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診療科目
2022.09.30
#対象疾患

貧血検査

貧血検査とは

貧血検査とは、貧血の有無を確認する検査のことです。

貧血は、赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が減少している状態のことを指します。ヘモグロビンは酸素と結びつき、体中を巡って臓器に酸素を送り届ける役割をしています。そのため、減少によって体に十分な酸素が行きわたらなくなると、頭痛やめまい、動悸や頻脈といったさまざまな症状が現れるようになります。なお貧血は、男性よりも定期的に出血が起こる生理がある女性のほうが起こりやすいといわれています。また、ヘモグロビンの減少以外に、ビタミンB12や葉酸、亜鉛の不足などでも、貧血は起こります。

貧血を調べる検査は採血によって行われます。ヘモグロビンの量を測るほか、血清Fe、TIBC、フェリチンなどが測定されます。

検査がすすめられる人の特徴

貧血検査がすすめられる人の特徴は以下のとおりです。該当する人は、医師に相談してみるとよいでしょう。

  • めまいや息切れ、疲れやすさなど、貧血が疑われる症状のある人
  • 妊娠・授乳中など鉄の必要量が増えている人
  • ダイエットをしている人
  • 外食ばかりするなど偏った食生活をしている人

など

検査で分かる病気

検査によって以下のような病気が分かります。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 鉄芽球性貧血
  • 溶血性貧血
  • 再生不良性貧血
  • ほかの病気に基づく貧血

検査結果の見方

項目と基準値

ヘモグロビン

  • 男性:14~18g/dL
  • 女性:12~16g/dL

前述のとおり、ヘモグロビンは赤血球の中にあり、全身に酸素などを運搬する役割をしています。ヘモグロビンの量が低値の場合は、鉄が不足する鉄欠乏性貧血や赤血球が破壊される溶血性貧血などが疑われます。

注意したいのは、濃度と量の関係です。たとえば、脱水などで血液の液体成分が減っていれば、見かけ上ヘモグロビン濃度は上がりますが、ヘモグロビン自体が増えているわけではありません。逆にむくみなどで水分が過剰になると、見かけ上のヘモグロビン濃度は低下しますが、ヘモグロビン自体は減らないという状況も起こります。そのため、貧血の診断では血清Feなどの数値も確認します。

血清Fe

  • 男性:90~180μg/dl
  • 女性:70~130μg/dl

血清Feとは、血液の中にある鉄(Fe)のことです。鉄はヘモグロビンの材料となるため、鉄が足りない状態だとヘモグロビンのはたらきも悪くなります。そのため、貧血検査では鉄の量も調べることが大切です。

血清Feが低値の場合は鉄欠乏性貧血などが疑われます。

TIBC

  • 男性:253~375μg/dL
  • 女性:220~440μg/dL

TIBCはTotal Iron Binding Capacityの頭文字をとったもので、トランスフェリンと結合できる鉄の量(総鉄結合能)のことです。トランスフェリンはタンパク質の一種で鉄と結合して運搬する役割と持っています。このため、血清Feが低値の場合、TIBCは高値となり、鉄欠乏性貧血などが疑われます。

フェリチン

  • 成人男性:50~200ng/mL
  • 成人女性:12~60ng/mL

フェリチンは全身にあるタンパク質の1つで、トランスフェリンによって運搬された鉄を臓器にためるはたらきをしています。体内で鉄が不足すると、すぐに利用できるよう調整しているのです。

フェリチンが高値の場合は鉄の利用がうまくいかなくなる鉄芽球性貧血などが、低値の場合は鉄欠乏性貧血などが疑われます。

異常値だった場合

異常を指摘された場合は自己判断せず、医療機関を受診しましょう。貧血を生じる病気は数多くあります。時間がかかっても詳しく調べ、原因を突き止めることが大切です。医療機関では、疑われる病気によって必要に応じた検査を行います。

原因が分かったら医師の指示に従い、治療を受けるようにしましょう。鉄欠乏性貧血の場合は食事療法が基本になります。食事からしっかりと鉄などの必要な栄養素を取りましょう。そのためには、動物性食品や植物性食品をバランスよく食べることがポイントです。

貧血検査を受ける前に気を付けたいポイント

検査前の準備

基本的には通常の健康診断と同様です。検査値は“空腹”の状態を基準としているので、前日の夕食は21時までに済ませ、飲酒・喫煙は控えることが求められます。詳細については、検査を受ける医療機関の指示に従いましょう。

痛み

採血は注射で行うため、採血に伴う痛みを感じることがあります。

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