心身の不調で男性更年期障害(LOH症候群)を疑ったとき「何科を受診すればいいのかわからない」と思ったことはありませんか?男性更年期障害は、身体や精神、性機能と症状の現れ方が人それぞれです。ご自身の症状に合わない診療科を受診すると、適切な診断や治療開始が遅くなってしまう可能性もあります。
本記事では、悩みや症状に合わせ、泌尿器科や内科、精神科などの各診療科の役割と選び方を解説します。病院選びで迷わないために、適切な診療科選びの参考として活用しましょう。
目次
男性更年期障害(LOH症候群)の症状は、疲れやすさや意欲低下、性機能の低下など多岐にわたります。これらは他の病気の症状とも重なることが多いため、「自分の不調が本当に更年期によるものか」を見極めることが、適切な診療科選びの第一歩となります。
まずは以下の表で、男性更年期障害と似た症状を持つ主な病気と、そのチェックポイントを確認してみましょう。
男性更年期障害と間違いやすい病気
| 分類 | 鑑別すべき疾患・状態 | LOH症候群と似た主な症状 | まず確認したいポイント |
| 内分泌・ホルモン | 甲状腺機能異常、下垂体・副腎機能低下 | 倦怠感、抑うつ、動悸、体重変動、強い倦怠感、性欲低下、低血圧 | TSH・FT4検査、他のホルモン値の異常 |
| 精神・神経系 | うつ病/抑うつ状態 | 意欲低下、気分低下、睡眠障害 | ストレス背景、PHQ-9(問診) |
| 睡眠 | 睡眠時無呼吸症候群 | 日中の眠気、抑うつ、性機能低下 | いびき・無呼吸の有無 |
| 代謝・慢性疾患 | 糖尿病、慢性腎臓病(CKD) | 易疲労感、ED、集中力低下、倦怠感、抑うつ、性欲低下 | HbA1c、血糖値、Cr(クレアチニン)、eGFR |
| 薬剤の影響 | 抗うつ薬・抗精神病薬、 前立腺癌治療 | 性欲低下、ED、倦怠感、男性ホルモン低下症状 | 服薬履歴の確認、治療歴、PSA値 |
| 泌尿器器質性 | 前立腺疾患・器質性ED | 排尿障害、勃起障害 | PSA、泌尿器科的評価 |
性機能や排尿に関する以下の悩みが気になる場合は、泌尿器科を受診しましょう。
泌尿器科は、男性ホルモン(テストステロン)や性機能に関する相談にも対応する診療科です。男性更年期障害の診断と治療において、中心的な役割を担っています。泌尿器科で行う主な検査や治療は、以下のとおりです。
男性更年期障害の根本原因であるホルモン低下に直接アプローチできるのが泌尿器科の強みです。血液検査では、PSA値を同時に調べ、安全に治療できるかを確認します。
身体的不調が強い以下の場合は、内科やかかりつけ医に相談しましょう。
内科は、全身の不調の原因を幅広く診る診療科です。高血圧や糖尿病、甲状腺の病気なども男性更年期障害と似た症状を引き起こすことがあります。症状の原因を調べる検査は、以下のとおりです。
検査で内科的な病気が見つからなければ、男性更年期障害を疑い、泌尿器科などの専門診療科を紹介される場合もあります。内科は、最初の相談先として適切な科といえます。
更年期障害か内科的な疾患かを見極めるためにも、症状の全体像を把握することが重要です。以下の記事では、更年期の初期症状と見分け方について詳しく解説しています。
>>男性更年期障害は何歳から?発症しやすい年齢と初期症状、今からできる予防法を解説
以下の精神的不調が主な症状の場合、精神科や心療内科への受診を検討しましょう。
男性更年期障害による精神症状は、うつ病の症状と似ています。原因がホルモンバランスの乱れによるものか、他の要因かで治療法が異なり、専門医による診断が大切です。精神科と心療内科の役割は、以下のとおりです。
男性ホルモンの低下が不調の背景にあると判断された場合、泌尿器科と連携しながら、心と身体の両面から治療を進めていきます。
ホルモンの乱れによる精神的な不調については、日常生活でのセルフケアも重要です。以下の記事では、ストレス対処法や生活習慣の見直しについて紹介しています。
>>男性更年期の乗り越え方|つらい症状の緩和に役立つ生活習慣やストレス解消法を解説
メンズヘルス外来は、男性特有の健康問題を総合的かつ専門的に診療する外来です。対応できる症状の具体例は、以下のとおりです。
身体・精神・性機能の症状が複数にわたり、何科を受診すべきかわからない場合は、メンズヘルス外来を受診しましょう。複数領域の知識を持った医師が、多角的な視点から症状を診断し、一人ひとりに合った治療を提案してくれます。
