新しい不眠症治療薬「クービビック」

睡眠に関するお悩みは、日中の活動にも影響を及ぼし、心身の大きな負担となります。
イーヘルスクリニック新宿院では、不眠症で悩む方々へ、新しい作用を持つ治療薬「クービビック(一般名:ダリドレキサント)」を用いた治療をご提案しています。クービビックは、脳の過剰な覚醒状態を和らげ、自然に近い眠りをサポートする効果が期待されています。
当院では、患者さん一人ひとりが安心して治療に向き合えるよう、不眠症治療の経験が豊富な医師が丁寧にサポートいたします。
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不眠症治療では、専門医による正確な診断と安全管理が不可欠です。当院では、患者さんのお話をじっくり伺い、不眠の背景にある原因を探ることから治療を始めます。
【クービビック安全使用の確認ポイント】
当院では、患者さんが安心して治療を始められるよう、初診時のカウンセリングと服薬指導に特に力を入れています。
カウンセリングでは、睡眠のお悩みはもちろん、ストレスに感じていることなど、幅広くお話を伺います。患者さんの言葉に耳を傾けることが、最適な治療法を見つけるための第一歩だと考えています。
医師が服用のタイミングや食事との関係、起こりうる副作用と対処法についてご説明し、安全に治療を続けていただけるようにしています。疑問や不安があれば、その場でご確認いただけます。
当院でクービビックの処方を受ける際の、基本的な流れは以下のとおりです。スムーズに受診していただくための参考にしてください。
イーヘルスクリニック新宿院では、医師が不眠症と診断した場合、クービビックを健康保険適用で処方しています。通常は1日1回1錠を就寝前に連日服用します。
【実際にかかる薬剤費の目安(14日分の場合)】
| 用量 | 保険適用時の金額 |
| 25mg錠 | およそ250円 |
| 50mg錠 | およそ380円 |
※上記は薬剤費のみの目安です。
※診察料、処方箋料、調剤料などは別途かかります。
処方日数や用量は、睡眠の状態や体調、これまでの治療歴などを踏まえて医師が判断します。費用の目安や処方内容について不明点がある場合は、診察時にお気軽にご相談ください。

2024年9月に承認され、同年12月に新しい治療薬「クービビック」が日本で使えるようになりました。クービビックは「オレキシン」という物質の働きをブロックすることで、脳の過剰な興奮状態を和らげ自然な睡眠をサポートすることが期待されます。
不眠症の治療には、クービビックと似た働きを持つ「デエビゴ」という薬もあります。どちらも「オレキシン受容体拮抗薬」という同じ仲間で、脳の覚醒物質オレキシンの働きを抑える点は共通です。しかし、作用の仕方や効果が続く時間に違いがあり、患者さんの症状によって使い分けられます。
| 比較項目 | クービビック(ダリドレキサント) | デエビゴ(レンボレキサント) |
| 半減期 | 短め(約6.6~8時間) | 長め(約47~51時間) |
| 翌朝 | 眠気やだるさが残りにくい傾向 | 人によっては眠気が残ることがある |
| 適した症状 | ・寝つきが悪い(入眠困難) ・日中の活動への影響を避けたい方 |
夜中や早朝に目が覚める(中途覚醒・早朝覚醒) |
| 副作用の傾向 | 眠気、頭痛、めまいなど | 眠気、頭痛、悪夢など |
クービビックは、寝つきの悪さを感じる方や、翌朝すっきり起床したい方に適しています。デエビゴは、夜中や早朝に目が覚めてしまうなど、睡眠の維持に課題がある方に効果が期待できます。最適な薬は、症状や生活リズムを踏まえて医師が判断します。
不眠症で悩む方の脳は、過剰に興奮している状態にあると考えられています。クービビックがどのように効果を発揮するのか、仕組み(作用機序)を詳しく解説します。
クービビックは「オレキシン受容体拮抗薬」という種類のお薬です。3つのキーワードに分解すると理解しやすくなります。
| 用語 | 説明 |
| オレキシン | ・脳内で作られ「起き続けなさい」という指令を出す物質 ・日中の活動性を保つために重要な役割を担う |
| オレキシン受容体 | ・オレキシンからの「起きろ」という指令を受け取る ・受容体が指令をキャッチすることで脳は覚醒状態を維持する |
| 拮抗薬(きっこうやく) | ・本来の物質が受容体と結合するのを妨げ、その作用を抑制する薬 ・オレキシン受容体に結合して「起きろ」という信号を遮る |
クービビックは、脳の興奮スイッチが入るのを防ぐことで脳を過剰な覚醒状態から解放します。そして、自然な眠りへ導くことにより、従来の睡眠薬と比べて依存のリスクが低いとされています。
人は眠る時間になると、脳を目覚めさせるオレキシンの働きが弱まりますが、不眠症の方は夜でもこの働きが続き、眠りにくくなることがあります。
