
ビタミンCは、私たちの健康維持やアンチエイジングにおいて最も重要なビタミンの一つです。その重要性は広く知られていますが、最近、医学雑誌『Frontiers in Nutrition』に、その効果に関する新たな注目すべき研究結果が報告されました1。
それは、血清中のビタミンC濃度が高い小児および青年は、呼吸器感染症のリスクが50%も低下する可能性があるというものです。
今回は、この最新の研究結果をご紹介するとともに、ビタミンCが持つ私たちの体を守り、若々しさを保つための4つの重要な働きについて、改めて詳しく解説します。
風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症は、特に子供たちにとって身近な病気です。今回の研究は、ビタミンCがこれらの感染症予防に強力な武器となる可能性を示唆しています。
研究によると、血中のビタミンC濃度が十分に保たれている子供たちは、そうでない子供たちに比べて、呼吸器感染症にかかるリスクが半分にまで低下していました。これは、ビタミンCが免疫細胞の働きを活性化させ、ウイルスなどへの抵抗力を高める「免疫機能のサポート役」として非常に重要であることを裏付けています。
ビタミンCの働きは、免疫力アップだけにとどまりません。強力な抗酸化作用を持ち、私たちの体を内側から守る、まさに「スーパービタミン」です。ここでは、特に知っておきたい4つの重要な働きをご紹介します。
ビタミンCの強力な抗酸化作用は、血液中の悪玉コレステロール(LDL)が酸化されるのを防ぎます。酸化したLDLは血管の壁に蓄積し、動脈硬化を引き起こす元凶となります。ビタミンCはこれをブロックし、血管をしなやかに保つことで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを低減します。
ビタミンCは、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンの生成に不可欠です。コラーゲンが不足すると、シワやたるみの原因となります。ビタミンCを十分に摂取することは、体内でコラーゲンを効率よく作り出し、若々しく美しい肌を保つための鍵となります。
食事から摂る鉄分には、動物性食品に多い「ヘム鉄」と、植物性食品に多い「非ヘム鉄」があります。特に非ヘム鉄は体に吸収されにくいのですが、ビタミンCと一緒に摂ることで、その吸収率が格段にアップします。貧血気味の方や、菜食中心の食生活の方は特に意識したいポイントです。
近年、ビタミンCが骨の形成においても重要な役割を果たすことがわかってきました。特に閉経後の女性において、ビタミンCの摂取が骨密度の維持・向上に貢献するという研究結果も出ています。骨粗鬆症の予防にも繋がる、大切な栄養素です。
上記以外にも、ビタミンCの抗酸化作用や様々な生理機能への関与から、以下のような疾患の予防に役立つ可能性が研究されています。
今回の最新研究で示された呼吸器感染症への効果をはじめ、ビタミンCは美容から生活習慣病、骨の健康まで、私たちの体を幅広く守ってくれる必須栄養素です。
普段の食事から十分に摂ることが基本ですが、現代の食生活では不足しがちでもあります。ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせて、サプリメントや高濃度ビタミンC点滴などを活用することも有効な選択肢の一つです。
健康やアンチエイジングについて気になることがあれば、どうぞお気軽に当クリニックにご相談ください。
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