メリットは複数の病院を回る必要がなく、1つの窓口でトータルケアを受けられることです。近くにメンズヘルス外来がない場合は、男性更年期障害の診療を専門とする泌尿器科を受診します。その後、必要に応じて他の診療科を紹介してもらいましょう。
男性更年期障害(LOH症候群)の代表的な症状について、以下を解説します。
更年期障害によって現れる症状は多岐にわたり、心身両面に影響を及ぼします。以下の記事では、セルフチェックに使える症状一覧や検査内容を詳しくまとめています。
>>男性更年期障害(LOH症候群)の症状チェック|検査方法や受診の目安も解説
テストステロンの減少は、身体のエネルギー産生や自律神経のバランスを乱します。身体的なサインは、以下のとおりです。
体力に自信があった方ほど、急な体力の低下に戸惑いを感じやすいです。
心の不調も男性更年期障害の特徴です。テストステロンは、精神的な活力に深く関わり、ホルモンが減ると心の安定が保ちにくくなることがあります。精神的なサインは、以下のとおりです。
精神的な症状は、周囲から「性格が変わった」と誤解されることもあります。人間関係のトラブルにつながり、孤立感を深めてしまうケースも少なくありません。症状がうつ病と似ているため、原因がホルモン低下なのか他の要因なのか専門家への相談が大切です。
性機能に関する悩みは、男性ホルモンの減少で起こる代表的な症状です。性機能に関するサインは、以下のとおりです。
性機能の悩みは、男性としての自信を失わせる原因となる可能性があります。パートナーとの関係に影響を与えてしまうことも少なくありません。泌尿器科などの専門医に相談し、一人で抱え込まず適切な治療を受けることが大切です。
男性更年期障害の治療は、症状の程度や身体の状態、生活スタイルに合わせ複数の選択肢の中から適切な方法を選びます。代表的な3つの治療法は、以下のとおりです。
テストステロン補充療法は、男性更年期障害の根本原因にアプローチする治療法です。テストステロンの値が基準より低い方に行うことで、以下の効果が期待されます。
治療法は、主に注射と塗り薬の2つです。注射は、2〜4週間に1回の頻度でクリニックに通院し注射を受けます。研究では、排尿トラブルの改善が認められた報告もあり、筋肉内注射による有効性を示唆する報告もあります。
塗り薬は、毎日皮膚に塗るクリームや軟膏です。自宅で手軽に治療を続けられ、注射と比較し血液中のテストステロン濃度を安定させやすい特徴があります。
治療法について、副作用への理解が必要です。起こりうる副作用は、多血症(赤血球の増加)や肝機能への影響、睡眠時無呼吸の悪化などがあります。治療中は定期的に血液検査などを行い、身体の状態を確認しながら進めていくことが大切です。
漢方薬による治療は、全身を整えることを目的としています。心と身体のバランスの乱れを整え、自然治癒力を高めることを目指します。適応は、以下のとおりです。
男性更年期障害の症状に対して、以下の漢方薬が用いられます。
漢方薬は、同じ症状でも体質により処方される薬も変わります。医師や薬剤師に相談し、ご自身の状態に合った適切な処方を受けましょう。
サプリメントは、医薬品と異なり治療の「補助」として活用するものです。食事だけでは不足しがちな栄養素を補い、心身のコンディションを整える手助けとなります。男性の健康維持に関連する成分は、以下のとおりです。
サプリメントを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
サプリメントだけで男性更年期障害が治るわけではありません。バランスの良い食事や適度な運動といった生活習慣の改善を基本としながら取り入れることが大切です。
日常的に取り入れやすい食材や栄養素で精力や活力を補う方法もあります。以下の記事では、男性の活力をサポートする食品をランキング形式で紹介しています。
>>精のつく食べ物ランキング!男性の活力とスタミナを高める食材と栄養素を解説

心身に多岐にわたる不調が現れる男性更年期障害は、「何科を受診すべきか」の判断が難しい病気です。精神的な落ち込みなら心療内科、性機能の悩みなら泌尿器科をイメージされがちですが、疲労感や意欲低下といった全身の不調を総合的に診断するには、全身の状態を俯瞰できる「内科」が適しています。
イーヘルスクリニック新宿院では、男性更年期障害の診療も行っています。血液検査によってホルモンバランスを数値化し、患者さまの生活背景に寄り添った最適な治療や生活習慣の改善をご提案いたします。
【当院の特徴】
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