クービビックは、オレキシンの働きを受け取る部分に作用し、脳の興奮を和らげるお薬です。2種類ある受け取り口の両方に作用することで、寝つきの悪さや夜中に目が覚める状態の改善が期待される場合があります。
夜の睡眠を支えつつ、朝に影響が残りにくいよう考えられており、使用については医師の判断が大切です。
クービビックは、脳の働きを一律に抑えるのではなく、目が覚め続ける原因に着目した不眠症治療薬です。こうした仕組みの違いにより、従来薬と比べて特徴や注意点にも違いがあります。代表的な睡眠薬と比較しながら、その違いを整理します。
不眠症の治療薬は、脳への作用の仕方によって、いくつかの種類に分けられます。
| お薬の種類 | 作用の仕組み | 主な特徴 | 代表的なお薬 |
| オレキシン受容体拮抗薬 | ・脳を「起きろ」と働かせる ・物質(オレキシン)の働きをブロックする |
・脳の過剰な興奮を和らげる ・自然な眠りに近いとされる ・依存のリスクが低いとされる |
・クービビック ・デエビゴ ・ベルソムラ |
| ・ベンゾジアゼピン系 ・非ベンゾジアゼピン系 |
脳の活動を全体的に落ち着かせる物質(GABA)の働きを強める | ・効果を実感しやすい ・筋弛緩作用による、ふらつき ・長期使用による依存のリスク |
・ハルシオン ・ルネスタ |
| メラトニン受容体作動薬 | 体内時計を整えるホルモン(メラトニン)と同じように働き眠気を促す | ・自然な睡眠リズムを整える ・依存性がないとされる ・効果が穏やか |
ロゼレム |
従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳全体の働きを抑えて効果を発揮します。そのため、長く使うと薬に頼りやすくなり、やめた際に不眠が強まることがありました。
クービビックは、覚醒に関わるオレキシンの働きに限定して作用します。脳全体への影響が少なく、依存や離脱症状のリスクは比較的低いとされています。
体内での作用時間が短めに設計されており、夜の睡眠を支えながら、翌朝の眠気やだるさが残りにくい点も特徴です。ただし、感じ方には個人差があるため、使用にあたっては医師の判断が重要です。
当院では、クービビックのメリット・デメリットを丁寧にご説明し、患者さんに最適な治療法をご提案しています。
クービビックには、一般的に次のメリットが期待できます。
| 特徴・メリット | 内容 |
| 自然な眠りをサポート | ・脳を無理に眠らせず覚醒物質の働きをやさしくブロック ・体の本来の眠る力を引き出す |
| 翌朝すっきりしやすい | ・半減期約8時間で睡眠時間に合わせやすい ・翌朝の眠気やふらつきが少なく日中も快適 |
| 依存・耐性が起きにくい | ・脳の「覚醒」に関わる部分だけに作用 ・「薬がないと眠れない」状態になりにくい |
| 転倒リスクを軽減しやすい | ・翌朝のふらつきが少ない ・高齢者にも使いやすく転倒予防につながる |
多くのメリットがある一方で、クービビックには注意すべき点や、人によっては合わない可能性もあります。
| 特徴・デメリット | 内容 |
| 効果の感じ方に個人差がある | 強い睡眠薬に慣れている人には物足りなく感じることもある |
| 作用時間が比較的短い | ・翌朝に残りにくい反面、効果が途中で切れることもある ・中途覚醒や早朝覚醒が主な悩みの人には合わない場合がある |
| 副作用の可能性がある | ・まれに日中の眠気、頭痛、めまい、だるさなどが起こることがある ・異常を感じた場合は自己判断せず医師へ相談が必要 |
| 薬代がやや高め | ジェネリックがなく自己負担が高めになりやすい |
| 併用できない薬がある | ・一部の抗生物質や抗真菌薬などと併用できない ・服薬中の薬は必ず医師や薬剤師に伝える必要がある |
新しいお薬を飲み始めるときは、安全に治療を進めることが何よりも大切です。
お薬の効果は、飲むタイミングや量によって大きく変わります。クービビックの効果を引き出すために、以下の3つのポイントを必ず守りましょう。
| 項目 | 内容 |
| 飲むタイミング | ・1日1回就寝直前に服用 ・飲んでから効果が早く現れる ・ベッドに入る準備を整えてから服用 ・服用後の歯磨きやスマートフォン操作は避ける |
| 食事との関係 | ・夕食の直後や食事中の服用は避ける ・脂肪分の多い食事で吸収が遅れる可能性あり ・夕食から2時間以上あけて服用するのが望ましい |
| 容量 | ・通常は1回50mgを服用 ・年齢や肝機能により25mgから開始する場合あり ・高齢者や肝機能が低下している方は少量で十分な効果が得られる ・自己判断で増量や2回服用はしない(副作用のリスク) |
クービビックを安全に使用するためには、他のお薬との飲み合わせに注意が必要です。
