。そのため、自己判断で放置せずに医療機関を受診することが大切です。医療機関では病気の診断のため、必要に応じて画像診断や腎生検などが行われます。
以下では、腎機能検査を受ける際に気を付けたいポイントをご紹介します。詳しくは医師や看護師に事前に確認するようにしましょう。
腎機能検査を受ける際には、通常食事制限が必要となります。腎機能検査の項目の1つであるシスタチンCとL-FABPは食事の影響を受けませんが、BUNの値はたんぱく質の多い食事によって数値が高くなることがあるためです。
腎機能検査では血液検査をするため、採血に伴う痛みがあります。