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診療科目
2022.06.08
#腎臓内科 #対象疾患

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症とは

糖尿病性腎症は糖尿病の合併症の1つで、糖尿病性腎症は糖尿病の合併症の1つで、血液をろ過し不要なものを尿として排泄する“腎臓”のはたらきが低下した状態のことです。糖尿病を発症し、高血糖が長期間続くと、全身の動脈硬化(血管が弾力性が失われ硬くなった状態)が進行します。すると、腎臓内で老廃物を濾過する糸球体のはたらきが悪化して、結果的に腎機能が低下することで糖尿病性腎症を発症するとされています。

また、糖尿病性腎症の診断の材料には、アルブミン尿が用いられます。アルブミンはタンパク質の一種で、尿中のアルブミン量が多いほど糖尿病性腎症が進行していると考えられます。一方で、アルブミンの量は正常であるものの、腎臓の機能が低下する場合があり、最近ではこれを糖尿病性腎臓病として区別するようになっています。

糖尿病性腎症を発症した場合、すぐに症状が出るのではなく、段階を経て進行すると症状がみられるようになります。このため、できるだけ早めに発見し、適切な治療を受けることが重要です。

糖尿病性腎症の症状

主な症状

初期には自覚症状がほとんどなく、検診などで発見されることもあります。進行したり、場外が悪化したりすると、以下のような症状がみられることがあります。

  • むくみ
  • 疲れやすさ
  • 息切れ
  • 食欲不振
  • 倦怠感

など

受診の目安

症状を悪化させないためにも、糖尿病および糖尿病性腎症では早めに治療を開始することが大切です。先述のとおり初期は目立った症状がほとんどないため、症状がある場合はある程度進行している可能性があります。さらに進行すると最終的に人工透析が必要になることもあり、人工透析の原因疾患でもっとも多い病気が糖尿病性腎症だといわれています。

以上のことを踏まえ、気になる症状がある場合は放置せずにかかりつけ医や担当医などに相談するようにしましょう。また、糖尿病性腎症は尿検査を受けることが早期発見につながるため、糖尿病患者さんは医師の指示どおりに定期的な検査を受けるようにするとよいでしょう。

糖尿病性腎症の治療のポイント

糖尿病性腎症の治療では、血糖値、血圧、脂質のコントロールが必要とされています。食事療法が基本ですが、薬物療法を行うこともあります。

また、糖尿病性腎症の病期(5段階)のうち、もっとも早期の状態から第2期目までは、腎臓に対する治療をしなくても厳密な血糖コントロール(カロリーや栄養バランスに配慮した食事、運動、血糖値を下げる薬など)によって病状が改善することがあるとされています。

食事療法

病期によって細かい部分の内容は異なりますが、基本は低たんぱく食を心がけるとよいとされています。

ただし、早期の場合はたんぱく質制限よりもエネルギー制限が基本となります。一方で進行している場合には、たんぱく質制限を中心に行うことが一般的です。

また、年齢や体つきなどによっても食事療法の内容が異なるため、自己判断せず医師や栄養士のアドバイスをもとに実施するとよいでしょう。

薬物療法

血糖値や血圧をコントロールするために薬物療法を行うこともあります。血糖値コントロールのためには血糖値を下げる飲み薬や注射、血圧コントロールのためには血圧を下げる薬や利尿薬など、そのほかにもさまざまな薬が選択肢となります。

また、必要に応じて血液をサラサラにする薬や、血液中の毒素を排出する薬などを使うこともあります。

糖尿病性腎症になったときに気を付けたいポイント

生活習慣を改善する

糖尿病性腎症では、血糖値や血圧のコントロールに加え、運動や禁煙といった生活習慣の改善も心がけるとよいでしょう。これらの取り組みによって、早期の糖尿病性腎症の進行や心血管系のトラブルの発生が抑えられるとされています。

病期によって内容は異なりますが、どの病期でも運動することが推奨されています。ただし、ほかにも合併症があったり、症状が進行したりしている場合は運動制限が必要となることもあるため、必ず医師に確認してから行いましょう。