抗真菌薬(水虫やカンジダ症の治療に使われる飲み薬)、抗生物質(クラリスロマイシンなど)、抗ウイルス薬(HIV治療薬など)は、作用が強く出る可能性があるため注意が必要です。治療中の薬がある場合は、市販薬やサプリメントも含め、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
服用後は眠気や注意力が低下することがあります。車の運転や危険を伴う作業、アルコールの摂取は避けることが大切です。安全に治療を続けるため、気になる点は事前に相談しましょう。
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当院では、クービビックの副作用についても詳しくご説明し、安心して治療を続けられるようサポートしています。
クービビックを飲んだ方から報告されている副作用には、以下のものがあります。
| 症状 | 対応のポイント |
| 眠気・傾眠(日中の眠気) | ・車の運転や高所作業前は注意 ・続く場合は医師に相談する |
| 頭痛・めまい | ・軽度なら経過観察 ・強い頭痛やふらつきが続く場合は医師に相談する |
| 倦怠感(だるさ) | ・休息をしっかりとる ・日中も続くようなら医師へ相談する |
| 悪夢・異常な夢 | ・内容が気になる ・眠りが浅くなる場合は服薬時間や量の調整を医師と相談する |
症状が長く続いたり、つらく感じたりした場合は、自己判断でお薬をやめてはいけません。安全に治療を続けるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。
クービビックで重い副作用が起こることはまれですが、万が一に備えて知っておくことが重要です。
| 副作用の例 | 症状 | 対処法 |
| 睡眠時麻痺 | 眠っている最中に意識はあるのに、体を動かせなくなる | 頻繁に起こる場合や、強い恐怖を感じる場合は、医師に相談する |
| 入眠時幻覚 | ベッドに入って、うとうとと眠りかけるときに、実際にはないものが見えたり、声が聞こえたりするように感じること | 症状が続く場合は医師へ相談 |
| 夢遊症状など | ・寝ている間に歩く ・食事や電話などの行動をする ・記憶がない |
ご本人の安全を第一に確保し、速やかに医師へ連絡する |
重篤な副作用や何か異常があった場合は、すぐにお薬を飲むのをやめて、医師や薬剤師に連絡することが大切です。
クービビックが、ご自身の不眠の悩みに合った治療法かを見極めるために、事前に把握しておくべきことを解説します。
以下のようなお悩みを抱えているなら、クービビックが治療の選択肢の一つになります。
【クービビックが選択肢となりうる不眠の症状】
| 睡眠のタイプ | 状態の特徴 |
| 入眠困難 | ベッドに入っても30分〜1時間以上眠れない(考えごとや焦りで寝つけない) |
| 中途覚醒 | 夜中に2回以上目が覚め、その後眠れないことがある |
| 早朝覚醒 | 予定より2時間以上早く目が覚め、再び眠れない |
| 熟眠障害 | ・眠っても疲れが取れず朝すっきりしない ・日中に眠気や集中力低下が起こる |
最適な治療を受けるためには、医師に現在の状態・希望・安全に関わる情報を正しく伝えることが大切です。
眠れない期間や寝るまでの時間、夜中に目が覚める回数、日中の眠気や集中力への影響など、今の悩みを具体的に伝えましょう。簡単なメモを用意しておくと相談がスムーズです。
【必ず医師に伝えてほしいこと】
これらを共有することで、安全で適切な治療につながります。

新しい治療薬「クービビック」は、これまでの薬とは異なる仕組みです。不眠の改善が期待されるお薬ですが、効果や副作用は人それぞれで、すべての方に合うわけではありません。
当院では、患者さん一人ひとりとの対話を何よりも大切にしています。ご自身の状態に合った治療法かを見極めるため、まずはご相談ください。
【当院の不眠症治療で大切にしていること】
クービビックでの治療をご検討中の方や睡眠に関するお悩みを抱えている方は、ぜひ一度イーヘルスクリニック新宿院にご相談ください。
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Mignot E, Mayleben DW, Fietze I, Leger D, Zammit G, Bassetti CLA, Pain S, Seboek Kinter D, Rosenberg R; Investigators.Safety and efficacy of daridorexant in patients with insomnia disorder: results from two multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trials.Lancet Neurol,2022,21(2),p.125-139